Last-modified: 2023-05-14 (日) 09:22:56 (140d)
【73式中型トラック】 †
1973年に制式化された陸上自衛隊の汎用輸送車両。
設計は日野自動車とトヨタ自動車の共同で行われ、日野自動車が製造を担当し、トヨタが納入を担当している。
隊内では「キャリア」や「ヤオトラ」とも通称される。
なお、2003年からは名称を「1 1/2tトラック」として調達されている。
「製造コストの削減」「部品の共通化」「民生品の活用」の観点*1から「制式化」の対象から外し、防衛庁長官→防衛大臣の「部隊使用承認」という形で使用されているためである。
旧型・新型があり、それぞれ使用されるコンポーネントやエンジン、駆動方式などの設計で異なる。
旧型は、日野・レンジャーのコンポーネントを流用しており、5速マニュアル式で、パートタイム式四輪駆動を採用している。
車番(生産時期)によって、パワーステアリングを装備している物(0001-39XX番)と装備していない物(39XX-5XXX番)がある。
新型(5XXX-)は高機動車のシャーシを使用しており、ロックアップ機構付4速オートマチックで、センターデフを持つフルタイム4WDやパワーステアリングを装備する。
旧型とはフロントバンパーやラジエーターカバー等の形状やタイヤホイール、荷台部分の後輪用の切り欠きが有ることで判別が可能。
陸上自衛隊の各部隊に配備されており、73式大型トラックと同じくバリエーションも数多く存在する。
スペックデータ †
乗員 | 2名 |
全長 | 約5,490mm |
全高 | 約2,565mm |
全幅 | 約2,220mm |
車両重量 | 約3,040kg |
積載量 | 約2,000kg 人員:16名 |
懸架・駆動方式 | パートタイム式4WD(旧型) センターデフ付きフルタイム4WD(新型) |
エンジン出力 | 125kW |
変速 | 5速MT(旧型) ロックアップ機構付き4速AT(新型) |
最高速度 | 約115km/h |
製作 | トヨタ自動車、日野自動車 |
バリエーション †
- 1t半救急車:
主に普通科部隊や衛生隊に装備する戦場救急車。
通称「アンビ」と呼ばれる。
- 79式対空レーダー装置 JTPS-P9:
高射特科部隊が装備する対空レーダー。
専用シェルターに収容されており、使用時には空中線を展張する。
- 85式地上レーダー装置 JTPS-P11:
71式地上レーダー装置JTPS-P6の後継として開発された地上監視用のレーダー。
主に偵察部隊などが装備する。
- 広域用監視装置 GOB-206:
HD可視カメラと高精細サーマルカメラを搭載した監視装置。
カメラ搭載車および監視装置搭載車によって構成される。
移動監視隊などに配備。
- 無線搬送装置2号 JMRC-C20/C21/R20(中型無線通信車):
専用シェルターに収容されている。
主に方面通信群、師団通信大隊、旅団通信中隊などに装備されている。
- 移動加入基地局装置 JTTC-T1:
師団通信システムを構成する器材の一つ。
主に師団の通信大隊などに配備される。
- 航空気象装置 JMMQ-M4:
航空部隊の運航に必要な気象情報を観測する装置。
- 航空気象装置 JMMQ-M7:
JMMQ-M4の後継装備。
気象情報処理装置・移動気象レーダー装置を搭載。
- 94式除染装置:
主に連隊、大隊の本部管理中隊等に装備されている。
- 航法援助装置 JMRM-A2:
移動式NDB(無指向性無線標識)。
- 野戦特科射撃指揮装置 JGSQ-W3:
野戦特科部隊に配備される射撃指揮装置。
中隊指揮用装置は本車に搭載される。
- ネットワーク電子戦システム(NEWS):
敵のネットワークシステムを遮断させる妨害装置を搭載した車両。
北部方面隊直轄の第1電子隊に配備予定。