Last-modified: 2013-11-10 (日) 01:41:11 (1295d)

【中速中性子炉】(ちゅうそくちゅうせいしろ)

Submarine Intermediate Reactor (SIR)

原子炉核分裂炉)の一種で、減速材としてベリリウムを用いることにより中速中性子での核分裂をおこない、プルトニウムへの転換率を向上させたもの。
サイズの割に発熱量が大きく、また中性子を必要以上に減速させないようにするため、冷却材として液体金属(溶融金属)を用いる。
このため「溶融金属冷却原子炉」という別名を持つが、この場合広義には高速炉等も含む。

原子力開発の初期から既に将来のウラニウム資源が枯渇すると予想されたが、中性子?の減速を控えめにすれば核分裂が起きづらくなる一方でプルトニウムの大量生産が可能になるのではないかとして研究された。
しかし思ったほどの転換率は実現できず、転換炉としての開発はごく初期に打ち切られた。
一方で、加圧水型原子炉に比べて炉が小型なうえ冷却材循環用ポンプが静粛というメリットが存在するため、中速中性子炉はより潜水艦に適していると考えられていた。

アメリカではジェネラルエレクトリックによって研究されており、アメリカ第二の原子力攻撃潜水艦であるシーウルフの動力源として搭載されたが、程なく冷却材のナトリウムが漏れ、被曝事故を起こしてしまった。
金属ナトリウムは軽量である一方、水に触れると爆発的に発熱する危険な物質でもある。
結局シーウルフの中速中性子炉は、就役から程なくして加圧水型原子炉へと交換されてしまった。

一方、ソ連では鉛-ビスマス合金を冷却材とする高速炉を「アルファ」級原子力攻撃潜水艦に採用した。
こちらは実用化されたものの、やはり問題が多く、それ以降溶融金属冷却炉を用いた潜水艦は造られていない。

その後、中速中性子炉は動力炉としての活路が見出されず、艦船用の原子炉としては、ライバルの加圧水型が主流となった。
また、転換炉としては高速増殖炉などのほうが有望視されており、中速中性子炉の研究は途絶えている。


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