Last-modified: 2016-05-26 (木) 21:18:05 (564d)

【防衛医官】(ぼうえいいかん)

医師免許を保持し、自衛隊の駐屯地・基地・艦船・病院で医療行為に従事する自衛隊員
一般の軍隊でいう「軍医」に相当する。

大半が防衛医科大学校の卒業生で占められるが、実務経験を持つ医師を中途採用する場合もある*1
また、陸上自衛隊では予備自衛官補の技能コースから採用されるルートもある。

なお、歯科医については「歯科幹部候補生」という別の課程で募集がされ、待遇も「歯科医官」という別の制度下で扱われている。

階級

防衛医官の、自衛官としての階級は以下のようになる。

防衛医科大学校卒業生
卒業時に陸海空曹長、医師免許取得時に二等陸海空尉に任官され、以後、実務経験年数などにより累進。
部外からの中途採用者
部外医療機関での実務経験年数に応じて二等陸海空尉〜二等陸海空佐に任官され、以後、自衛隊での実務経験年数などにより累進。

ただし、いずれも将補以上への昇進はきわめて少ない。

防衛医大卒業生の「早期退職問題」

防衛医科大学校を卒業して医官になった者は、自衛官への任官後、最低9年間は防衛医官として勤務する義務を負っている。
しかし、近年では「自衛隊では臨床経験を積んで高度な医療技術を習得する事が困難」として、高額な違約金*2を支払ってでも早期退職を望む者が相次ぎ、問題になってきている*3

これは、医官の勤務先となる「自衛隊病院」のシステムにも要因がある、と見られている。
現在の自衛隊病院は、事実上、防衛省職員とその扶養家族(特に自衛官)のための職域医療機関として機能しており、基本的に防衛省共済組合の組合員以外の患者を受け入れていない*4
その一方で、有事に戦傷者を収容することを想定して、常時大量の空きベッドを抱えて運営されている*5
つまり、平時においては不必要に巨大な病院で暇をもてあます医官も少なくないのである。

一方で、防衛医官は医療機関や医師が不足する僻地における重要な人材供給源の一つでもある*6
多くの防衛医官が、本来の勤務先である自衛隊病院から地方の公立病院へと派遣され、僻地医療の一翼を担っている。


*1 1973年に防衛医科大学校が開校するまでは全て中途採用者でまかなわれていた。
*2 現在では最高で5000万円。
*3 現在は、卒業生の1/3程度が任官から9年以内に退官するという。
*4 近年になって、防衛省関係者以外の外来患者も受け入れるようになった。
*5 16ヶ所で合計約2000床のベッドを擁しているが、全体の稼働率は3割以下であるという。
*6 前述のように「医師としてのスキルアップ」を求める医官と医師そのものの不足に悩む医療機関との利害がマッチングして「引き抜き」が行われることもある。
  そのため、早期退官時の返還金を引き抜いた先の医療機関が負担することもあるという。


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