Last-modified: 2021-04-23 (金) 15:12:41 (222d)

【A-4】(えーよん)

Douglas A-4 "Skyhawk(スカイホーク)"

ダグラス社が1960年代に開発した亜音速艦上攻撃機
エド・ハイネマンによる傑作機であり、「ハイネマンのホッドロッド」、「スクーター」などの愛称を持つ。

ハイネマンの「軽量、小型、空力的洗練を追求すれば自ずと高性能が得られる」という思想に忠実な設計。
当時の艦載機には珍しく主翼の折りたたみ機構がなく、実際それが必要ないほど小型の機体。
軽量・安価ながらも堅牢な構造で整備性も良好、ペイロードも4tに達する。
また、戦闘機でないにも関わらずアグレッサー曲技機としての使用に耐える運動性を誇った。

アメリカ海軍アメリカ海兵隊に大量採用された他、アルゼンチンやイスラエルなどに輸出された。
実戦ではベトナム戦争第四次中東戦争フォークランド紛争湾岸戦争に参加した。

ローンチカスタマーアメリカ海軍からは1976年、アメリカ海兵隊からは1998年に退役。
2021年現在ではアルゼンチンとブラジルで陸上機として使用されている*1
また、各国で退役した機体が民間軍事会社に払い下げられて引き続き飛行しているものもある。

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スペックデータ(A-4F)

乗員1名/2名(TA-4J/F、OA-4F)
全長12.22m
全高4.57m
翼幅8.38m
主翼面積24.15
空虚重量4,750kg
運用時重量8,318kg
最大離陸重量11,136kg
機体内燃料搭載量2,011kg
エンジンP&W J52-P8A?ターボジェット×1基(推力41kN(9,300lbf))
最高速度1,083km/h
航続距離3,220km
戦闘行動半径1,158km/620km(H-L-H)
実用上昇限度12,880m
上昇率43m/s
翼面荷重344.4kg/
推力重量比0.51
G制限+8/-3G
武装コルトMk.12 20mm機関砲×2門(装弾数100発)
コルトMk.20 20mm機関砲×2門(YA4D-1)
ADEN 30mm機関砲×2門(装弾数200発)(A-4S)
DEFA550 30mm機関砲×2門(A-4H)
兵装
ハードポイント5箇所(主翼下×4基、胴体下パイロンステーション×1基)に4,490kgまで
の兵装を搭載可能。
AAMAIM-9「サイドワインダー」×4発
AGMAGM-12「ブルパップ」?×2発
AGM-62「ウォールアイ」?×2発
AGM-65「マーベリック」×2発
ARMAGM-45「シュライク」×2発
ASMエグゾセ
ロケット弾LAU-5003ロケット弾ポッド×4基(CRV7 70mmロケット弾×19発)
LAU-10ロケット弾ポッド×4基(Mk.32ズーニー127mmロケット弾×4発)
マトラロケット弾ポッド×4基(SNEB 68mmロケット弾×18発)
爆弾Mk.20「ロックアイ供クラスター爆弾ユニット(CBU)×6発
Mk.7/APAM-59「ロックアイ」CBU×6発
Mk.81/Mk.82/Mk.83/Mk.84汎用爆弾
B43/B57/B61核爆弾
ペイブウェイレーザー誘導爆弾
Mk.76練習用爆弾
370 USガロン(1,400L)増槽×3基
アビオニクスEscapac1/1A-1射出座席(A-4A/B/C・E)
AN/APG-53Aレーダー(A-4G)
AN/APQ-145 マッピング&測距レーダー(A-4F/E/N/S/SU)
LN-93慣性航法装置(A-4SU)
AN/APN-141電波高度計(A-4C/E/F)


バリエーション(カッコ内は生産・改修機数)

  • オリジナルの生産型
    • XA4D-1(1機):
      非武装の試作型。

    • YA4D-1(19機):
      前量産型。
      固定武装としてコルトMk.20 20mm機関砲×2門(装弾数各100発)を搭載。

    • A-4A(A4D-1)(146機):
      最初の量産型で、レーダーを搭載していない昼間攻撃専用。
      ハードポイントは3箇所。

    • A-4B(A4D-2)(542機):
      空力面を改良し、機首右舷に空中給油用の受油プローブを追加した型。

    • A-4C(A4D-2N)(638機):
      レーダーを装備し全天候能力を追加した型。
      エンジンカーチス・ライトJ65-W-16C(離昇推力36.5kN)を装備する。

    • A4D-3:
      B型ベースの能力向上型。計画のみ。

    • A4D-4:
      C型をベースに主翼を改修した型。計画のみ。

    • A-4E(A4D-5)(496機):
      エンジンをJ65からP&W J52-P-6A (推力3.85t) に換装し、ハードポイントを5箇所へ増設したほか、電子装備強化のために機首が延長されている。
      後に胴体上部にアビオニクスパックを増設した。

    • A4D-6:
      E型の主翼などを拡大した型。計画のみ。

    • A-4F(146機):
      電子装置や射出座席を改良しエンジン出力を強化した型。
      エンジンはJ52-P-8A(推力4.2t)を搭載*2
      この型以降、前輪のステアリング機構を追加し、背面のアビオニクスパックを生産段階より装備している。
      ブルーエンジェルスでは1973年から1986年まで使用された。

      • TA-4F(241機):
        A-4Fの複座練習機型。

    • TA-4J(227機):
      非武装の複座練習機型。
      エンジンがJ52-P-6 (推力3,854kg) にダウングレードされ、ハードポイントを2箇所へ減らし、兵装搭載能力も簡略化されている。
      後にTA-4Fもこの形式に改修された。

    • A-4G(新造8機・改修8機(F型から)):
      オーストラリア海軍向け。
      空母「メルボルン?」艦載機として運用された。
      「メルボルン」退役後は8機がニュージーランド空軍に売却された。

      • TA-4G(製造2機・改修2機(TA-4Fから)):
        A-4Gの複座練習機型。
        「メルボルン」退役後は2機がニュージーランド空軍に売却された。

    • A-4H「アヒト*3」(90機):
      イスラエル空軍向け。
      固定武装をDEFA550 30mm機関砲に変更し、改良型のIFFドラッグシュートを装備、赤外線誘導ミサイル対策としてエンジンパイプが延長されている。
      機体背部のアビオニクスパックが装着されてないほか、垂直尾翼の上面が角ばっているのが外見上の特徴である。

      • TA-4H(25機):
        A-4Hの複座練習機型。仕様はTA-4Jに準ずる。

    • A-4K:
      ニュージーランド空軍向け。A-4Fとほぼ同仕様。
      1980年代後半よりカフ計画に基づく近代化*4を実施。

      • TA-4K(4機):
        A-4Kの複座練習機型。

    • A-4M「スカイホーク供廖158機):
      アメリカ海兵隊向け。
      エンジンをJ52-P-408A(推力5.08t)に換装し、武器搭載量を4.15tへ増加。
      また、電子装備強化や20mm機関砲の装弾数増加(各門100発から各200発)、視認性向上のためにキャノピーを大型化するなどの改修が施されている。

    • A-4N(117機):
      イスラエル空軍向け。固定武装にDEFA30mm機関砲を装備。
      A-4H同様、赤外線ミサイル対策としてエンジンパイプが延長されている。

  • アップグレード及び輸出型
    • TA-4E(2機):
      A-4Eの複座練習機型。試作のみで量産されず。

    • EA-4F(TA-4Fから4機):
      電子戦訓練機型。

    • A-4L(C型100機):
      海軍予備役航空隊のための能力向上型。
      アビオニクスパックを胴体上部に装備し、電子装備がA-4F並みに強化されている。

    • OA-4M(TA-4Fから23機):
      アメリカ海兵隊の前線航空統制官用。

    • A-4P(B型50機):
      A-4Bをベースとするアルゼンチン空軍向け近代化改修モデル。
      主翼スポイラーを設置、前脚にステアリング機構を追加。
      射出座席をゼロ高度・90kt仕様に交換し、航法・通信装置を更新した。

    • A-4Q(B型16機):
      A-4Bのアルゼンチン海軍向け。
      エンジンをより高出力のライトJ65-W-20に換装し、スポイラーの追加などの改修を受けた。

    • A-4Y:
      AN/ASB-19"ARBS*5"を搭載したM型の暫定指定。
      採用されず。

    • A-4AR「ファイティングホーク」(M型36機):
      ロッキード・マーティン社によるアルゼンチン軍向け近代化改修型。
      レーダーはAN/ARG-1(AN/APG-66(V)2の派生型)を搭載。

      • OA-4AR「ファイティングホーク」(OA-4Mより4機):
        A-4ARの複座型。

    • CA-4F:
      A-4Eベースのカナダ海軍向け複座型。
      空母「ボナヴェンチャー」で運用されていたF2H-3「バンシー」の後継として提案されたが採用されず。

    • A-4KU(30機):
      A-4Mのクウェート空軍向け。
      後にブラジル海軍が取得し「AF-1」と呼称。

      • TA-4KU(6機):
        クウェート空軍向け複座練習機型。
        後にブラジル海軍が取得し「AF-1A」と呼称。

    • A-4PTM*6(C型・L型40機):
      マレーシア空軍向け。性能はA-4Mに準ずる。

      • TA-4PTM:
        A-4PTMの複座練習機型。少数機が改修。

    • A-4S(B型40機):
      シンガポール空軍向けの機体。
      エンジンをカーチス・ライト J65-W-20(推力:8,400lb)に換装。
      主翼はスポイラーが追加され、ハードポイントも左右主翼下に1か所ずつ追加された。
      固定武装はADEN 30mm機関砲に換装され、サイドワインダーの運用能力が付与されている。

      • TA-4S(S型7機):
        A-4Sの複座練習機型。
        他の複座型と異なり、キャノピーが席ごとに独立している。

    • A-4S-1(C型70機):
      C型に近代化改修を施した型。
      基本的にA-4Sと同様であるが、機関砲はA-4の標準装備であるコルトMk.12 20mm機関砲のままとされ、ドップラー航法装置の搭載も見送られた。
      既存機と区別するために900番台の機体番号が与えられている。
      後には機首と尾部にレーダー警戒受信機が装備されたほか、機体後部左右にチャフ/フレア ディスペンサーも装備された。

      • TA-4S-1(B型8機):
        A-4S-1の複座練習機型。改修内容はA-4S-1と同様。

    • A-4SU「スーパースカイホーク」:
      A-4S/A-4S-1の近代化改修型。
      エンジンをF404-GE-100D?推力48.4kN、A/B非搭載)への換装やタービン・スターターや油圧装置、潤滑油冷却器などの改良、フェランティ4501HUDやAN/AAS-35「ペイブ・ペニー」レーザースポット追尾装置などの新型アビオニクスの追加が施されている。

      • TA-4SU「スーパースカイホーク」:
        TA-4S/TA-4S-1にA-4SUと同様の改修を行った型。

    • AF-1:
      A-4KUのブラジル海軍での呼称。

      • AF-1A:
        TA-4KUのブラジル海軍での呼称。

    • AF-1B:
      AF-1の近代化改修型。
      エルタ EL/M-2032FCSレーダーHUDを搭載。
      コックピットは2基の5インチ×7インチの戦術カラー多機能ディスプレイを搭載し、HOTAS化された。
      機上コンピュータと無線機を更新し、データリンクTACAN航法装置に対応。

      • AF-1C:
        AF-1Aの近代化改修型。改修内容はAF-1Bと同様。


*1 両国とも、かつては軽空母を保有しており、その艦載機として運用していた。
*2 後に100機がJ52-P-401(推力4.99t)に換装された。
*3 ヘブライ語で鷲の意。
*4 主にF-16AN/APG-66レーダーを装備したほか、コックピットが改良(HOTASの導入及びグラスコックピット化)された。
*5 Angle Rate Bombing System.
*6 Peculiar to Malaysia(「マレーシア特殊型」の意)の略。

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