【地上作戦司令部】 †
創設 | 2019年1月8日 |
所属組織 | 大韓民国陸軍 |
上級組織 | 合同参謀本部 陸軍本部 |
所在地 | |
担当地域 | 韓国全土 |
Ground Operations Command(英)/지상작전사령부(韓).
軍事境界線付近の地域のうち、東部方面の防衛を担う「第1野戦軍」と、西部方面の防衛を担う「第3野戦軍」を統合した形で創設された、大韓民国(韓国)陸軍の高等司令部の一つ。
陸上自衛隊の陸上総隊や、アメリカ陸軍の陸軍総軍(FORSCOM)に相当するような組織となっており、戦時には韓米連合司令部*2の地上部隊を統括・指揮統制する"連合地上構成軍司令部"としての役割を担う事になる。
朝鮮半島における戦場は狭小且つ縦長である為、戦線を分ける(=第1、第3野戦軍を設ける)必要は無いという判断と、少子高齢化に伴う入隊者数減少に備えて、人員や部隊数を削減させていく一方、無人偵察機や対砲兵レーダー装置、小型の武装ヘリコプター等を各軍団へ導入していき、火力・機動力の向上に努めていくという国防改革に基づいて地上作戦司令部を創設した、というのが韓国陸軍の見解となっている。
地上作戦司令部の創設は1998年から議論されており、本来なら2010年までに創設される予定であったが、(創設直前の時点で)8個軍団、50個以上ものの師団・旅団を一元的に指揮する為の能力と財政基盤が長年にわたって不足していた上、2つの野戦軍を統合することによる、将官ポスト喪失に対する軍部からの反発や、韓米連合司令部から韓国軍への「戦時作戦統制権*3」の移管に関する手続き・議論等の遅滞が主原因となり、創設時期が5回も延期された。
2022年11月30日に「第6軍団(通称:進軍部隊)」が「第5軍団」に吸収合併される形で廃止され、2023年の6月中には「第3軍団」が「第8軍団」を吸収し、地上作戦司令部隷下の軍団の数は8個から6個に削減される予定である。
編成 †
- 直轄部隊
- 首都軍団(通称:忠義部隊、司令部所在地:京畿道
安養 市) - 第1軍団(通称:広開土*5部隊、司令部所在地:京畿道
高陽 市) - 第2軍団(通称:双龍部隊、司令部所在地:
江原道 春川 市) - 第3軍団(通称:麒麟隊、司令部所在地:江原道
麟蹄 郡) - 第5軍団(通称:勝進部隊、司令部所在地:京畿道
抱川 市) - 第7機動軍団(通称:北進先鋒部隊、司令部所在地:京畿道
利川 市)*6- 首都機械化歩兵師団
- 第2迅速対応師団
- 第8機動師団
- 第11機動師団
- 第7砲兵旅団
- 第7工兵旅団
- 第17航空団
- 第107情報支援団
- 第8軍団(通称:東海忠勇部隊、司令部所在地:江原道
襄陽 郡)- 第22歩兵師団
- 第23警備旅団
- 第1山岳旅団
- 第102機甲旅団
- 第108情報支援団
- 第308警備連隊
*1 本司令部が創設される前の第3野戦軍の司令部所在地でもある。
*2 韓国国内の韓国軍及び在韓米軍部隊を統合・指揮する為の軍事機関。1978年11月に米韓両国の合意をもって創設された。
*3 文字通り、戦時中において軍隊の作戦を指揮する権限のこと。
*4 2017年から実戦配備された朝鮮人民軍の長射程砲破壊の為の戦術弾道ミサイル「KTSSM」と、装輪自走式の多連装ロケット砲「K239 天武」を装備している。
*5 高句麗の第19代国王、「広開土王」(374年生〜413年没)のこと。
*6 韓国陸軍内で唯一、(特に北朝鮮への)侵攻作戦のみを担当しており、装備の機械化と練度向上が徹底されている。