Last-modified: 2022-11-09 (水) 07:48:19 (323d)
【殲撃11】 †
Su-27「フランカー」を中国でライセンス生産した型。
中国語では、殲-11(殲撃11)(シエン・シィィイー)と呼ぶ。
他に蘇-27やJ-11と呼ばれることがある。
1995年から完成品の引渡しが始まり、1996年福健省で実施された中国軍の大演習の際に初めて参加した。
中国がロシアから購入したSu-27は全てコムソムルスク・オン・アムール社?製のもので、3回に分けて順次引渡された。
第一期分は26機(SK型20機・UB型6機)、第ニ期分は元々ロシア軍向けだった22機(SK型16機・UBK型6機)、第三期分はUBK型28機が中国軍へ輸出された。
その後、ライセンス生産契約が結ばれ、瀋陽航空機工業(SAC)で生産が行われた。
ただし、完全な国内生産は認められておらず、エンジンやアビオニクスなど30%近い部品はロシアから供給されている。
そのため、エンジンの整備や分解・修理の際はロシアに送り返さなければならず、配備当初は稼働率が良くなかったが、2001年に整備工場が完成したことで中国国内でもエンジンの整備・修復が可能になった。
武装はロシア製空対空ミサイル(AA-10・AA-11)の他、中国製の霹靂11・霹靂8・霹靂9等の空対空ミサイル、各種ロケット弾・爆弾も搭載可能である。
現在本機は、第1戦闘機師団(遼寧省瀋陽)、第2戦闘機師団(広東省遂溪)、第3戦闘機師団(安徽省蕪湖)、第6戦闘機師団(甘粛省蘭州)、第7戦闘機師団(北京)、第14戦闘機師団(江蘇省南京)、第19戦闘機師団(山東省済南)、第33戦闘機師団(四川省重慶)に分散配備されている。
Photo:Chinese Defence Today
関連:Su-27
スペックデータ †
乗員 | 1名 |
全長 | 21.49m |
全高 | 6.36m |
全幅 | 14.70m |
重量 | 16,380kg |
エンジン | サチュルン/リューリカAL-31Fターボファン×2基 渦噴10A(WS-10A)「太行」ターボファン×2基(J-11B/BS) |
推力 (A/B使用時) | 12,500kg(AL-31F) 13,460kg(WS-10A) |
最大速度 | M2.35 |
航続距離 | 3,680km |
実用上昇限度 | 19,850m |
固定武装 | GSh-301 30mm機関砲×1門(弾数150発) |
兵装 | AAM:R-27,R-77(J-11A以降),R-73,霹靂12,霹靂8 AGM:KD-88(空地88) ASM:鷹撃82 ARM:鷹撃91(J-11B) 誘導爆弾:雷石6(LS-6),雷霆2型(LT-2),飛騰1型/3型(FT-1/3) 各種爆弾/ロケット弾など4トン(J-11Bは8トン)を搭載可能。 |
派生型 †
- 殲撃11(J-11):
Su-27SKのライセンス生産型。単座型のみ。
レーダーはN001VEに換装。60機を生産。
- 殲撃11A(J-11A):
J-11の改良型。
グラスコックピット化を進め、アクティブレーダー誘導ミサイルの運用が可能になった。
36機を生産。
- 殲撃11B(J-11B):
中国製コンポーネントを大幅に使用した改良型。
垂直尾翼と主翼部分の設計が変更され、着陸装置や機体構造が強化されたほか、レーダー波吸収塗料を使用したため、RCSが低減されている。
レーダーは1474型多用途レーダーを搭載している。
非ライセンスのためロシアとの間で問題になっている。
- 殲撃15(J-15):
Su-33の試作機であるT-10K-3をベースに、J-11Bからのアビオニクス(AESAレーダー、電波吸収体、ミサイル警報装置?、IRST)や航空技術を投入した艦上戦闘機型。
NATOコードは「フランカーX2」。
- 殲撃16(J-16):
J-11BSをベースに中国海軍のSu-30MK2(J-13)と同仕様に改修して開発した型。
中国海軍で運用中。
空対艦ミサイルを運用可能で、エンジンは国産のWS-10A「太行」を搭載。
カナード翼とTVCは非搭載。