Last-modified: 2014-01-30 (木) 20:04:09 (1418d)

【断熱圧縮】(だんねつあっしゅく)

外界との熱交換が行われない断熱された状況*1で、物体に外側から運動エネルギーが加わって圧縮される事。

物体の温度は体積あたりの熱エネルギー保有量に比例するため、物体は断熱圧縮されると温度が上昇する。
単純に考えて、物体の密度がn倍になれば、体積辺りの質量もn倍になり、体積辺りの熱エネルギーもn倍に増加する。
また逆に、密度が低下した時(断熱膨張)は密度の低下に伴って熱エネルギーも広い体積に拡散し、温度が低下する。

例えば、気流が山脈に激突して上昇する時には気圧が低下するが、このときに断熱膨張で気温が低下する。
そして山頂に到達してから裾野に向かって吹き下ろす風は、気圧の上昇と共に断熱圧縮で気温を上昇させる。

また、乗り物は動く際に前方の大気や水面に衝突しているため、周囲を流れる気流・水流によって断熱圧縮を生じさせる。
これは速度が増すにつれて深刻になり、特にマッハを越える域では極めて高度な耐熱性能が要求される。

例えば、宇宙から大気圏内に突入した物体は元々極めて高速なため、断熱圧縮で赤熱した大気にさらされて急速に焼尽・溶解していく。

関連:熱の壁


*1 現実的にそんな状況はまずあり得ないが、経過時間が十分に短いか、巨大な運動エネルギーが加わる場合は熱の伝播による影響が誤差の範囲内に収まる。

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