Last-modified: 2022-10-29 (土) 01:20:55 (402d)
【2S6】 †
ロシア・アストロフ設計局の設計開発による自走式対空砲。
システム自体は2K22と呼ばれ、このシステムを搭載した車両を2S6と呼ぶ。
NATOコードは「ツングースカ」(Тунгуска:シベリアを流れる河川)。
第四次中東戦争のZSU-23-4対空砲の戦訓を受けて1960年代に開発が始まり、1986年に配備が始まっている。
主な開発課題は有効射程およびデストラクションパワーの向上であり、西側のA-10攻撃機や攻撃ヘリコプターが仮想敵として想定された。
車体はGM-569A汎用装軌車を使用し、兵装は機関砲と地対空ミサイルを組み合わせたハイブリッドシステムで、砲塔前面にロックオン用の円形Jバンド追尾レーダーとIRL-138敵味方識別装置、後部に索敵用のEバンド型回転式レーダー「1RL-144M」を搭載している。
価格高騰とソビエト崩壊などの影響もあってロシア本国での配備は進んでおらず、ウクライナ、ベラルーシ、インドなど、新興国への輸出が主。
現在では後継となる96K6「パーンツィリ-S1(SA-22「グレイハウンド」)」への代替が始まっている。
関連:SA-19 M6 パーンツィリ-S1
スペックデータ †
乗員 | 4名 |
全長 | 7.93m |
全高 | 4.02m(レーダー起立時) |
全幅 | 3.23m |
戦闘重量 | 34t |
懸架・駆動方式 | トーションバー |
エンジン | V-46-4 4ストロークV型12気筒液冷ターボチャージド・ディーゼル |
出力 | 780hp |
登坂力 | 60% |
超堤高 | 1.0m |
超壕幅 | 2.0m |
最大速度 | 65km/h(路上) |
行動距離 | 500km |
装甲 | 15mm(車体前面) |
レーダー | Jバンド追尾レーダー×1基 1R-144M Eバンド索敵レーダー×1基 |
兵装 | 2A38 30mm連装機関砲×2基(弾数1,904発) 4連装地対空ミサイル発射機×2基 (9M311「トライアングル(SA-19「グリソン」)」ミサイル8発) |
派生型 †
- 2K22/9K22:
初期型。
2S6統合防空車に設置され、9M311(3M87)、9M311Kもしくは9M311-1ミサイルを使用する。
Треуголник(三角形の意)として知られていた。
- 2K22M:
初期量産型。
2S6M統合防空車に設置され、9M311M(3M88)ミサイルを使用した。
- 2K22M-1:
2K22Mを更に近代化したもの。
より強化された火器管制システムを持ち、9M311-1Mミサイルを使用する。
- 2K22M-57E6:
2K22Mに全面的な換装を施したもの。
射程距離が18kmに伸びた57E6地対空ミサイル、探知範囲38kmおよび追跡範囲30kmに強化された新型レーダーシステムを使用する。
- 2K22M-1: