Last-modified: 2022-11-08 (火) 00:59:47 (327d)
【霹靂12】 †
中国の第613電子技術研究所(洛陽光電技術開発センター)で開発された、中国人民解放軍初のアクティブレーダー誘導式中射程空対空ミサイル。
霹靂12の他に「PL-12」や「閃電10(SD-10)」とも呼ばれる。
1997年に開発が開始され、2007年から配備が開始された。
開発にはロシアの軍事企業が参画しており、ロシア軍のR-77(AA-12「アッダー」)中射程AAMの設計が多数流用されている。
シーカー設計とコンポーネント提供はAGAT、方向舵制御システムはヴィンペル、慣性航法装置はNIIPモスクワから提供されている。
中国側は当初、レーダーシーカーのライセンス生産を望んだが、ロシア側が拒否したため、この装備はロシアからの輸入に依存しているとのこと。
また別の情報によればイタリアのアスピーデ・セミアクティブレーダー誘導中距離空対空ミサイルの技術も使われているらしい。
空力設計についてはR-77ではなくアメリカのAMRAAMに似た形状を採用している。
これにより、PL-12は中国開発のAAMとして、初めて撃ちっ放し(fire-and-forget)性能を持つ事になった。
主な搭載機としては殲轟7・殲撃10・殲撃11B/BS・JF-17「サンダー」?・殲撃8Fに装備されている。
なお、輸出型であるSD-10はパキスタンやミャンマーで採用されている。
PL-12の派生型としては、データリンク機能が付与されたSD-10Aの他、同ミサイルを垂直発射装置に搭載した地対空ミサイル型の猟手2(LS-2)が開発されている。
関連:AA-12
スペックデータ †
形式 | 閃電10 (SD-10) | 閃電10A (SD-10A) |
全長 | 3.85m | 3.934m |
直径 | 20.3cm | |
重量 | 180kg | 199kg |
推進方式 | 固体燃料ロケットモーター | |
最大速度 | マッハ4 | マッハ5 |
射程 | 1〜70km | 70km+ |
運用高度 | 0〜21km | |
誘導方式 | 中間:無線指令+慣性 終端:ARHorPRH | 中間:無線指令+慣性、デジタル・データリンク 終端:ARHorPRH |
発射プラットフォーム | JH-7、J-8F、J-10、J-11B/BS、J-15、CAC/PAC JF-17「サンダー」 |
主な種類 †
- 霹靂12(PL-12):
基本型。
- 霹靂12A(PL-12A):
能力向上型。
- 霹靂12B(PL-12B):
誘導システムの改良型。
- 霹靂12C(PL-12C):
次世代戦闘機用に開発された型。
ウェポンベイへの搭載を想定して尾翼が折畳み式になっている。
- 霹靂12D(PL-12D):
次世代戦闘機用に開発された型。
射程延長のためラムジェットを採用した。
胴体中央部にインテークを備えている。
- 霹靂15(PL-15):
PL-12Cの発展型。詳細不明。
- 閃電10(SD-10):
輸出型。パキスタンが調達。
- 閃電10A(SD-10):
SD-10の能力向上型で空対空/地対空ミサイル型。
猟手2(LS-2)?地対空ミサイルシステムに装備される。
- 雷電10(LD-10):
輸出向けの対レーダーミサイル型。
- 地空10(DK-10):
SD-10をベースとした輸出向け地対空ミサイル型。
ミサイルのサイズが大型化され、胴体中央の安定翼が弦長が長く幅の短いものに変更されている。