Last-modified: 2018-07-06 (金) 15:26:40 (45d)

【予備役】(よびえき)

軍隊兵器や人員のうち、世代交代でいったん退役したが、非常時には損失を補充するために復帰する可能性があるもの。

予備役となったものは、装備であれば改修、人員は再訓練を定期的に受けつつ、いつでも復帰できるようストックされる。
運用寿命、肉体の老化、兵站保持能力などの限界を超えて保存を継続できなくなった時点で完全な除籍となる。

自衛隊では装備・兵器のみを「予備役」と称し、人員は予備自衛官即応予備自衛官予備自衛官補*1と称する。
また、旧軍でも「予備役」という表現に一種の侮蔑性を認め、自称としては「在郷軍人」等と名乗る事が好まれた。

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人員の「予備役」

人員の場合、軍役を経験した人間(徴兵制の期間を満了した若者、および職業軍人の早期退職者)が予備役となる。
また、ある種の特殊技能の免許(船員・エビエーターなど)を取得する際、軍の予備役への登録が義務付けられる場合もある。

特に職業軍人の場合、予備役編入は事実上の戦力外通告であり、解雇処分である。
自発的に退役(失職)を望む事例は多くはなく、通常は軍政が予備役に編入する者を選ぶ事になる。
必然、軍政は「無能な者」「価値のない者」「権限を与えるべきでない者」とみなされた者を優先的に予備役に回す。

また、事実上の刑罰として予備役編入が決定される場合も多々ある。政治的不祥事の責任者に権限を与え続けるべきではないからだ。

国家総力戦を想定する場合、現役将兵と同数から数倍の予備役将兵を擁しておく事が望ましいとされる。
もっとも、将兵の人件費は多大な軍事予算を必要とし、国家総力戦に耐えうる軍事力を備蓄し続けるのは多くの国にとって現実的でない。
総人口に占める現役将兵・予備役将兵の比率は国ごとに千差万別で、各国ごとの外交環境と政治的事情が大きな影響を与えている。

現代的な傾向として、国境が長らく緊張状態にあるか、民族問題など内戦の危惧がある国では相対的に多数の予備役が確保される。

予備役に編入された者は、平時には一般の職業*2に従事しつつ、再訓練のため、定期的に短期の招集を受ける。
国家が戦時体制に移行すると長期の招集を受け、補充要員として軍隊に勤務するか、民兵などの準軍事組織に配属される。
事態が収束して軍が平時編制に戻ると動員を解除され、一般市民としての生活に戻る。

日常の再訓練では練度の維持に限界があるため、戦時動員に際して訓練を受けなおす必要がある。
再訓練を終えた後、後送再編成された部隊の交代要員として前線任務に送り込まれる事になる。
このタイムラグのため、予備役は前線が長期に渡って膠着し続ける消耗戦(典型的にはゲリラ戦)において最も必要とされる。


*1 即応予備自衛官及び予備自衛官補陸上自衛隊のみにある。
*2 国会議員など、現役軍人の就労が禁じられる職業への従事もできる。

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