Last-modified: 2022-09-15 (木) 17:58:06 (20d)

【紫電】(しでん)

川西N1K1-J「紫電」。

大東亜戦争(太平洋戦争)中、日本海軍が運用していた局地戦闘機迎撃戦闘機)。
連合国軍側のコードネームは"George(ジョージ)"。

大東亜戦争中期、水上戦闘機「強風」陸上機化して、比較的たやすく高性能局地戦闘機(乙戦)を得ようという川西の提案に海軍が承認を与えて実現した機体。
昭和17年12月に試作機が完成したが、ほとんど水上機そのままの形で陸上機化するというのは無理があり、大部分は改設計された。それでも、主脚の故障の頻発、太い胴体による前下方視界不良で離着陸に危険が伴った。そのうえ、実用化されて間もない誉二一型エンジンの不調と空力設計の稚拙さで最高速度は予定の650km/hを大きく下回る570km/hとなり、事実上の失敗作だった。

しかし、誉の搭載によって達成された重武装と爆装能力は零戦を上回り、次期主力と期待された烈風雷電の開発状況と比べれば実用の域にも達していることから、海軍は本機を正式採用した。
主に台湾やフィリピンでの航空戦に投入されたが稼働率は低く、運用中も主脚の故障によって多くの機体が失われた。

しかし、川西もこれに対応するべく、実用性や生産性向上のための大規模な改設計が行った。その結果、大きく機体形状を変えた「紫電二一型」、通称紫電改が生まれた。

余談だが、多くの日本軍単発機に見られないずんぐりした胴体と中翼配置が米軍のグラマンF4F*1によく似ており、敵と誤認されることが多かったという。

性能諸元

形式名紫電一一型
機体略号N1K1-J
全長8.885m
全高4.058m
全幅11.99m
翼面積23.5
自重2,657kg
全備重量3,800kg
発動機中島/海軍空技廠 誉二一型 空冷星型複列18気筒×1基
(離昇2,000馬力/運転制限下では1800馬力)
最高速度583km/h(高度5,900m)*2
実用上昇限度12,500m
航続距離
(正規/過荷)
1,432km/2,545km
武装九九式二号20mm機銃四型×2挺(主翼下ポッド・携行弾数各100発)
九七式7.7mm機銃×2挺(機首・携行弾数各550発)
爆装60kg爆弾×2発 もしくは 250kg爆弾×2発

バリエーション

  • 十五試水上戦闘機/強風一一型(N1K1):
    紫電シリーズのベースとなった水上戦闘機
    詳しくは該当項目を参照のこと。

  • 仮称一号局地戦闘機/紫電一一型(N1K1-J):
    発動機を火星一三型から誉二一型に換装した極初期型。
    武装は翼下の20mmガンポッド式機銃2挺、胴体7.7mm機銃2挺。

  • 紫電一一型甲(N1K1-Ja):
    胴体の7.7mm機銃を廃止し、翼内に20mm機銃を2挺追加、計4挺とした型。

  • 紫電一一型乙(N1K1-Jb):
    翼下の20mmガンポッド機銃を廃止し、20mm機銃4挺を翼内装備した型。
    増速用に火薬ロケット6本を装着した機体も存在した。

  • 紫電一一型丙(N1K1-Jc):
    一一型乙の爆装能力を向上させた戦闘爆撃機型。
    60kg爆弾4発または250kg爆弾2発を搭載。試作のみ。

    以降の派生型は紫電改の項を参照。

*1 戦争後期にも、米軍はF4Fを発展型のFM-2として引き続き運用していた
*2 誉エンジンの運転制限下での性能

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