Last-modified: 2023-12-29 (金) 09:47:01 (81d)
【殲撃11】 †
Su-27「フランカー」を中国でライセンス生産した型。
中国語では、殲-11(殲撃11)(シエン・シィィイー)と呼ぶ。
他に蘇-27やJ-11と呼ばれることがある。
1995年から完成品の引渡しが始まり、1996年福健省で実施された中国軍の大演習の際に初めて参加した。
中国がロシアから購入したSu-27は全てコムソムルスク・オン・アムール社?製のもので、3回に分けて順次引渡された。
第一期分は26機(SK型20機・UB型6機)、第ニ期分は元々ロシア軍向けだった22機(SK型16機・UBK型6機)、第三期分はUBK型28機が中国軍へ輸出された。
その後、ライセンス生産契約が結ばれ、瀋陽航空機工業(SAC)で生産が行われた。
ただし、完全な国内生産は認められておらず、エンジンやアビオニクスなど30%近い部品はロシアから供給されている。
そのため、エンジンは整備の度にロシアに送り返す必要があり、配備当初は稼働率が良くなかった。
2001年には中国国内での整備工場が完成し、国内でエンジンの整備・修復が可能になっている。
武装はロシア製空対空ミサイル(AA-10・AA-11)の他、中国製の霹靂11・霹靂8・霹靂9等の空対空ミサイル、各種ロケット弾・爆弾も搭載可能である。
現在本機は、第1戦闘機師団(遼寧省瀋陽)、第2戦闘機師団(広東省遂溪)、第3戦闘機師団(安徽省蕪湖)、第6戦闘機師団(甘粛省蘭州)、第7戦闘機師団(北京)、第14戦闘機師団(江蘇省南京)、第19戦闘機師団(山東省済南)、第33戦闘機師団(四川省重慶)に分散配備されている。
Photo:Chinese Defence Today
関連:Su-27
スペックデータ †
乗員 | 1名 |
全長 | 21.49m |
全高 | 6.36m |
全幅 | 14.70m |
重量 | 16,380kg |
エンジン | サチュルン/リューリカAL-31Fターボファン×2基 渦噴10A(WS-10A)「太行」ターボファン×2基(J-11B/BS) |
推力 (A/B使用時) | 12,500kg(AL-31F) 13,460kg(WS-10A) |
最大速度 | M2.35 |
航続距離 | 3,680km |
実用上昇限度 | 19,850m |
固定武装 | GSh-301 30mm機関砲×1門(弾数150発) |
兵装 | AAM:R-27,R-77(J-11A以降),R-73,霹靂12,霹靂8 AGM:KD-88(空地88) ASM:鷹撃82 ARM:鷹撃91(J-11B) 誘導爆弾:雷石6(LS-6),雷霆2型(LT-2),飛騰1型/3型(FT-1/3) 各種爆弾/ロケット弾など4トン(J-11Bは8トン)を搭載可能。 |
派生型 †
- 殲撃11(J-11):
初期型。Su-27SKのライセンス生産したもので単座型のみ。
レーダーはN001VEに換装。60機を生産。
現在は全ての機体がJ-11Aにアップグレードされたと考えられている。
- 殲撃11A(J-11A):
J-11の改良型。
グラスコックピット化を進め、ミサイル警報装置(MAWS)の搭載やR-77AAMの運用能力が付与された。
一部の機体にはIFFアンテナが搭載されている。 36機を生産。
- 殲撃11B(J-11B):
中国製コンポーネントを大幅に使用した改良型。
垂直尾翼と主翼部分の設計が変更され、着陸装置や機体構造が強化されたほか、機体に使用される複合材料の割合を増やし、機体重量を700kg軽減している。
また、レーダー波吸収塗料を使用したため、RCSが低減されている。
エンジンはロシア製のAL-31F?から国産の渦扇-10D(WS-10D、推力120kN(27,000lbf))に換装。
レーダーは探知距離150km、6〜8目標を同時追跡が可能な1493型多用途レーダーを搭載。
PL-8、PL-12、PL-15?AAMが使用可能となっている。
非ライセンスのためロシアとの間で問題になっている。
- 殲撃15(J-15):
艦上戦闘機型。
Su-33の試作機であるT-10K-3をベースに、J-11Bからのアビオニクス(AESAレーダー、電波吸収体、ミサイル警報装置?、IRST)や航空技術を投入した。
NATOコードは「フランカーX2」。
- 殲撃16(J-16):
J-11BSをベースに中国海軍のSu-30MK2(J-13)と同仕様に改修して開発した型。
中国海軍で運用中。
空対艦ミサイルを運用可能で、エンジンは国産のWS-10A「太行」を搭載。
カナード翼とTVCは非搭載。