Last-modified: 2014-11-05 (水) 13:12:07 (3245d)
【静安定性】 †
static stability.
機械運動の分析に用いるパラメータのひとつ。
風・揺れ・姿勢の変化などを打ち消し、本来の姿勢に戻ろうとする性質。
例えば、自転車は静止中よりも走行中の方が転倒しにくい。
これは車輪のトルクが他のベクトルを打ち消して静安定性を発揮している事による。
低ければ低いほど頻繁な操作・調整が必要になり、操作を難しくする。
一方、十分に高ければ突風・失速・スピンなどに際してもすぐに挙動が安定する。
古典的な設計哲学では、高い静安定性の確保は必須条件であった。
反面、静安定性が高いほど方向転換に際して大きな抗力が生じ、運動性が低下する。
このため、近年の戦闘機では意図的に静安定緩和を行い挙動を不安定にしている事もある。
例えば、ユーロファイター・タイフーンは前進し続ける事が構造的に不可能である。
そのため、アビオニクスが毎秒30回以上の方向転換を行い、無理やり軌道を調整して飛んでいる。