Last-modified: 2021-10-19 (火) 05:56:47 (528d)
【035型】 †
033型(ロメオ級(プロジェクト633型)?のライセンス生産型)の後継として1980年代に就役した中国海軍初の攻撃型潜水艦。
中国では035型または遠征65号級と呼称するが、NATOコードでは
033型をベースにした発展型で、設計においては潜行時の水中抵抗の減少、推進効率の向上および出力強化の3点を重視している。
船体は複殻構造を採用し、艦首に装備された潜舵は収納が可能である。
また、船尾には上下二枚の安定舵が設けられた。
機関は1番艦のみ陝西6E390-ZC型ディーゼル2基(4,800馬力)で、2番艦以降は改良型の陝西6E390-ZC-1型2基(5,200馬力)に換装されている。
蓄電池は「鉛-80」型4基、モーター2基を搭載しており、合計出力は7,000馬力である。
最終的に派生型を含む23隻が建造され、後継として039型が就役した後も主力潜水艦として20隻が現役である。
スペックデータ †
乗員 | 57名(うち士官10名) |
全長 | 76m/76.2m(035B型) |
全幅 | 7.6m |
喫水 | 5.1m |
排水量 (水上/水中) | 1,584t/2,113t |
推進方式 | ディーゼルエレクトリック方式 |
主機関 | ディーゼル発電機×2基 陝西6E390-ZC(出力4,800馬力)(1番艦) 陝西6E390-ZC-1(出力5,200馬力)(2番艦以降) 電動機×2基(計7,000馬力) |
推進器 | スクリュープロペラ×2軸 |
電源 | 「鉛-80」型蓄電池×4基 |
速力 | 15kt(水上) 18kt(水中) |
最大潜行深度 | 300m |
作戦遂行日数 | 60日間 |
航続距離 | 8,000海里(シュノーケル航送・8kt巡航時) 330海里(潜行・4kt巡航時) |
武装 | 533mm魚雷発射管×8門(艦首×6門、艦尾×2門) (魚3(Yu-3)または魚4(Yu-4)533mm長魚雷を16発搭載) YJ-82対艦ミサイル(035B型) 機雷×32発(魚雷を積まない場合) |
レーダー | MRK-50(スヌープトレイ)対水上レーダー×1基 |
ソナー | DUUX-5低周波パッシブソナー |
その他 | ESM装置×1基 レーダー波探知装置×1基 |
派生型 †
- 035型:
先行量産型。性能不足により1981年に退役。
- 035A型:
改良量産型。
035型と比較して、水中速力などの性能が向上している。
後に035G型に準じたアップグレードが施された。
- 035G型:
A型の改良型。
兵器システムやソナー、静粛性の向上(騒音吸収材の採用および騒音発生の少ない形状のスクリューに換装)などが施された。
ソナーはフランス製のDUUX-5を備える。
うち、艦番号308は船体長がさらに2m延長され、AIP実験艦として建造された。
- ES5G:
035G型の輸出型。
音響誘導魚雷の発射機能が追加されたが輸出はされなかった。
- ES5G:
- 035ET型:
イタリアのエンリコ・トーチ級と同様のソナーシステムを装備した型。
JP-64アクティブソナー及び"Velox"パッシブソナーを備える。
建造数不明。
- ES5F:
輸出型。統合ソナーシステムを備える。
- 035B型:
G型の改良型。
セイルと船体が再設計されて039型に似た外見となり、静粛性改善の為に船体表面に吸音タイルが装着されたほか、YJ-82水中発射式艦対艦ミサイルの運用能力が新たに付与された。
船体は2m延長されている。
同型艦 †
035型 | |||||
艦番号 | 艦名 | 主造船所 | 就役 | 退役 | 所属 |
162→232 | 遠征62号 →遠征32号 | 武漢造船廠 | 1974.4.20 | 1980. | 北海艦隊 |
163→233 | 遠征63号 →遠征33号 | 江南造船廠 | 1974.11. |
035A型 | |||||
艦番号 | 艦名 | 主造船所 | 就役 | 所属 | 備考 |
342 | 遠征42号 | 武漢造船廠 | 1982.12.24 | 北海艦隊 | 退役済 |
352 | 遠征52号 | 1990.12. | |||
353 | 遠征53号 | 1989. | |||
354 | 遠征54号 | 1990. |
035G型 | |||||
艦番号 | 艦名 | 主造船所 | 就役 | 所属 | 備考 |
356 | 遠征56号 | 武漢造船廠 | 1990.12. | 北海艦隊 | 退役 2016. バングラデシュ海軍に売却 BNS Nabajatraの名称で再就役 |
357 | 遠征57号 | 1992. | 退役 2016. バングラデシュ海軍に売却 BNS Joyjatraの名称で再就役 | ||
358 | 遠征58号 | 1993. | 退役後、黄河軍事文化博覧会公園(銀川)に展示 | ||
359 | 遠征59号 | 1994. | |||
360 | 遠征60号 | 1995. | |||
361 | 遠征61号 | 退役 | |||
362 | 遠征62号 | 1996. | |||
363 | 遠征63号 | ||||
305 | 遠征5号 | 1998. | 南海艦隊 | ||
306 | 遠征6号 | ||||
307 | 遠征7号 | 1999. | |||
308 | 遠征8号 |
035B型 | ||||
艦番号 | 艦名 | 主造船所 | 就役 | 所属 |
309 | 遠征9号 | 武漢造船廠 | 2000. | 南海艦隊 |
310 | 遠征10号 | 2001. | ||
311 | 遠征11号 | 2002. | ||
312 | 遠征12号 | 2003. | ||
313 | 遠征13号 | 2004. |