Last-modified: 2016-06-19 (日) 10:09:02 (427d)

【戦隊】(せんたい)

Squadron/Flotilla(海軍)/Group/Wing(空軍

軍隊における部隊編成単位の一つ。
陸海空軍問わず用いられるが、主に空軍*1(陸海軍航空隊も含む)や臨時編制の多い海軍で用いられるケースが多い。

日本軍における「戦隊」

陸軍

旧日本陸軍航空隊では、航空部隊の基本編制単位として「(飛行)戦隊*2」という言葉が用いられていた。
これは、嘗ての編制単位であった「飛行連隊」が、1930年代末から空地分離(飛行部隊と支援部隊を分離する)による改編を経て生まれたものである。
また、大戦末期に編制された特攻艇部隊「海上挺進戦隊*3」でも用いられたほか、臨時の部隊編成として「戦隊」が用いられることもあった。

海軍

旧海軍においては、艦隊の下部組織として存在し、2隻以上の軍艦(同型艦)、または航空隊2隊以上を以て編制される戦術的部隊単位として用いられていた。

当時、駆逐艦潜水艦海防艦*4などの小型戦闘艦艇は1隻では軍艦とみなされておらず、同型艦2〜4隻を以て編制される「隊」が1隻の軍艦(戦艦航空母艦巡洋艦)と同格とされていた。

狭義には、戦艦重巡洋艦など、砲撃力を主とする艦で編成された部隊を「戦隊」と呼び、航空母艦など航空戦力を主とする部隊は「航空戦隊」、軽巡洋艦駆逐艦で編成される部隊を「水雷戦隊」、潜水艦を主とする部隊は「潜水戦隊」と、それぞれの戦隊の役割を頭につけて呼んでいた。

基本的に戦隊や隊は同型艦2隻〜4隻での運用が基本であり、航空戦隊は航空母艦(または水上機母艦)2隻と直衛の駆逐隊で構成される場合と、基地航空隊2個隊以上で構成される場合とがあった。
また、水雷戦隊や潜水戦隊は軽巡洋艦*51隻を旗艦とし、これに駆逐隊あるいは潜水隊をつけて構成されていたが、後に潜水戦隊では、旗艦は巡潜3型や甲型潜水艦に取って代わられている。

これらを複数部隊集めて艦隊を編制するが、戦時では、時代の推移や戦況の変化で差異がみられる。

指揮官が僚艦の性質や能力を熟知できるため、連携が取りやすい反面、運用の柔軟性に欠ける欠点もあった。
指揮官(戦隊司令官)には中将少将または大佐があてられた。

なお、英訳では、旧日本海軍の戦隊はSquadron、隊はDivisonという表現を用いるが、アメリカ海軍では(第二次世界大戦当時)前者はDivision(巡洋艦以上)かFlotilla(駆逐艦等)、後者はSquadronと国によって表現に差異がみられる。(Divisionは小隊とされる。)
欧州では、Divisionは師団相当、Flotillaは旅団相当と位置付けている国もある。(イタリア海軍やベルギー海軍等) 

海上自衛隊

海上自衛隊では戦隊と言う言葉を用いず、同様の規模の部隊を「群」と称している。
英訳は隊がDivision(航空隊はSquadron)*6、群はFlotilla*7(航空群はWing)で、本来の戦隊を意味するSquadronを使用しているのは練習艦隊と第1海上補給隊*8のみである。

群は一般の軍事常識として、陸軍の旅団に対応する部隊と位置付けられる傾向にある。

群司令には、海将補または代将たる一等海佐(1)が充てられている。

なお、近年では組織系統の簡素化の観点から、以下のような改革案があるという。

護衛隊群(水上艦部隊)
DDH(ヘリコプター護衛艦)の属する護衛隊を群司令直轄とするか、DDHとDDG(ミサイル護衛艦)を群司令部直轄とし、汎用DDを一つの護衛隊にまとめるべき、という意見がある。
潜水艦部隊
指揮(管理)系統を「潜水隊群―各艦」に改め、群司令部も、人事、教育訓練、艦の維持のみの機能にとどめ、「潜水隊」は廃止すべき*9との声があるという。*10

*1 空軍に限れば「飛行隊」とも訳される。
*2 戦隊長は大佐や中佐が充てられていたが、戦時中は少佐、時としては大尉が多かった。
*3 爆雷を搭載した小型モーターボート「四式肉薄攻撃艇」を装備していた。
*4 ここでは、1942年以降に大量建造された沿岸警備用のフリゲートのことを指す。
*5 大正時代以降は、主に「5500トン級」と呼ばれる艦が交代で務めていた。
*6 Escadrilleと表現する国もあるが、英語では既に死語になっている。
*7 旧来、アメリカ海軍の駆逐隊程度の規模とみられていたが、現在ではヘリコプター空母(DDH)やミサイル巡洋艦(イージスDDG)の様な一佐を艦長とする大型艦も配備されているため、一概にそうとは言えなくなってきている。
*8 部隊編制単位はあくまで隊扱いである。
*9 太平洋戦争時から潜水隊不要論はあった。
*10 そもそも潜水艦は単艦行動が主体で、航海中の艦の指揮は潜水艦隊司令部が一括で受け持っているので、不要な中間結節を置く必要はないという。

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