【.45ACP】 †
アメリカで開発された拳銃弾の規格。
「.45 Automatic Colt Pistol」の略。「.45 Auto」、「11.43mmx23」とも。
米比戦争(1899年〜1913年)において、当時採用されていた拳銃弾.38ロングコルトの威力不足が露呈。
旧式のコルト・SAAを引っ張り出して再採用するという事態に陥った。
フィリピンで起こったモロ族蜂起において、敵方が興奮剤を服用していた事例が特に著名。
興奮剤を服用した極限状態の戦士に対して、.38口径弾を回転式拳銃6発全て叩き込んでもなお止まらかった事例があったという。
この時の戦訓から、アメリカ陸軍は拳銃の更新を求めた。
この要求に応えたのがジョン・ブラウニング氏で、SAAで使用されていた.45ロングコルト?弾を、自動拳銃用に短縮するとともにリムレス化した「.45ACP」弾を考案。
最終的にコルト社のオートマチック式の拳銃(後のコルト・ガバメント、制式名称M1911)に採用され、大変広く普及することとなる。
性能と需要 †
装甲を想定しない対人用途で、貫通力が低い代わりにマンストッピングパワーが高く、生物への殺傷能力が高い。
また、9mmx19パラベラム弾などと比較して初速が遅い亜音速弾であり、減音器との相性がよい。
一方、拳銃としては初活力が大きく、反動が強く、巨大で弾倉を圧迫するなど、総じて扱いにくい。
アメリカ国内民間市場においては事実上の標準規格であり、主に値段と流通量から根強い支持を保っている。
また、アメリカ各州では銃規制として銃ごとの装填弾数を規制する法令を敷く事が多く、これも元から装填弾数の少ない.45ACPに有利に働いている。
一方、そうした特殊事情のないアメリカ以外の市場ではあまり省みられていない規格である。
軍用としてはボディアーマーの進歩によって有効性を減じており、特殊部隊などを中心とした小規模な需要に留まっている。
.45ACP弾を使用する主な小火器 †
- 拳銃
- 最初から.45ACP弾を使用するように設計されたもの
- 9mmパラベラム弾モデルからの派生型
- サブマシンガン
- トンプソン・サブマシンガン
- レイジングM50
- M3サブマシンガン
- イングラムM10
- H&K UMP
- Hafdasa C-4
- Halcon M-1943
- クリス ヴェクター
- MP9
- その他
- デ・リーズル カービン
- デ・リーズル カービン