Last-modified: 2018-01-21 (日) 09:36:58 (1d)

【二式飛行艇】(にしきひこうてい)

川西H8K.

第二次世界大戦期、川西航空機(現在の新明和工業)が開発・生産し、大日本帝国海軍に納入された飛行艇。「二式大艇」とも。
連合国軍におけるコードネームは「Emily(エミリー)」であった。
1940年代当時、世界最高水準の性能を誇る飛行艇であった。

本機は1930年代、ワシントンロンドン海軍軍縮条約によって艦隊戦力に制限をかけられた日本海軍が、陸上基地から発進して爆撃雷撃を行う航空戦力整備の一環として*1、前作の「九七式飛行艇」の後継となる大型飛行艇として開発がはじめられた。

当時、日本は国際連盟から南洋諸島*2の委任統治を託されていたが、これらの島々に陸上機の発着できる飛行場を整備することは当時の技術では困難で、水上機飛行艇にも需要はあった。

そのため、長い航続距離*3偵察機としても使える高速性能*4が求められ、大型・高速かつ重武装な機体に仕上がった*5

そのことから、連合国軍のパイロットからは「フォーミダブル」な機体と呼ばれた。

本機は原型である雷撃爆撃哨戒機)型の他、輸送機型(「晴空」という愛称がつけられていた)などの派生型も作られた。
現在は1機が海上自衛隊鹿屋航空資料館で展示保存されている*6

スペックデータ

二式飛行艇一二型
乗員10〜13名
全長28.13m
全高9.15m
全幅38m
翼面積160
自重18,400kg
正規全備重量24,500kg
最大重量32,500kg
発動機三菱 「火星」二二型?空冷星形複列14気筒×4基
(離昇1,850hp)
最高速度470km/h
航続距離8,223km(偵察過荷)
武装20mm旋回機銃×5門、7.7mm旋回機銃×4門(3門予備)
爆装爆弾2t(60kg爆弾×16発または250kg爆弾×8発または800kg爆弾×2発)
または航空魚雷×2発


晴空三二型
乗員9名、乗客29〜64名搭載可能
全長28.12m
全高9.15m
全幅37.98m
翼面積160
自重15,223kg
最大重量26,683kg
発動機三菱「火星」二二型 空冷星形複列14気筒×4基
(公称1,680hp)
プロペラ定速4翅
最高速度420km/h(高度4,000m)
航続距離3,700〜4,440km
上昇限度8,780m
武装13mm機銃×1挺、20mm機関砲×1門


派生型

  • 二式飛行艇
    • 十三試大型飛行艇(H8K1):
      試作機。
      発動機は火星一一型(公称1,410hp)を搭載。

    • 一一型(H8K1):
      最初の量産型。
      発動機は火星一二型(1,410hp)を搭載。

    • 一二型(H8K2):
      防弾装備と武装を強化した型。
      発動機は火星二二型(公称1,680hp)を搭載。

    • 仮称二二型(H8K3):
      空気抵抗を減らして飛行性能を向上させることを意図した機体。
      一二型の翼端フロートと後部上方の20mm機銃を引き込み式化した。試作のみ。

    • 仮称二三型(H8K4):
      仮称二二型を改修した機体。
      発動機は火星二五乙型(公称1,680hp)を搭載。

  • 晴空
    • 三二型(H8K2-L):
      一二型ベースの量産型。

    • 仮称三三型(H8K4-L):
      仮称二三型ベース。計画のみ。
      発動機は火星二五乙型を搭載。


*1 本機と並行して、陸上機の「深山」も開発されていたが、こちらは失敗に終わっている。
*2 現在のパラオ共和国・ミクロネシア連邦など。
*3 一式陸上攻撃機B-17B-29よりも長い航続距離が求められた。
*4 当時の主力であった九六式艦上戦闘機?と同等の速度が求められた。
*5 なかにはB-25?B-17といった爆撃機を積極的に攻撃して撃墜した戦果もある。
*6 終戦時、香川県・詫間航空隊に所属していた機体。戦後はアメリカ軍接収され、長らくノーフォーク海軍基地で保存されていた。

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