Last-modified: 2023-02-09 (木) 12:46:07 (109d)
【服務の宣誓】 †
新たに公務員となった者が任官に際して行う宣誓。
基本的には就職・任官に際して執り行われる。
士官学校などの入学・卒業に際して執り行われる事もある。
本質的には就職に伴う法的な契約であり、関連法規や施行規則などを記した宣誓書への記名・捺印をもって成立する。
大抵は式典と併せて行われ、宣誓書の全文を朗読するなどの通過儀礼を伴う。
基本的には公的機関への就任に関するもののみを指す。
企業・武装集団・テロ組織・秘密結社などでも類似の式典を執り行う事があるが、これは内部的な慣習であって法的な意味を持たない。
ただし多くの場合、そもそも服務の宣誓にいかなる法的意味があるのかについて議論の余地がある。
多くの国家・多くの法律が、服務の宣誓が拒否された場合についての原則を定めていないためである
一般的には、宣誓の拒否は任官拒否(徴兵制であれば良心的兵役忌避または敵前逃亡)であると解釈される。
しかし雇用契約書が別途に用意される場合、宣誓を拒否した者がそのまま職務を執り行う事もあり得る。
日本国における服務の宣誓 †
日本においては、以下の法令によって服務の宣誓を行う事が定められている。
- 自衛隊法:第五十三条
- 隊員は、防衛省令で定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。
- 警察法:第三条
- この法律により警察の職務を行うすべての職員は、日本国憲法及び法律を擁護し、不偏不党且つ公平中正にその職務を遂行する旨の服務の宣誓を行うものとする。
- 国家公務員法:第六条
- 人事官は、任命後、人事院規則の定めるところにより、最高裁判所長官の面前において、宣誓書に署名してからでなければ、その職務を行つてはならない。
- 国家公務員法:第九十七条
- 職員は、政令の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。
- 地方公務員法:第三十一条
- 職員は、条例の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。
自衛隊員の「服務の宣誓」 †
自衛隊においては、上掲の自衛隊法第53条及び同法の施行規則により、新たに隊員となった際に服務の宣誓を行うことが定められている。
このうち、制服組においては「初めて任官された際(自衛隊法施行規則第39条)」「自衛官候補生として入隊した際(同第39条の2)」「防衛大学校・防衛医科大学校の学生及び高等工科学校生徒として入学した際(同第40条)」「予備自衛官・即応予備自衛官及び予備自衛官補に採用された際(同第41条の1〜3)」「幹部自衛官に任官された際(同第42条)」に、下記の通り、それぞれの職務に応じた宣誓を行うこととされている。
- 一般の服務の宣誓(施行規則第39条)
私は、わが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、 常に徳操を養い、人格を尊重し、心身をきたえ、技能をみがき、政治的活動に関与せず、強い責任感をもつて専心職務の遂行にあたり、 事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。
- 自衛官候補生の服務の宣誓(施行規則第39条の2)
私は、自衛官候補生たるの名誉と責任を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、常に徳操を養い、人格を尊重し、 心身を鍛え、知識をかん養し、政治的活動に関与せず、専心自衛官として必要な知識及び技能の修得に励むことを誓います。
- 学生・生徒の服務の宣誓(施行規則第40条)
私は、防衛大学校学生(防衛医科大学校学生・陸上自衛隊高等工科学校生徒)たるの名誉と責任を自覚し、日本国憲法、法令及び校則を遵守し、 常に徳操を養い、人格を尊重し、心身をきたえ、知識をかん養し、政治的活動に関与せず、全力を尽して学業に励むことを誓います。
- 予備自衛官の服務の宣誓(施行規則第41条)
私は、予備自衛官たるの責務を自覚し、常に徳操を養い、心身をきたえ、訓練招集に応じては専心訓練に励み、 防衛招集、国民保護等招集及び災害等招集に応じては自衛官として責務の完遂に務めることを誓います。
- 即応予備自衛官の服務の宣誓(施行規則第41条の2)
私は、即応予備自衛官たるの責務を自覚し、常に徳操を養い、心身をきたえ、訓練招集に応じては専心訓練に励み、 防衛招集、国民保護等招集、治安招集及び災害等招集に応じては自衛官として責務の完遂に務めることを誓います。
- 予備自衛官補の服務の宣誓(施行規則第41条の3)
私は、予備自衛官補たるの責務を自覚し、常に徳操を養い、心身をきたえ、教育訓練招集に応じては専心教育訓練に励むことを誓います。