Last-modified: 2020-07-07 (火) 23:28:18 (109d)

【利根】(とね)

関東地方を流れる大河「利根川」(原義)。
後述のとおり、日本海軍海上自衛隊の艦名として採用されている。

防護巡洋艦「利根」

1900年代、日露戦争直後の臨時軍事費で建造された防護巡洋艦。同型艦はない。
設計は先に建造された「吉野」を参考にしたが、従来の艦にあった艦首のラムは廃止され*1、クリッパー型の艦首となった。
また、エンジンにはレシプロエンジンを採用したが、これは日本海軍の艦艇で最後の採用例となった。
主砲は「吉野」と同じ15cm砲と12cm砲を混載し、砲の配置も同一であるが、重量削減のため15cm砲2門を12cm砲に変更している。

第一次世界大戦では青島攻略戦に参加し、更に南シナ海・インド洋での作戦に従事した。

その後、旧式化により1931年に除籍され、1933年に奄美大島近海で標的艦として沈められた。

スペックデータ
主造船所佐世保海軍工廠
起工1905.11.27
進水1907.10.24
就役1910.5.15
除籍1931.4.1
備考1933.4.30 標的艦として撃沈
常備排水量4,113t
全長109.7m(垂線間長)
水線長113.8m
全幅14.3m
喫水5.12m
主缶宮原罐・石炭重油混焼×16基
主機レシプロ蒸気機関(直立型往復動4気筒3段膨張式)×2基2軸推進
出力15,000馬力
燃料石炭:900t
重油:124t
最大速力23.0ノット
航続距離N/A
乗員370名
兵装45口径15cm単装砲×2基
45口径12cm単装砲×10基
45口径7.6cm単装砲×4基
45.7cm水上魚雷発射管×2基
装甲甲板傾斜部:76mm


重巡洋艦「利根」

1934年(昭和9年)度予算で発注・建造された一等(重)巡洋艦。姉妹艦に「筑摩」がある。
元々は「最上」型二等(軽)巡洋艦*2の5・6番艦として計画されていたものだったが、設計変更により独立した艦型となった。
船体は、艦橋より前部に主砲魚雷発射管を集中させ、後部甲板を水上機発進甲板・待機所にした「航空巡洋艦」というべきスタイルであった。

大東亜戦争では開戦時の真珠湾攻撃を皮切りにミッドウェー海戦レイテ沖海戦など、さまざまな海戦に参加、終戦直前まで生き残っていたが、昭和20年(1945年)7月の呉軍港空襲でアメリカ軍艦載機空襲を受け、大破着底した状態で終戦を迎えた。

その後、1948年3月に浮揚・解体されている。

スペックデータ
艦名利根筑摩
排水量
基準/公試
11,213t/13,320t
全長201.6m
最大幅19.4m
喫水6.23m(公試)
主缶ロ号艦本式罐・重油専焼×8基
主機艦本式オールギヤードタービン×4基4軸
機関出力152,189hp(公試成績)152,915hp(全力公試成績)
最大速力35.55ノット(公試成績)35.44ノット(全力公試)
35.74ノット(過負荷全力)
燃料重油:2,700t(実測値)重油:2,690t
航続距離9,240海里/18ノット(公試成績)8,000海里/18ノット(計画)
乗員定員869名(竣工時)
武装
(竣工時)
三年式50口径20.3cm連装砲×4基8門
八九式40口径12.7cm連装高角砲×4基8門
九六式25mm連装機銃×6基12挺
九三式13mm連装機銃×2基4挺
九〇式3連装60cm魚雷発射管×4基
20.3cm連装砲×4基8門
12.7cm連装高角砲×4基8門
25mm連装機銃×6基12挺
13mm連装機銃×2基4挺
61cm3連装魚雷発射管×4基
武装
レイテ沖海戦時、
機銃は推定)
三年式50口径20.3cm連装砲×4基8門
八九式40口径12.7cm連装高角砲×4基8門
九六式25mm機銃
(3連装×14基42挺、連装×2基4挺、
単装×21挺)
3連装61cm魚雷発射管×4基12門
三年式50口径20.3cm連装砲×4基8門
八九式40口径12.7cm連装高角砲×4基8門
九六式25mm機銃
(3連装×8基24挺、連装×4基8挺、
単装×23挺)
3連装61cm魚雷発射管×4基12門
装甲舷側:145mm、甲板:35mm
航空機水上偵察機×6機(計画)
零式水偵?×3機、九五式水偵?×2機(定数(〜1942年6月25日))
零式水偵×5機(定数(1942年6月25日〜))
設備呉式2号射出機×2基
電探
(最終時)
22号電探×3基
13号電探×1基
21号電探×1基
22号電探×2基
13号電探×1基


同型艦
艦名主造船所起工進水就役除籍備考
利根三菱・長崎1934.12.11937.11.211938.11.201945.11.201945.7.28
能美島(江田島湾)に停泊中、
空襲により大破、着底
(呉軍港空襲)
1947.4.7 解体に着手
1948.5.4 浮揚
1948.9.30 解体完了
筑摩1935.10.11938.3.191939.5.201945.4.201944.10.25
サマール島沖海戦において
米軍機の空襲により被爆大破
駆逐艦「野分」の雷撃により
自沈処分

護衛艦「とね」

JMSDF Tone(DE-234).

あぶくま護衛艦の6番艦。1991年竣工。
現在は呉を母港とし、護衛艦隊直轄の「第12護衛隊」の一艦として活躍している。

艦の詳細はあぶくまの項を参照のこと。

なお、本艦以後、海自で「DE」記号*3を持つ護衛艦は建造されていない。


*1 これは、日露戦争で「吉野」が装甲巡洋艦「春日」に追突された際、「吉野」の船体に食い込んだ「春日」のラムにより被害が拡大して沈没してしまったことを教訓としたものである。
*2 当時、ロンドン海軍軍縮条約での巡洋艦保有規制を満たすため、以外は重巡洋艦と同じ船体で造られていた。
*3 護衛駆逐艦」に由来するもので、地方隊向けの護衛艦に与えられてきた。

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