Last-modified: 2022-12-01 (木) 00:37:01 (190d)
【翼面荷重】 †
飛行機の飛行中に主翼にかかる負荷。
面積あたりの荷重(キログラム/平方メートル)を単位とし、一般的には1Gの水平飛行時に計測される。
理論上、機体総重量を主翼の面積で割った値に等しい。
重量と比較して主翼が大きいほど翼面荷重が小さく、主翼が低いほど翼面荷重が大きい。
翼面荷重が大きいほど、推力から揚力への変換効率が悪くなる。
これにより、失速を避けるために高速を維持する必要が生じ、離陸・着陸に必要な滑走路の長さも増す。
翼面荷重が小さいほど推力を揚力以外の用途に回す余裕が多くなり、上昇や旋回が容易になる。
低速・短距離での離着陸(STOL)を実現するには翼面荷重を小さく形成する必要がある。
反面、翼面荷重が小さい機体は静安定性が低く、抗力や気流によって揺動しやすくなる。
機体の翼面荷重がどの程度であるべきかは、設計思想上なにを優先すべきかを判断するトレードオフの問題となる。
また、その判断材料を集める際にも、機体の構造・機構・性能諸元が勘案される複雑な工学的計算が必要とされる。
関連:揚抗比 翼幅荷重