Last-modified: 2021-03-28 (日) 12:10:58 (1117d)

【戦闘機マフィア】(せんとうきまふぃあ)

1960年代〜1970年代のアメリカで、戦闘機開発に関するロビー活動に従事していた軍政官僚たちの俗称。
主にペンタゴン勤務の空軍将校・高級文官で構成されていた。

当時、戦闘機空対空ミサイルの発展とともに重厚長大化し、コストを高騰させながら進化を続けていた。
この傾向には主に予算上の制約から反感が生まれ、戦闘機の単純化・軽量化・低コスト化を訴える動きが発生した。

兵器の低性能化が軍の戦力低下に繋がるのは明らかであり、この主張はあまり公的に行えるものではなかった。
必然的に軍の非主流派・隠れた勢力として活動する事となり、「マフィア」という悪名で呼ばれるようになっていた。

戦闘機マフィアの活動は、まずF-15の設計コンセプトに影響を及ぼした。
しかしF-15はまだ大きすぎ、重すぎ、高価すぎると考えられ、後のLWF計画・LCF計画などでも干渉は続いた。
F-16F/A-18などの機体も戦闘機マフィアの思想が色濃く反映されている。

しかし、どの機体でも最終的には「単純化・軽量化・低コスト化」という当初の意図は忘れ去られている。
現場は常に「今までよりも強力な最新鋭機」を求め、軽くて安いだけのガラクタを望むパイロットなどいるはずもなかった。
結局の所、兵器の低性能化が軍の戦力低下に繋がるのは明らかであり、戦闘機マフィアの意見は黙殺を避けられなかった。


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