Last-modified: 2017-07-25 (火) 11:52:35 (11h)

【垂直発射システム】(すいちょくはっしゃしすてむ)

Vertical Launching System (VLS)

ミサイル発射装置の一種。戦闘艦の甲板下に埋め込むように設置される事が多い。
発射筒は真上に向くように設計され、平時は蓋をされた発射筒が弾薬庫を兼ねる。
発射されたミサイルは、真上に上昇しながら初期中間誘導を受けて目標へ飛翔する。

垂直発射システムは以下のような特徴を持つ。

  • 利点
    • 発射機および弾薬庫のペイロード容積を必要最小限に留められる。
    • 機械駆動の装填機構が存在しない為信頼性が高い。
    • レーダー反射面積にほとんど影響を与えない。
    • 被弾時に被害を受けにくい。
    • 互換性が比較的高く、多種多様な弾体を発射できる。
    • 砲塔などの可動部分を必要としないため、連続発射が容易。
    • 悪天候時の保管が容易。
  • 欠点

主な垂直発射システム

  • アメリカ
    • Mk 41?
      汎用型。
      SM-1/2/3/6?VLAトマホークESSMなど、様々な用途のミサイルを発射する事が可能。
      イージス戦闘システムの要であり、1基8セルで構成される。
      現在世界でもっとも多く運用されているVLSで、11ヶ国の海軍で16クラス、173隻の艦艇に搭載されて運用されている。

    • Mk 45:
      潜水艦搭載用。
      ロサンゼルス級原子力潜水艦「プロビデンス(SS-719)」以降の艦とヴァージニア級原子力潜水艦全艦の前部に搭載されている。

    • Mk 48:
      シースパロー艦対空ミサイル用。ESSMも搭載可能。
      • Mk 56:
        Mk.48のデュアルパックタイプ。ESSMを2発収容できる。

    • Mk 57"PVLS*1":
      現在開発中の新型VLSでMk.41と同じく汎用型。
      ズムウォルト級ミサイル駆逐艦に搭載予定。

  • ソ連/ロシア
  • フランス
    • シルヴァー(SYLVER):
      アスター艦対空ミサイル用。
      用途に合わせてA35(MICA VLクロタルVT1用)・A43(MICA VL・クロタルVT1・アスター15搭載型)・A50(MICA VL・クロタルVT1・アスター15/30搭載型)・A70(アスター15/30・SCALP Naval?搭載型*4)の4種類がある。

  • イギリス
    • シーウルフ
      GWS26(後期型)で採用され、即応性が向上した。
      VLSは1本1本が独立した円筒形発射機を組み合わせており、8本で1基を構成している。

    • CAMM*5/シーセプター:
      レイピア?やシーウルフの後継として開発中の短距離防空/個艦防空ミサイル。
      SVL(ソフト・バーティカル・ランチ)と呼ばれる発射機のピストンによってミサイルを射出したのち、空中で固体燃料ロケットモーターに点火するという新しい発射方式を採用している。

  • イスラエル
    • バラク-I
      短距離艦対空ミサイル。
      VLSからの運用を前提に開発され、1基8セルで構成される。
      開発中の艦隊防空用ミサイル型「バラク-8」もMk41か専用VLSにより運用される予定。

  • 中国
  • 南アフリカ
    • ウムコント?
      デネル・エアロスペース・システムズ社製の個艦防空ミサイル。
      搭載ミサイルは赤外線誘導のウムコント-IRとレーダー誘導のウムコント-Rの2バージョンがある。
      8セルで1セットを構成する。

  • 韓国
    • 国産VLS:
      「天竜(チョニョン)」艦対地ミサイル?および「紅鮫(ホンサンオ(K-ASROC))」対潜ミサイル?専用。
      外形・寸法はMk.41とほぼ同一だがコールドローンチ方式を採用している。
      世宗大王級駆逐艦に搭載。

  • インド
    • PJ-10「ブラモス」:
      ロシアと共同開発した対艦巡航ミサイル用。1基8セルから構成される。
      ラージプート級駆逐艦の一部が改装により搭載されたほか、今後新造艦への搭載が予定されている。


*1 Peripheral Vertical Launch System.
*2 後に、3K96「リドゥート」に変更されている。
*3 Универсальный Корабельный Стрельбовой Комплекс:汎用艦発射複合体
*4 SM-2MRトマホークの運用も可能である。
*5 Common Anti-Air Modular Missile.
*6 Guo-jia Jun-yong Biao-zhun(国家軍用標准)の略。

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