Last-modified: 2013-07-11 (木) 19:47:48 (1357d)

【領土】(りょうど)

ある国家が政治的・軍事的・経済的な支配下に置き、他国の人間が許可なく滞在できない地域の事。
言い換えれば「どの地域まで侵入したら侵略または不法入国とみなすか」を定義する境界線(国境)の内側にある土地の事。
不法入国者は侵入先の法律に基づいて刑事処罰を受けた後、強制送還されるのが原則である*1
国境が紛争状態にある場合、不法越境者は戦闘の意図があるものと仮定され、国境を警備する部隊交戦規定に基づいて処理される。

国際的な原則として、ある土地を領土として保有する国家は1つ以下しか存在しないものとされる。
土地の領有権を巡って紛争が起きた場合、講和した時点で双方の同意に基づいて国境線が引き直される*2
現在進行形で紛争地帯である場合、その土地がどの国の領土であるのかは戦況によって流動し、定かでない。

領土に関する法的主張に関して、国際的に通用する明示的なルールはない。
よって、ある土地がどの国の領土であるかは「どの国がその地域を軍事的占領下に置いているか」が決定する。
このため、領土の境界線に近い土地は厳格な軍事的管理下に置かれる事が一般的である。
国境に関する各国の主張が一致しない場合、帰属の不明な土地で経済活動を営むのは極めて困難である*3

このような事情があるため、どこに国境を置くかは主に軍事上の要求によって定められる。
仮想敵国からの行軍を妨げる地形的な要害があり、しかし自国の兵員を展開する事は妨げない事が望ましい。
そうした条件を満たす理想的な土地として、河川や山岳などが国境として定められる事が多い。

険しい山脈・密林・湖・海洋なども、行軍がほぼ不可能なため事実上の非武装地帯と化す。
そうした地域は軍事的手段で突破できないため、慣習的に国境として定められる事が多い。

近代以降は艦艇や航空機の発達により、そうした地域であっても(戦略爆撃海兵隊空挺降下などで)浸透を許す事がある。
とはいえ、占領のための大規模な軍団を同じルートで展開する事は現代でも不可能に近い。

また、休戦や講和の結果、戦争中に引かれた便宜上の国境がそのまま固定されてしまう事もある。
そのような国境は一般に防衛には不適切で、防備のために比較的多くの軍事的投資を必要とする。
この事は不利な戦況を忌避して紛争を抑止する事もあれば、状況改善を求めて再び紛争を引き起こす場合もある。

一方、物理的に領有する事ができないため、事実上どの国の領土でもない地域も存在する。
例えば公海や南極大陸*4をその代表例に挙げる事ができる。
これらの地域は多大な国益を生み出す潜在的可能性を秘めているものの、現時点では軍事的占領が不可能である。

もちろん、南極大陸に地上戦闘部隊を駐屯させる事は理論上可能である。
また、洋上のメガフロートなどを軍事基地として恒久的に維持する事も一概に不可能だとは言い切れない。
しかし、そのために必要な予算は非現実的なほど膨大で、投資に値する戦略的利点があるとは到底思えない。

関連:領空 領海 無防備都市宣言


*1 在留中に誕生した赤子についての規定など、各国ごとに例外措置はある。
*2 あるいは地図上から国家が一つ消滅する。
*3 反面で、そうした「無法地帯」が密貿易の温床になる場合もある。
*4 アルゼンチン、イギリス、オーストラリア、チリ、ニュージーランド、ノルウェー、フランス、ブラジルは、南極大陸の一部に領有権を主張している。
  しかし実効支配している国は無く、国際的な承認も受けていない。


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