Last-modified: 2018-04-02 (月) 14:53:38 (78d)

【大陸間弾道ミサイル】(たいりくかんだんどうみさいる)

(Intercontinental ballistic missile ICBM)

弾道ミサイルの分類のひとつ。
戦略兵器制限交渉(SALT)の定義では、有効射程5,500km以上の弾道ミサイルを指す。

どこに配置されていてもほぼ大陸全土を射程に収める事ができ、配置によっては太平洋や大西洋越しにも届く。

その有効射程のために巨大なロケットエンジン燃料が必要で、弾体は非常に大きい。
このため、弾体をスパイ戦略偵察機偵察衛星などから隠蔽する事が難しい。
発射待機状態にない場合は地下格納庫兼発射筒(ミサイルサイロ*1に収められているのが普通。

現状で核戦争が発生した場合、ほとんどのICBMは既知であり、先制核攻撃で破壊される可能性が高い*2
このため、近年の相互確証破壊戦略はICBMを先制核攻撃のためにのみに用いる事と割り切っている。
報復核攻撃のための秘匿部隊は海中に潜伏する戦略潜水艦が担当する。

この戦略環境ゆえ、既存の核保有国にとってICBMの軍事的価値は薄れつつある。
むしろ確実な報復を可能とするための小型ミサイルとその輸送・隠匿・迎撃回避手段が技術開発の主流になってきている。
反面、新たに核を保有しようとする国家にとっては比較的に安価・安全な選択肢であり、発展途上国での秘密研究では未だ有力な選択肢である。

ミサイル自体を短射程で済ませようとすると、そのミサイルを射程圏内まで運ぶプラットフォームが別途必要になる。
しかし戦略爆撃機で敵警戒網をすり抜けたり、戦略潜水艦を潜伏させておくのは発展途上国にとっては現実的でない。

主な種類

  • アメリカ
    • MGM-16「アトラス」
    • MGM-25A「タイタン」
    • LGM-25C「タイタンII」
    • ミニットマン
      • LGM-30A/B「ミニットマンI」
      • LGM-30F「ミニットマンII」
      • LGM-30G「ミニットマンIII」
    • BGM-75「AICBM*3」(開発中止)
    • XMGM-134「ミゼットマン」(開発中止)
    • LGM-118「ピースキーパー」

  • ソ連/ロシア
    • R-7(SS-6「サップウッド」)
    • R-16(SS-7「サドラー」)
    • R-9(SS-8「Sasin」)
    • R-36(SS-9「スカルプ」)
    • UR-100(SS-11「セーゴ」)
    • RT-2(SS-13「サヴェージ」)
    • RT-21(SS-16「Sinner」)
    • MR UR100(SS-17「スパンカー」)
    • R-36「ヴォエヴォーダ」(SS-18「サタン」)
    • UR-100N(SS-19「スティレット」)
    • RT-23「モロデーツ」(SS-24「スカルペル」)
    • RT-2PM「トーポリ」(SS-25「シックル」)
    • RT-2PM2「トーポリM」(SS-27「シックル」)
    • RS-28「サルマト」(SS-X-30「サタン2」)

  • 中国
    • 東風5(DF-5、CSS-4)
    • 東風31(DF-31、CSS-9)
    • 東風41(DF-41、CSS-X-10)

  • 北朝鮮
    • テポドン2号
    • 火星13(KN-08)(開発中)
    • 火星14(KN-20)
    • 火星15(KN-22)

  • インド
    • アグニV


*1 ただしミサイルサイロ自体も隠蔽困難で、多くは既に発見済み。
*2 敵の攻撃を探知した時点で発射すれば攻撃自体は可能であるが、発射基地は消滅するため次の一撃は不可能となる。
*3 Advanced Intercontinental Ballistic Missile(先進大陸間弾道ミサイル)の略。

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