Last-modified: 2017-03-11 (土) 14:50:37 (17d)

【不発】(ふはつ)

装薬爆薬、もしくはその点火装置に何らかの問題が発生し、発射・起爆できなくなる事。
不時発射の対義語。

主要な発生原因は以下の通り。

  • 装薬爆薬そのものの経時劣化による化学的原因
  • 制御装置の故障による機械的な原因
  • 使用者が操作手順を間違えた事による人為的な原因

いずれにせよ、不発を完全に防ぐ事は不可能であり、いくらかは確率的に必ず起こり得る。*1
このため、陸軍では予備の武器と人員を確保し、航空機ではミサイル爆弾を複数搭載する。

装薬の不発

銃砲装薬で不発が生じた場合、その兵器はほぼ確実に使用不能となる。
そうした場合、不発が生じた弾薬を薬室から除去するなどの復帰動作が必要となる。

武器によっては特殊かつ危険な方法を取らなければならない事がある。
例えば、迫撃砲の不発弾は、静かに発射口を下に向けて特殊な器具で砲弾を取り出す必要がある。
戦車砲ではいつ破裂してもおかしくない砲弾を車外に運び出さなければならない。
しかし一方、再び引き金を引くだけで容易に復帰できる回転式拳銃のように信頼性の高い兵器もある。

軍用機に搭載する機関砲はこの点において特に深刻である。
戦闘機コックピットから機関砲の点検修理を行うのは困難、もしくは不可能であるからだ。
多くの戦闘機はこの理由から複数の機関砲を搭載する。
また、この理由から不発に強いチェーンガンガトリングガンが航空機向け機関砲として重要視される。

爆薬の不発

爆薬はその性質上きわめて厳重に管理されるため、作戦開始時点ですでに不発になっている事は滅多にない。
このため、爆薬の不発はその多くが、投下・発射された際の衝撃によって発生する。
投下・発射の過程で何かにぶつかった時、信管などの部品の噛み合わせが狂って機械的な故障を引き起こす事がある。
また、落下傘が樹木などに引っかかったり、軟らかい地面に落ちたりしたために接触信管が作動しないまま放置される事もある。

時限信管の起爆タイマーが数百時間にセットされている場合もあるため、外見からは判断が困難である。

こうして生じた不発弾が放置された場合、後日、工事・地震・日常生活などの振動で起爆する事がある*2
特に爆撃では不発弾の確認・回収が極めて困難であるため、浅い地中に不発弾が埋まっている事は珍しくない。

爆弾内部容器に密閉された爆薬は年単位で放置されても破壊力を保ち続ける事がある。
もちろんそれは可能性の問題であり、数十年も経過すれば劣化しきって無害化している可能性も高い。
しかし、不発弾の爆薬がどのような状態にあるかは、実際に容器を開けてみて分析するまで判断できない。
このため、不発弾は投下後に数年・数十年の月日が経っても安全だと断言できず、発見され次第に厳重な爆発物処理が必要となる。

フランスでは第一次世界大戦当時の不発弾がいまなお国内に大量に残留しており、すべてを処理するには700年近くかかるとされている。


*1 確率論上、発射回数が多いほど不発は発生しやすい。
  よって、自動小銃機関砲のようにフルオート射撃を前提とする兵器では不発が特に致命的な問題となり得る。

*2 古いブラウン管テレビの不調が「叩けば直る」のと同様、衝突時にズレた部品が再び『噛み合って』点火する事があり得る。

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