Last-modified: 2022-12-24 (土) 10:44:23 (278d)
【東京急行】 †
- 第二次世界大戦中、日本海軍が南方の占領地域への陸上部隊・補給物資の輸送に駆逐艦や潜水艦を充当した作戦行動に、アメリカ軍がつけたコードネーム。
この作戦は「鼠輸送」と呼ばれ、1〜2隻程度の小規模なものから水雷戦隊(駆逐艦10数隻及び軽巡洋艦)を使用する大規模なものまであった。
具体的には、駆逐艦等の甲板に物資を入れたドラム缶を搭載した状態で補給地点へ向かい、ドラム缶をロープで束ねて海上に投下。その後、陸から回収するという物である。
本来、輸送を任務としていない戦闘艦艇に搭載できる物資の量は、本来任務である戦闘のための武器・弾薬・燃料及び兵員の生活物資を除けば極めて少ないものである。
特に艦内スペースに余裕のない潜水艦に至っては、ペイロードは僅か数トンにしか過ぎず*1、輸送に成功したところで、その効果は微々たるものであった。
このように、本来であれば輸送艦や徴用商船を充てるべき任務に戦闘艦艇を充当せねばならない事態が起きた背景には、連合艦隊が商船保護を等閑視し、連合国軍の通商破壊戦に対して有効な策を講じなかったことがある*2。
関連:松
- ソ連軍・ロシア軍が航空自衛隊・在日米軍の対応能力を調査するために行う偵察飛行。
爆撃機や偵察機が千島列島から日本列島に沿うよう南下し、太平洋上から日本の防空識別圏に侵入するルートを取る。
示し合わせたように同じ曜日・同じ航路・同じ機体、ほぼ一定のパターンで実施される。
1991年のソ連崩壊後しばらくは頻度が低下していたが、2008年ごろから再び活発化している。
*1 本来の輸送艦から比べれば1/1000のオーダーでしかなかった。
*2 そのため、戦争後期には陸軍が輸送用潜水艦や揚陸艦、オートジャイロ搭載の護衛空母などを開発・配備する事態にまでなっている(ただし、他国でも兵站上の理由から陸軍の将兵が艦艇(揚陸艦など)を運用することはある)。
なお、陸軍における船舶の運用は当初、工兵科(船舶工兵)が担当していたが、後に「船舶兵」という独立兵科が作られ、担当が移されている。