Last-modified: 2017-09-24 (日) 08:14:11 (81d)

【赤城】(あかぎ)

  1. 大日本帝国海軍正規空母「赤城」。
    太平洋戦争前期、連合艦隊の主力として活躍した艦の一艦である。

    本艦は当初、「八八艦隊」計画で調達予定であった「天城」級巡洋戦艦の2番艦として1920年に起工されたが、その後ワシントン海軍軍縮条約によって他の戦艦・巡洋戦艦が建造を中止され解体される中で、航空母艦への改造を受け竣工した*1
    本来は同型艦の「天城」と一緒に改装されるはずだったが、横須賀工廠で改装工事を受けていた天城が関東大震災で大破して廃艦となった*2ため、本艦のみが空母として就役した*3

    当時は海上航空兵力の運用方法が確立されていなかったため、さまざまな実験的要素を含んだ艦に仕上がっていた。
    その中でも特徴的なのが、英国で先に就役していた空母「フューリアス」を模範に導入された三段式の飛行甲板で、最下層の格納庫とつながった艦首部分には全長約57mの大型機発進用甲板を、その上には15mの小型機発進用甲板を装備し、最上部は艦尾から伸びた全通式190mの発着艦用甲板になる予定だった*4
    この三段式甲板は、下の二層の甲板から搭載機を発進させつつ、帰還してきた機を最上部の甲板で着艦させるという考えに基づいていたが、実際にはうまく運用することができなかった。
    そのため、1935年から1938年にかけて大規模な改装工事を受け、飛行甲板を最上部の一段のみにし、それを艦首まで延長することで約250mの大型飛行甲板を持つことになった。
    これは艦載機の大型化にも十分対応できるものだった。
    この大型甲板には左舷中央に小型の艦橋も設置され、廃止された下部飛行甲板の部分には格納庫も増設されたため、搭載機は最大で91機(常用66機・予備25機)にもおよび、これは日本空母では最大である。
    また、この時の改装では機関も大幅な変更がされ、一連の改装で排水量が増大しているにもかかわらず31ktの高速を出すことができた。

    こうして近代的な航空母艦として生まれ変わった赤城は、加賀と並び世界的にも最大級の航空母艦になっており、まもなく第一航空戦隊の旗艦になった。
    特徴としては左舷に設置された艦橋で、旧日本海軍では赤城と飛龍だけが左舷に艦橋を設置している。
    左舷に艦橋を設置したのは右舷下向きに設置された煙突との重量バランスをとるための措置だったが、搭乗員からは不評だった。
    そのため、後に飛龍の設計を流用して戦時量産型として開発された「雲龍?」型では、右舷に艦橋が移されている。

    太平洋戦争の開戦後は南雲忠一中将の指揮下、真珠湾攻撃やインド洋海戦などで各地を転戦し、艦載機の性能や搭乗員の練度も相まって優れた戦績を残した。
    しかし、1942年6月のミッドウェイ海戦に参加した際に、SBD「ドーントレス」急降下爆撃により1000lb爆弾3発を被弾(命中2発、至近弾1発)。
    そのうち1発が中部エレベーター付近に命中し、飛行甲板を突き破って格納庫内で炸裂。
    燃料魚雷爆弾の誘爆によって大火災に陥ったため航行不能と判定され、第四駆逐隊の陽炎型?駆逐艦4隻(嵐、野分、萩風、舞風)の魚雷で自沈処分された。

    性能緒元
    竣工時改装後
    主造船所呉海軍工廠
    起工1920.12.6
    進水1925.4.22
    竣工1927.3.25
    喪失1942.6.5(自沈処分)
    除籍1942.9.25
    全長261.21m260.67m
    水線長248.95m250.36m
    全幅28.96m31.32m
    吃水8.08m8.71m
    飛行甲板190.2m×30.5m (上段)
    55.02m×22.86m(下段)
    249.17m×30.48m
    排水量
    基準/公試
    26,900t/34,364t36,500t/41,300t
    機関蒸気タービン方式 4軸推進
    主缶ロ号艦本式専焼缶×11基
    ロ号艦本式混焼缶×8基
    ロ号艦本式専焼缶 大型×11基
    ロ号艦本式専焼缶 小型×8基
    主機技本式タービン(高低圧 2組)×8基
    機関馬力131,200hp133,000hp
    速力
    (最大/巡航)
    31ノット(計画)
    32.5ノット(竣工時)
    31.75ノット(1931年3月)
    31.2ノット/16ノット
    燃料重油:3,900t
    石炭:2,100t
    重油:5,770tまたは5,775t(1938年3月)
    航続距離8,000浬/14ノット8,200浬/16ノット
    乗員1,400名(竣工時)
    1,297名(1931年3月)
    1,299名(1934年4月定員)
    1,627名(1937年4月定員)
    1,340名(1938年3月)
    1,630名(最終時)
    兵装三年式50口径20cm砲×連装2基4門
    同単装6基6門
    十年式45口径12cm連装高角砲×6基12門
    留式7.7mm機銃×2挺(1931年)
    三年式20cm単装砲×6基6門
    十年式45口径12cm連装高角砲×6基12門
    九六式25mm連装機銃×14基28門
    設備エレベーター×2基エレベーター×3基
    搭載機三式艦上戦闘機?×16機
    一〇式艦上偵察機?×16機
    一三式艦上攻撃機?×28機
    合計60機
    1938年
    九六式艦上戦闘機?×12+4機
    九六式艦上爆撃機?×19+5機
    九六式艦上攻撃機?×35+16機
    常用66機、補用25機

    1941年12月7日常用機:
    零式艦上戦闘機×18機
    九九艦爆×18機
    九七艦攻×27機

    akagi.jpg
    赤城
    Photo: U.S.Navy

    関連:零戦 九七式艦上攻撃機 九九式艦上爆撃機 レキシントン

  2. 砲艦「赤城」。
    明治初期に建造された「摩耶」型砲艦の4番艦。
    日清戦争では黄海海戦に参加、清国艦隊の集中砲火を浴びて艦長以下の幹部乗員多数が戦死するという大打撃を蒙りつつも、樺山資紀中将(当時、海軍軍令部長)の座乗する「西京丸」を守り抜く活躍を見せた。
    この他、大連・旅順・威海衛攻略作戦等に参加した後、明治末期に除籍となり民間に売却され、貨物船「赤城丸」として1950年代まで使用された。

    性能諸元
    主造船所小野浜造船所
    起工1886.7.20
    進水1888.8.7
    竣工1890.8.20
    除籍1911.4.1
    その後1912.3.売却
    1953.解体
    常備排水量622t
    全長51.0m(垂線間長)
    全幅8.20m
    喫水2.90m(公試状態)
    機関2段膨張式レシプロエンジン×2基
    丸罐×2基
    2軸推進(出力963馬力)
    燃料石炭:74.4t
    最大速度10.0kt
    乗員111名
    兵装12cm単装砲×4基
    4.7cm単装砲×4基
    30mm砲×5連装2基

  3. 海上保安庁・特130トン型巡視船「あかぎ」(MSA Akagi PS-40)。
    1960年代に建造された「特殊救難用」小型巡視船。同型船はない。
    速力は28ノットを発揮し、竣工当時の海上保安庁の巡視船艇では最速であった。
    1965年就役し、那珂湊に配備された。1980年解役。

    スペックデータ
    種別特130トン型巡視船
    計画昭和39年度
    主造船所日立造船神奈川工場
    母港那珂湊港
    竣工日1965.3.24
    解役日1980.3.8
    満載排水量44t
    総トン数82t
    全長24.0m
    全幅5.4m
    深さ2.70m
    吃水0.98m
    エンジン池貝-MTU MB820Dbディーゼル(単機出力1,100馬力)×2基
    推進スクリュープロペラ×2軸
    出力2,200馬力
    速力28.0ノット
    航続距離280海里
    乗員14名

  4. 海上保安庁・特130トン型巡視船「あかぎ」(MSA(JCG)Akagi PS-101)。
    前項「あかぎ」の代替として1980年代に建造された高速小型巡視船。
    同型船に「つくば」「こんごう」「かつらぎ」「ひろみね*5」「しづき」「たかちほ」の6隻があった。
    1980年に就役し、第3管区那珂湊海上保安部*6に配属されて活躍したが、2009年、僚船の「つくば」と共に解役。

    性能諸元
    総トン数115t(満載
    全長35.0m
    全幅6.3m
    深さ3.4m
    機関ディーゼルエンジン×2基(出力4,800PS) 2軸推進
    速力28kt
    航続距離500浬
    乗員12名
    兵装12.7mm単装機関銃×1基
    放水銃×1基(3〜5番船)

    同型艦
    船番号船名造船所竣工退役
    PS-101あかぎ
    (MSA(JCG)Akagi)
    隅田川造船1980.03.262009.02.06
    PS-102つくば
    (MSA(JCG)Tukuba)
    1982.02.242009.02.06
    PS-103こんごう
    (MSA(JCG)Kongou)
    石原高砂1987.03.162012.06.22
    PS-104かつらぎ
    (MSA(JCG)Katsuragi)
    横浜ヨット*71988.03.242011.04.01
    PS-105ひろみね
    (MSA(JCG)Hiromine)
    →びざん
    (MSA(JCG)Bizan)
    石原高砂1988.03.242011.04.01
    PS-106しづき
    (MSA(JCG)Shiduki)
    隅田川造船1988.03.242012.02.07
    PS-107たかちほ
    (MSA(JCG)Takatiho)
    1988.03.242011.08.01

  5. 海上保安庁・180トン型巡視船「あかぎ」(JCG Akagi PS-14)。
    2000年代後半から建造されている「びざん?」型巡視船の10番船。
    前項「あかぎ」の代替として2009年に就役し、第3管区茨城海上保安部に配属されている。

    性能諸元
    主建造所三菱重工業下関造船所
    起工2007年12月4日
    進水2008年10月21日
    竣工2009年3月4日
    所属第三管区茨城海上保安部
    総トン数197t
    全長46.0m
    全幅7.5m
    深さ4.1m
    機関ディーゼルエンジン×3基(出力9,400hp)
    SEMTピルスティク*8 16PA4V-200VGA(V型16気筒、単機出力3,500馬力)(スクリュープロペラ用)
    SEMTピルスティク 12PA4V-200VGA(V型12気筒、単機出力2,400馬力)(ウォータージェット用)
    ウォータージェット×1基+スクリュープロペラ×2軸推進
    速力35ノット
    航続距離600海里
    乗員15名
    兵装JM61 20mm多銃身機関砲×1門
    搭載艇5.4m型複合艇
    C4IRFS射撃指揮装置機関砲用)


*1 アメリカ海軍でも、同様に巡洋戦艦として建造中だった「レキシントン」「サラトガ」が空母に改装されている。
*2 天城の船体の一部は、後に民間に払い下げられて浮桟橋として用いられている。
*3 天城の代艦には戦艦加賀」が選定された。
*4 中段は艦橋の拡張や主砲塔によって使用できなくなっている。このため、三段ではなく二段甲板と言う場合もあるが、三段とする方が一般的。
*5 後に「びざん」と改名。
*6 2004年からは「茨城海上保安部」と改称。
*7 2002年に日本鋼管に吸収合併され、ユニバーサル造船として再編。
*8 富士ディーゼル、後に新潟鐵工所によりライセンス生産。

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