【福岡空港】 †
福岡県福岡市博多区に所在する拠点空港。「板付空港」とも呼ばれる。
福岡市街地の至近という立地から、羽田・成田に次ぐ日本第3位の年間発着回数を誇り*1、九州北部の航空輸送の一大拠点となっている。
また、航空自衛隊の「春日基地板付地区」も併設されている他、(後述の歴史的経緯から)在日米軍の機体も不定期的に飛来している。
春日基地の本庁舎地区には滑走路がなく、飛行部隊はすべて福岡空港に駐屯している。
1944年、日本陸軍の「
滑走路が完成してほどなく終戦を迎え、進駐してきたアメリカ陸軍航空隊に接収され「板付基地」となる。
1950年、朝鮮戦争において国連軍の前線基地となり*2、韓国空軍最初の戦闘機部隊も当地で編成されている*3。
この間の1951年、日本航空が創業、同地〜伊丹〜羽田間に定期路線を開設。
以後、国内外各地への路線が開設され「板付空港」として九州の空の玄関口になっていった。
1972年、アメリカ空軍から全面返還されて「第二種空港」に再編。
その後の2008年、空港法の改正に伴い、施設を「拠点空港」として再定義された。
2019年、施設の運営が福岡国際空港株式会社に移管、民営化された。
2020年、それまで本空港施設で運用されてきたヘリコプターの発着機能が福岡市東区奈多に開設された「奈多ヘリポート(後述)」に移転した。
また同年、それまで本空港に所在していた海上保安庁の航空基地が北九州空港に移転した。
空港概要 †
福岡空港 | 奈多ヘリポート | |
種別 | 拠点空港 (国管理・旧第二種) | 公共用ヘリポート |
滑走路 | 2,800×60(16/34) | 35×30(15/34) |
3レターコード | FUK | なし |
4レターコード | RJFF | RJFH |
ILS | あり | n/a |
設置・管理者 | 日本国政府(国土交通省)(土地の管理) 福岡国際空港株式会社(施設の運営) |
就航路線 †
国内線 | |
※1全日本空輸とコードシェア ※2日本航空とコードシェア*4 | |
就航会社 | 就航路線 |
日本航空 (JAL)*5 | 札幌/新千歳、花巻、仙台、東京/成田、東京/羽田、大阪/伊丹、徳島、松山、 高知、宮崎、奄美 |
日本トランスオーシャン 航空 (JTA) | 沖縄/那覇 |
日本エアコミューター (JAC) | 出雲、鹿児島、屋久島 |
全日本空輸 (ANA)*6 | 札幌/新千歳、仙台、東京/成田、東京/羽田、新潟、小松、名古屋/中部、 大阪/伊丹、大阪/関西、対馬、福江、宮崎、沖縄/那覇、宮古(季節運航)、 石垣 |
スカイマーク (SKY) | 札幌/新千歳、茨城、東京/羽田、沖縄/那覇 |
スターフライヤー (SFJ)※1 | 東京/羽田、名古屋/中部 |
フジドリーム エアラインズ (FDA)※2 | 新潟、松本、静岡、名古屋/小牧 |
IBEXエアラインズ (IBX)※1 | 仙台、小松、大阪/伊丹、新潟、名古屋/中部 |
オリエンタル エアブリッジ (ORC)※1 | 福江、宮崎、小松 |
天草エアライン (AMX)※1※2 | 天草 |
ジェットスター ・ジャパン (JJP)※2 | 東京/成田、名古屋/中部、大阪/関西 |
ピーチ・ アビエーション (APJ) | 札幌/新千歳、東京/成田、大阪/関西、沖縄/那覇 |
国際線 | |
航空会社 | 就航地 |
ピーチ・ アビエーション (MM) | 台北/桃園 |
大韓航空 (KE) | ソウル/仁川、釜山 |
アシアナ航空 (OZ) | ソウル/仁川 |
チェジュ航空 (7C) | ソウル/仁川、釜山、光州/務安、済州、グアム |
エアプサン (BX) | 釜山、大邱 |
ティーウェイ 航空 (TW) | ソウル/仁川、大邱 |
ジンエアー (LJ) | ソウル/仁川 |
イースター航空 (ZE) | |
エアソウル (RS) | |
チャイナエアライン (CI) | 台北/桃園 |
エバー航空 (BR) | 台北/桃園、高雄 |
タイガーエア 台湾 (IT) | |
中国国際航空 (CA) | 北京/首都(大連経由)、上海/浦東、大連 |
中国東方航空 (MU) | 北京/大興(青島経由)、上海/浦東、青島、武漢(上海/浦東経由) |
中国聯合航空 (KN) | 北京/大興(煙台経由)、煙台 |
厦門航空 (MF) | 福州 |
深圳航空 (ZH) | 深圳 |
キャセイドラゴン 航空 (KA) | 香港 |
香港エクスプレス (UO) | |
マカオ航空 (NX) | マカオ |
フィリピン航空 (PR) | マニラ |
セブパシフィック 航空 (5J) | |
ベトナム航空 (VN) | ハノイ、ホーチミンシティ |
タイ国際航空 (TG) | バンコク/スワンナプーム |
タイ・ライオン ・エア (SL) | バンコク/ドンムアン |
タイ・エアアジアX (XJ) | |
エアアジアX (D7) | クアラルンプール |
シンガポール航空 (SQ) | シンガポール |
ハワイアン航空 (HA) | ホノルル |
ユナイテッド航空 (UA) | グアム |
フィンランド航空 (AY) | ヘルシンキ(季節運航) |
自衛隊の駐屯部隊 †
すべて航空自衛隊の部隊である。
奈多ヘリポート(福岡空港奈多地区) †
福岡県福岡市東区にある公共用ヘリポート。
従来の福岡空港からヘリコプターの発着機能を移転させ、2020年に開港した。
法令上では「福岡空港(奈多地区)」となっており、福岡空港と一体で扱われていることから、この項目に記す。
従来、福岡空港では一本の滑走路で固定翼機・ヘリコプターの離着陸を賄っていたが、定期便の増加に伴ってヘリコプター(特に官公庁の運用する機体)の運用に支障が出るようになっていた。
そこで、戦前に「福岡第一飛行場」が置かれていた福岡市東区奈多の福岡航空交通管制部周辺の国有地が選定され、2018年から建設が開始された。
本ヘリポートの開港に伴って、福岡県警察航空隊・福岡市消防局航空隊・国土交通省九州地方整備局の施設が移転した*7。
本ヘリポート配備の官公庁航空組織 †
- 福岡県警察航空隊(ベル206L-4、ベル412EP、AS365N2を装備)
- 福岡市消防局航空隊(AS365N2/N3を装備)
- 国土交通省九州地方整備局(ベル412EPを装備)
*1 滑走路が一本のみの空港・飛行場では日本最多である。
*2 この頃に作られたアラートハンガーの跡地が空港内に残っている。
*3 この時の機体はF-51であった。
*4 ジェットスター・ジャパンについてはJAL国際線との乗り継ぎ時のみに限られる。
*5 ジェイエア、日本トランスオーシャン航空の機材・乗務員で運航する便あり。
*6 ANAウイングスの機材・乗務員で運航する便あり。
*7 なお、海上保安庁の福岡航空基地は北九州空港に移転している。