Last-modified: 2023-09-30 (土) 12:21:02 (62d)
【第3師団】 †
JGSDF 3rd Division.
陸上自衛隊における戦略級部隊単位である師団の一つ。
1950年、警察予備隊の結成に際して京都府・宇治駐屯地*2で編成された「警察予備隊第3管区隊」をルーツとする。
その後の1962年、「師団」制度が発足すると共に、「第3管区隊」から現在の名称に改められた。
1994年3月には第45普通科連隊*3と第3対戦車隊が廃止され、更に1995年策定の第2次防衛大綱によって政経中枢師団としての編成に改められた(後述)。
その後、2023年3月に戦車大隊と偵察隊が廃止され、16式機動戦闘車を配備した「偵察戦闘大隊」が編制され、「地域配備師団」に改編されて現在に至っている。
司令部は兵庫県・千僧駐屯地に所在し、3個普通科連隊*4を基幹とする約6,500名の兵力を擁している*5。
主任務は近畿広域圏*6の防衛警備・災害派遣・民生協力及び国際貢献活動などであるが、奈良・和歌山には隷下部隊がなく、代わりに中部方面隊隷下の工兵旅団「第4施設団」隷下部隊が活動している*7。
従来、本師団の編制は他の師団と同様に敵正規部隊との戦闘を重視しており、4個普通科連隊・1個特科連隊及び1個戦車大隊を基幹とした編制であったが、1995年策定の第2次防衛大綱により、首都圏の防衛を受け持つ第1師団と同様の「政経中枢師団」へ改編された。
これは、近畿広域圏が首都圏に次ぐ政治・経済・文化の中核であり、市街戦が想定されるためである。
そのため、主力戦車・野戦砲の定数を削減して装備を軽快なものとし、機動力を強化すると共にNBC兵器への対処能力を増強するなど、近代的な脅威への対応を重視していた。
その後、前述のとおり2023年に「地域配備師団」へ改編されている。
部隊編制 †
*1 公式には「即応近代化師団(政経中枢型)」と呼ばれている。
*2 現在は「補給統制本部」隷下の「関西補給処」が所在。
*3 京都府・大久保駐屯地に所在し、奈良県の防衛警備・災害派遣対応・民生協力を主任務としていた。
*4 第1師団と同じく5個中隊編成。
*5 この兵力は、1950〜1960年代の陸自にあった「(番号付き)混成団」や列国の陸軍の「独立混成旅団」程度の規模である。
*6 大阪府・京都府・兵庫県・滋賀県・奈良県・和歌山県からなる。
*7 特に奈良県には、地方協力本部と航空自衛隊の幹部候補生学校以外に自衛隊施設がない。
*8 同地には第10師団の戦車部隊「第10戦車大隊」も駐留。
*9 2023年度末に中部方面特科隊隷下に編入されて廃止される予定である。