Last-modified: 2023-03-18 (土) 09:58:49 (2d)
【第1師団】 †
JGSDF 1st Division.
陸上自衛隊における戦略級部隊単位である師団の一つ。
1950年に警察予備隊が結成された際、東京都・越中島駐屯地*1にて創設された「警察予備隊第1管区隊」をルーツとしている。
その後の1962年に「師団」制度が発足すると共に、「第1管区隊」から現在の名称に改められた。
本師団は、長らく4個普通科連隊・1個特科連隊及び1個戦車大隊を基幹とする「甲編制」と呼ばれる野戦型の編制を採ってきたが、2002年3月に(第3師団とともに)政経中枢師団として以下のような改編が行われた。
- 対戦車部隊(第1対戦車隊)の廃止と対NBC兵器戦部隊(第1化学防護隊*2)の編制
- 戦車部隊の縮小改編
- 特科連隊を「隊」(大隊規模)に縮小改編
- 普通科連隊の改編
各連隊隷下の重迫撃砲中隊を廃止し、代わりに第5中隊を新編して5個中隊編制にした。 - コア部隊の採用
当時隷下にあった第31普通科連隊は、この改編でコア化された。
この改編によって兵員数が約9,000名から約6,600名*3に縮小され、市街地でのCQBへの対処力が増強された。
その後、師団固有火力の低下を招き野戦での継戦能力に大きな影響を与えたため、2011年4月には第31普通科連隊が東部方面混成団へ編入され、東部方面隊直轄の第6地対艦ミサイル連隊を廃止し、その要員を充てる形で普通科連隊隷下に重迫撃砲中隊を再編制する改編が行われ、2022年3月には16式機動戦闘車の配備に伴い、戦車大隊と偵察隊を統合して「偵察戦闘大隊」を編制する改編を行った*4。
そして2023年3月16日に、第1特科隊が東部方面隊隷下の東部方面特科連隊へ第1大隊として再編のうえ移管されて現在に至る。
現在の本師団は、司令部を東京都・練馬駐屯地に置き、3個普通科(歩兵)連隊を基幹とする約6,500名の兵員を擁し、関東南部(東京・神奈川・埼玉・山梨・千葉・茨城)及び静岡県の防衛警備・災害派遣・民生協力*5、または国際貢献活動などを任務にしている*6。
師団長は陸将(乙)、副師団長は陸将補、師団幕僚長は1等陸佐が就いている*7。
部隊編制 †
- 司令部(練馬駐屯地 以下地名)および司令部付部隊
余談 †
*1 1960年に閉鎖され、跡地は現在、東京海洋大学の越中島キャンパスなどになっている。
*2 現在の「第1特殊武器防護隊」。
*3 かつての陸自で採用されていた「(番号付き)混成団」や列国の「(独立混成)旅団」とほぼ変わらない規模の兵員数である。
*4 これに伴い、戦車大隊に配備されていた10式戦車は他部隊へ転出、74式戦車は用途廃棄された。
*5 以前は毎年1月2日〜3日に開催される「東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)」において、競技をサポートする車輌の提供などの支援を行っていた。
*6 関東広域圏に属する県のうち、群馬・栃木は第12旅団が担当。
*7 それぞれ、他国の陸軍では「中将」「少将」「大佐」に相当する。
*8 旧陸軍の「歩兵第1連隊」同様、東京の守備を担当する歩兵連隊として「1」の番号が与えられた。
*9 以前は東京都・市ヶ谷駐屯地に所在し、非公式に「近衛連隊」を自称していた。
*10 2022年3月に第1戦車大隊と第1偵察隊を統廃合する形で結成。偵察中隊、戦闘(16式機動戦闘車)中隊、本部管理中隊の三部隊を基幹としている。