Last-modified: 2022-06-19 (日) 06:33:50 (13d)

【流星】(りゅうせい)

愛知 B7A.

第二次世界大戦末期、日本海軍が採用した艦上爆撃機(兼艦上攻撃機)。
連合国軍におけるコードネームは「Grace」であった。

従来、航空母艦には艦上戦闘機艦上爆撃機及び艦上攻撃機の三機種*1が載せられていた。
しかし、これらは装備が根底から異なるため、一隻にこれらを載せると攻撃力が中途半端になってしまうきらいがあった*2
また、陸上の飛行場とは異なる環境である空母の狭い格納庫にこれらを積むことによる問題も出てきていた。

艦上爆撃機急降下爆撃の能力が求められたため、搭載できる爆弾の量に限界があった。
一方、艦上攻撃機には航空魚雷の搭載が求められたため、運動性が鈍重になるきらいがあった。

本機はこの問題を解決するため、一機で攻撃機雷撃機)と急降下爆撃機を兼ねる機体として開発された。

同じ頃、アメリカ海軍でも同様の理由から「BTD『デストロイヤー』」「AD『スカイレイダー』」といった機体が開発されている。

なお、前作の九七式艦上攻撃機天山とは異なり、偵察機としての任務は考慮されなくなっており、乗員はそのため一名(通信士が省略された)減って二名になっている。

本機の生産は1944年から行われたが、B-29による本土空襲と東南海地震による工場の被災などから生産は進まず、110機が生産されたのにとどまった。
終戦後、進駐してきたアメリカ軍によって4機が接収され、うち1機がスミソニアン航空博物館に分解状態で保存されている。

なお、2014年に熊本県八代市で本機の風防の一部が発見されている。

スペックデータ

タイプ試製流星(B7A1)試製流星改一(B7A3)
全長11.49m
全高4.07m
翼幅14.4m
8.3m(主翼折り畳み時)
14.4m
主翼面積35.4
翼面荷重161.02kg/169kg/
空虚重量3,614kg4,030kg
正規全備重量5,700kg6,000kg
発動機中島 誉12型空冷星型複列18気筒
(離昇出力1,850hp)
中島 誉21型空冷星型複列18気筒
(離昇出力2,000hp)
三菱 ハ43空冷複列星型18気筒
(離昇出力2,200hp)
最高速度542.6km/h(高度6,200m)567km/h(高度6,000m)
上昇力6,000mまで10分20秒N/A
航続距離爆撃正規:1,852km
爆撃過荷:2,982km(海軍資料)/3,037km(愛知資料)
雷撃過荷:2,980km
正規:1,000海里
過荷:1,500海里
固定武装主翼内:九九式20mm機銃×2挺
後上方:二式13mm旋回機銃×1挺
爆装胴体:500〜800kg爆弾×1発
または250kg爆弾×2発
翼下:20〜60kg爆弾×4発
胴体:500〜800kg爆弾×1発
または250kg爆弾×2発
雷装850〜1,060kg航空魚雷×1発N/A


バリエーション

  • B7A1:
    量産型。

  • B7A2:
    発動機を誉二三型(出力2,000hp(1,491kW))に変更した性能向上型。
    生産されず。

  • B7A3:
    発動機を三菱 ハ43(出力2,200hp(1,641kW))に変更した性能向上型。
    計画のみ。


*1 この他に「艦上偵察機」もあったが、日本海軍では長い間、艦上攻撃機や随伴の戦艦巡洋艦が搭載する水上偵察機で代用されていた。
 (後に本格的な艦上偵察機として「彩雲」がデビューしたが、同機は空母艦上からではなく陸上基地から運用されていた)

*2 そのために複数の空母をまとめて「機動部隊」が編成されることになった。

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