Last-modified: 2017-08-03 (木) 21:00:22 (14d)

【民兵】(みんぺい)

militiaman(民兵に類する個人)
militia(民兵組織)

  1. 市民軍。あるいは義勇軍
    武装した市民や、それによって組織される武装集団のこと。
    無法状態において、あるいは法に反して武装している市民やその集団を指すことが多い。
    自警団的な役割をすることもあれば、逆にみずから略奪などの無法をはたらくこともある。

    関連:パルチザン レジスタンス 義勇兵 ミニットマン

  2. 農民兵・屯田兵。
    徴兵制以前の時代における軍制において、納税や労役の一環として戦う兵士。
    平時には訓練を行いつつ農作業などを本業とし、農閑期の副業として*1一定期間の軍事労働に従事する。
    戦功への報償としては土地を与えるのが一般的で、これが肥大化・統合されれば土豪や封建領主となる。
    戦場では後世の市民軍・義勇軍と同様、自警団的な側面と敵地における略奪者としての側面を強く併せ持つ。
    農繁期には軍事行動を展開できないため、補助戦力または軍の中核として傭兵を必要とする。

  3. ミリシャ。
    合法的に武装集合していて、国家に属さず、明白な政治的意図を持って活動している集団。
    アメリカ合衆国の州ごとに組織されているもの、中東社会において部族ごとに組織されているものなどがある。
    テロリストやマフィアなどが本国においてこの名目で合法的に武装している場合もある。
    この意味では日本でも「民兵」の表現を用いず、「ミリシャ」または「武装集団」と呼ばれる。

  4. 民兵制度/国民皆兵制度。徴兵制の一種。
    平時は市民として暮らしているが、有事には軍によって招集される兵士のこと。
    制度自体は予備役に似ているが、兵力の主要供給源として期待されているものを指す。
    基本的には災害救助・土木工事・治安維持に投入されるが、国家総力戦では予備部隊として戦争に関与する。

    敗戦間近の末期的状況下にある国では、十分な法的議論や準備なく唐突に民兵組織が設立される事もある。*2
    そういった臨時の民兵組織は政治的混乱の影響から無策無能な上層部が形成される傾向にあり*3、多くは兵站や作戦運用に甚大な混乱をきたし、末期的状況ゆえ将兵の士気も最悪に近い。
    高齢者や女性・未成年者を何の訓練もなく前線に投入して死守を命じた例すらある。

    関連:州兵 国民義勇戦闘隊 人間の盾

*1 たとえ農村で餓死者が出るような飢饉の年であっても、支給された兵糧や略奪した作物で食いつなぐ事ができた。
  また、生産力に対して増えすぎた人口を"戦場で間引く"という側面もある。

*2 第二次世界大戦時におけるイギリス(ホーム・ガード)、ドイツ(国民突撃隊)、日本(国民義勇戦闘隊)などに例が見られる。
*3 民兵のために有能な軍人を前線から引きぬいて移籍させるなどという事は不可能なので、実戦経験が少ないか皆無な人員しか招集されない。
  また、そうした指揮官の中には少なからず「前線での任務には不適格なため後方に配置された人員」が含まれている。


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