Last-modified: 2017-10-14 (土) 16:40:23 (65d)

【師団】(しだん)

Division.
主として陸軍における戦闘部隊の編制単位。
大半の国家が採用する編成であるため、陸軍兵力の概数を指し示す国際単位としても用いられる。
また、近現代の陸上戦において戦略的に扱われる部隊の基本単位でもある。

つまり、ある師団の司令部と連絡が取れなくなった場合、その師団は全滅したものと仮定される。
隷下の部隊が健在であっても、その部隊が上層部から継続的に指令を受ける事はない。
死守撤退が命じられるか、近隣の師団に組み込まれ、後は続報あるまで忘れ去られる。

指揮官(師団長)はいわゆる「将軍閣下」で、階級的には准将少将中将程度が妥当とされる。

ただし近年では国家総力戦思想の退潮に伴い、師団の概念を廃する国家も増えている。
そのような国家においては、一回り小さな編成である旅団を基本的な戦略単位として用いる。

「師団」に必要とされる兵力

師団は、その軍で想定される一般的な軍事作戦を一切の外部支援なく実行できる事を要求される。
即ち、陸上戦闘に不可欠な全種類の部隊を、作戦に必要な規模で指揮下に置かなければならない。

現代の場合、その条件を満たすために不可欠とされる兵科は概ね以下の通り。

司令部・参謀
機甲部隊
主力戦車及び偵察車両
歩兵
可能であれば機械化歩兵
砲兵
野戦砲および高射砲
航空機各種
典型的にはヘリコプター
工兵
兵站
通信兵、物資輸送、野戦病院、補給基地とその管理人員

一個師団を構成する人員の規模は、想定される戦場の広さによる。
大陸国家の場合、広大な前線を形成するため10,000人以上を必要とする。

一方、海軍重視の戦略を採る場合や国土が狭い場合、6,000〜9,000人程度の小規模師団も編成される*1
ただし、小規模な師団は予算や人的資源ゆえの苦肉の策であって、原則論としては編成すべきでない。
人数削減が個人の負担増加・作業効率低下を招いて戦闘効率に影響するのは明白で、それは機械化しても解決しない。
とはいえ、長期の陸上戦闘を想定しない場合、陸軍師団の継戦能力を切り捨てる決断は大いにあり得る。

師団は装備の充実と共に整備・運用人員を求めるため、基本的に人員が多いほど強大。
しかし肥大化しすぎると戦略上の機動力を喪失し、必要な時・必要な場所に展開する事が困難になる。
現実的に師団として作戦運用可能な上限人数は概ね15,000人程度とされる。

任務特化師団

師団には各種兵科がバランスよく配備されるのが基本的な編制だが、例外もある。
特殊な戦術環境にあり、特殊な命令しか受け持たないのなら、その命令のために極端に特化した師団も編成される。
歴史上、典型的な特化師団は以下の通り。

山岳師団
山岳地帯、特に冬期・雪中での山岳戦を想定。
性質的に機甲部隊の編成が困難で、軽歩兵・空挺降下を充実させる傾向にある。
空挺師団
空挺部隊の運用のみを想定。
緊急の展開が想定され、危地に対する増援・作戦初期段階での強襲を主任務とする。
機甲師団
敵の機甲部隊の拘束・撃滅のみに特化。
性質上、実働戦力の全てが主力戦車ないし機械化部隊である。
砲兵師団
戦略レベルでの制圧射撃のみを想定。
大規模な作戦で一個師団以上の砲兵を集中投入する場合に備えた編制。
飛行師団/航空師団
各種航空機の運用に特化。
基本的には空軍でのみ編制される*2が、陸軍でもヘリコプターなどの戦略的な運用を目的として編成される場合がある。

*1 嘗てのフランス陸軍(現在は全て旅団に改編されている)や陸上自衛隊などに例が見られる。
*2 「空軍」の生まれた歴史的経緯(ルーツが陸軍の一組織であるなど)から、陸軍の部隊と同じ呼称を用いることもある。

トップ 編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS