Last-modified: 2023-04-02 (日) 09:43:25 (57d)
【敷島】 †
明治中期の日露戦争で活躍した、日本海軍の(前ド級)戦艦。
姉妹艦に朝日、初瀬、三笠の3隻があった。
日清戦争終結後、日本はロシア帝国の太平洋艦隊に対抗すべく、「六六艦隊」と呼ばれる艦隊整備計画を策定。
その第一陣として、英国テームズ社に発注・建造されたのが本艦である。
この当時の英国は海外から受注した艦船を新たな造艦技術のテストベッドとして用いることが多かった。
敷島もこの例に則り、ニッケル合金による防御装甲などの新技術がふんだんに盛り込まれていた。
日露戦争で姉妹艦3隻と共に連合艦隊の主力として参戦、「初瀬」を触雷で失うも、他の姉妹艦「朝日」「三笠」と共に戦い抜いた。
日露戦争後は造艦技術の進化によって急速に旧式化し、1920年に陸軍のシベリア出兵支援任務に参加したのを最後に第一線から退く。
その後、海防艦を経て練習特務艦*1となり、佐世保軍港で訓練機材として使われた後、1948年にスクラップとして処分された。
余談ながら、本艦には帝国海軍の艦艇の中では唯一の個艦テーマソング「敷島艦の歌」(瀬戸口藤吉作曲、阪正臣作詞)があった。
また、京都府・舞鶴市内には、本艦にちなんだ「敷島通」という道路もある。
関連:しきしま(海上保安庁) 三笠
スペックデータ †
※三笠のスペックデータは三笠の項を参照。
主造船所 | テムズ鉄工造船所(敷島) ジョン・ブラウン社(朝日) アームストロング社エルジック造船所(初瀬) ヴィッカース社バロー=イン=ファーネス造船所(三笠) | ||
艦名 | 敷島 | 朝日 | 初瀬 |
排水量 | - | 15,240t(公試時) | |
常備排水量 | 14,850t | 15,200t | 15,000t |
全長 | 133.5m | 129.6m | 134.02m |
全幅 | 23.0m | 22.92m | 23.38m |
喫水 | 8.31m | 8.23mまたは8.38m | |
主缶 | ベルヴィール式石炭専焼水管缶×25基 | ||
主機関 | 直立型3段膨張式3気筒 蒸気レシプロエンジン×2基 | ||
推進器 | 2軸(120rpm) | ||
燃料 (石炭) | 1,722t | 1,549t | 1,643t |
機関最大出力 | 14,500hp | 15,000shp | 14,500shp(計画時) 16,117shp(公試時) |
最大速力 | 18ノット | 18ノット(計画時) 19.1ノット(公試時) | |
航続距離 | 10ノット/7,000海里(計画値) | ||
乗員 | 艦長以下836名 | 836名(竣工時) 849名(1903年12月31日時) | |
兵装 | アームストロング1898年型 40口径30.5cm連装砲×2基4門 アームストロング1895年型 40口径15.2cm単装砲×14基14門 アームストロング 40口径7.6cm単装砲×20基20門 40口径4.7cm単装機砲×12基12門 45cm水上・水中魚雷発射管×5基(水上1門・水中4門) | ||
装甲 | 舷側:229mm(水線最厚部)/102mm(艦首・艦尾) 甲板:102mm+25mm 砲塔:254mm(前盾)/203mm(側盾)/203mm(天蓋) バーベット:356mm(甲板上部)/203mm(甲板下部) 副砲ケースメイト:152mm(最厚部) 司令塔:356mm(側盾) |
同型艦 †
艦名 | 起工 | 進水 | 就役 | 退役 | 所属 (日露戦争時) | 備考 |
敷島 | 1897.3.29 | 1898.11.1 | 1900.1.26 | 1945.11.20 | 第1艦隊 第1戦隊 | 1947. 解体 |
朝日 | 1897.8.18 | 1899.3.13 | 1900.7.31 | 1942.6.15 | 1937.8.16 工作艦に種別変更。 1942.5.25 戦没*2 | |
初瀬 | 1898.1.10 | 1899.6.27 | 1901.1.18 | 1905.5.21 | 1904.5.15 沈没*3 | |
三笠 | 1899.1.24 | 1900.11.8 | 1902.3.1 | 1923.9.20 | 連合艦隊旗艦 | 2023年現在も、記念艦として 横須賀の三笠公園にて保存。 |