Last-modified: 2024-02-16 (金) 16:47:41 (68d)

【静止衛星】(せいしえいせい)

人工衛星のうち、地球から見て静止しているように見える(地球の自転と同じ周期で地球軌道上を公転している)衛星。
現行の技術では赤道上空、高度約3万5786キロメートルの円軌道上でのみ運航されており、この軌道を「静止軌道」と呼ぶ。

地球重力場の偏向・太陽の輻射圧・月の引力などの影響を受けるため、静止を維持するために適宜推進剤を消費して軌道を修正する必要がある。
搭載する推進剤デルタブイが、静止衛星として機能を維持できる限界寿命となる。

地上との位置関係が固定される事は人工衛星の用途において極めて都合が良く、放送・通信・気象観測を目的とする人工衛星はもっぱら静止衛星として打ち上げられる。
このため静止軌道上は人工衛星で過密状態にあり、衝突事故を起こす懸念が強い。
制御が途絶してスペースデブリ化すると危険なため、静止衛星は寿命が尽きる前に高度を上昇させ「墓場軌道」へ廃棄するよう国際条約で定められている。
しかし、静止衛星の廃棄は難易度の高い操作であり、廃棄に失敗してスペースデブリと化した静止衛星も無数に存在するのが実情である。

放っておくと静止軌道から外れていくため、スペースデブリが静止軌道上に居座り続けるわけではない。
墓場軌道に到達できず、地球に落下もしなかった場合、かつて静止衛星だったデブリは静止軌道から外れてもなお地球軌道上を周回し続ける。
このデブリの軌道は静止軌道と交差しているため、現役の静止衛星と衝突する可能性がある。


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