Last-modified: 2022-08-31 (水) 07:17:46 (26d)

【屠龍】(とりゅう)

川崎 二式戦闘機(キ45改)"屠龍"。

日本帝国陸軍戦闘機
同じく二式戦闘機として採用された鐘馗(キ44)と区別するため、「二式複座戦闘機」とも呼ばれる。
愛称は「屠龍」。略称は「二式複戦」「二式双戦」など。
連合軍におけるコードネームは"Nick(ニック)"。

1930年代半ば、世界の航空先進国が続々と実用化した双発戦闘機*1に刺激を受けた陸軍による指示で開発され、1939年1月に完成した「キ45」は、搭載エンジンの馬力不足により速度、運動性共に単発機に及ばず、要求性能にも届かないことが判明し、1940年10月に不採用となった。
しかし、川崎は同年8月には「キ48」九九式双発軽爆撃機?の設計を担当した土井技師を中心とした「キ45改」の設計を開始していた。

機体は九九式双発軽爆撃機?の設計を流用したほぼ新設計となり、1941年9月に完成したキ45改試作機は当初の要求どおりの性能を発揮、試験目的で輸入されたドイツのBf 109E-7に対しても同等の性能を示した。
そして翌1942年(皇紀2602年)に制式採用が決定、量産が開始された。

前線に配備されたキ45改は、爆撃機の護衛という遠距離戦闘機(遠戦)的な運用がなされたが、より優れた運動性を持つP-40などの連合軍単発戦闘機に多数が撃墜され、護衛任務には向かないと判断された。
しかし、搭載される他の単発機よりも強力な武装は重爆撃機に対して有効打を与えられる数少ない戦力であった。
また、搭載量を生かした戦闘爆撃機としての運用も行われた。

本土空襲以後は対B-29戦力として、機体上部にホ5 20mm機関砲×2の「上向き砲?*2」を搭載する丁装備機が登場した。護衛としてP-51の現れるようになった末期からは夜間迎撃に参加した。

性能諸元(丙型(キ45改丙))

乗員2名
全長11m
全高3.7m
翼幅15.2m
翼面積32
翼型root:NACA 24015
tip:NACA 23010
空虚重量4,000kg
総重量8,820kg
発動機三菱ハ102(瑞星)空冷複列星型14気筒×2基
出力1,050hp(783kW)
プロペラ3枚翅定速プロペラ
最高速度540km/h
航続距離2,000km
上昇限度10,000m
上昇率11.7m/s
翼面荷重171.9kg/
パワー/マス0.23kW/kg
武装ホ203 37mm機関砲×1門(機首、携行弾数15発)
ホ3 20mm機関砲×1門(胴体下部、携行弾数100発)
九八式7.92mm機関銃×1挺(後方旋回銃)


各型式

  • キ45改:
    原型機。発動機はハ25?を搭載。

  • 甲型(キ45改甲):
    初期量産型。
    武装は機首にホ103(一式12.7mm固定機関砲)2門+胴体下面にホ3(試製20mm固定機関砲)1門+後部座席に九八式7.92mm旋回機銃×1挺を装備。

  • 乙型(キ45改乙):
    B-17爆撃機に対抗するために胴体下面の20mm機関砲を九五式軽戦車が搭載していた九四式37mm戦車砲*3に換装した型。

  • 丙型(キ45改丙):
    胴体下面の武装を20mm機関砲に戻し、機首の機関砲をホ203 37mm機関砲に換装した型。

    • 丁装備:
      胴体下面の20mm機関砲を撤去し、操縦席と後部座席の間にホ5(二式20mm固定機関砲)2門(当初はホ103を装備)を上向き砲として装備した型。

  • 丁型(キ45改丁):
    丁装備を制式採用した型。後部座席の旋回機関銃は廃止された。
    既存の丙型及び甲型に関しても丁装備に改修されることになった。

  • 戊型(キ45改戊):
    「タキ2号」夜間戦闘機用接敵レーダーを装備した試作型。
    ホ301 40mm機関砲1門を胴体に装備している。

  • その他試作的立ち位置の少数改修機として以下のものがある
    • 機首にホ204 37mm機関砲を装備したもの
    • ホ401 57mm機関砲を装備したもの(キ102乙の原型機といえる)
    • 方向探知器を装備したもの
    • ビーコンを装備したもの
    • エンジンや空気取り入れ口の改良によって9,000m級の高高度での飛行を可能にすることを試みたもの。

派生型

  • キ45改供
    能力向上型の計画名。後にキ96に統合。

  • キ96:
    キ45改をベースとした双発単座戦闘機。採用されず。

  • キ108:
    キ102甲をベースに与圧キャビンを採用した双発単座高高度戦闘機。試作のみ。


*1 双発とすることで、速度、航続距離、武装、爆装などで単発戦闘機に優位になると考えられた。
*2 海軍では斜銃と呼ばれる。
*3 低初速のため、命中率は非常に低かった。

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