Last-modified: 2017-10-13 (金) 17:45:59 (63d)

【四式戦闘機】(よんしきせんとうき)

中島キ84・四式重戦闘機疾風」。

1940年代、中島飛行機製作所(現在のSUBARU)が開発・生産し、日本陸軍に納入された重戦闘機
連合国軍のコードネームは「Frank(フランク)」であった。

本機は九七式戦闘機一式戦闘機〜二式戦闘機「鍾馗」と続いてきた、中島製戦闘機の集大成ともいえる機体で、速度・武装・防弾・運動性・航続距離・操縦性及び生産性に優れた機体として1943年に完成、1944年に制式採用された。

機体の設計は一式・二式とあまり変わり映えのしないものであったが、機体の軽量化を図るために操縦系統を意図的に重く設定した。
このため、従来のような旋回を主体とする格闘戦が行いにくくなり、従来の機体に慣れ親しんだパイロットからは不評の声もあった。

しかし、高高度での操縦性や速度・防弾の面では陸海軍の他の戦闘機を上回っており、陸軍は本機を「大東亜決戦機」として量産した。

現在は一型甲の1機が鹿児島県・知覧の「知覧特攻平和会館」に収蔵・展示されている。

スペックデータ

制式名称四式戦闘機一型甲四式戦闘機一型甲
(量産型)
四式戦闘機一型乙
試作名称キ84-I甲キ84-I乙
全長9.92m
全高3.38m
全幅11.24m
翼面積21
翼面荷重185.24kg/
自重2,698kg2,698kg
+
胴体12.7mm機関砲×2
⇒胴体20mm機関砲×2への
換装分
正規全備重量3,890kg3,890kg + 携行弾増加分3,890kg
+
胴体12.7mm機関砲×2
⇒胴体20mm機関砲×2への
換装分
発動機中島ハ45-21空冷星型複列18気筒×1基(離昇2,000馬力)
排気管推力式集合排気管推力式単排気管
プロペララチエ電気式定速4翅
最高速度624km/h(高度5,000m)
640km/h(高度6,000m)
631km/h(高度6,120m)
624〜655km/h(高度5,000〜6,000m)660km/h(高度6,000m)
上昇力5,000mまで6分26秒5,000mまで約5分弱
航続距離2,500km(落下タンクあり)/1,400km(正規)
武装20mm機関砲(ホ5)×2門
(翼内、携行弾数各120発)
12.7mm機関砲(ホ103)×2門
(胴体、携行弾数各250発)
翼内20mm機関砲(ホ5)×2門
(携行弾数各150発)
胴体12.7mm機関砲(ホ103)×2門
(携行弾数各350発)
翼内20mm機関砲(ホ5)×2門
(携行弾数各150発)
胴体20mm機関砲(ホ5)×2門
爆装30kg〜250kg爆弾ないしタ弾(クラスター爆弾)×2発
無線九九式飛三号無線機二型四式飛三号無線機一型

バリエーション

  • キ84:
    原型及び実用試験機、生産前機の呼称。

  • 一型甲(キ84-I甲):
    対戦闘機戦重視の初期生産型。生産されたほとんどの機体はこの型。
    武装は翼内に一式(ホ103)12.7mm機関砲×2門、機首内に二式(ホ5)20mm機関砲×2門。

  • 一型乙(キ84-I乙):
    対爆撃機戦重視の武装強化型。
    乙型の機首機関砲を二式(ホ5)20mm機関砲×2門に変更し、4門とした。

  • 一型丙(キ84-I丙):
    武装強化型。
    乙型の主翼機関砲をホ155-II 30mm機関砲×2門に変更した。試作のみ。

  • 一型丁(キ84-I丁):
    夜間戦闘機型。
    乙型の操縦席後方に二式(ホ5)20mm機関砲×1門を斜め銃として追加装備した。試作のみ。

  • 二型(キ84-II):
    一部構造材に木材を使った機体。武装は乙、丙型に準ずる。
    計画のみ。

  • 三型(キ84-III):
    排気タービン付きのハ45ル発動機を装備した高高度型。計画のみ。

  • 四型(キ84-IV):
    エンジンを高高度性能に優れたハ45-44に換装した高高度戦闘機型。計画のみ。

  • キ84サ号(サ号機):
    ハ45の噴射装置を水エタノールから酸素噴射に変更し、高高度での性能向上を図った機体。
    上昇力が向上し、高度9,000mでの速度が50km/h増したといわれる。
    テスト中に終戦。

  • キ84R:
    翼面積増大、IV型同様のハ45-44発動機装備の高々度性能向上型。設計中に終戦。

  • キ84P:
    ハ44-13(離昇2500hp)発動機搭載の高々度戦闘機型。試作のみ。

  • キ106:
    アルミ合金の不足から、機体の大半を木製化したもの。
    重心の変化により機首が延長され、フラップは蝶型ではないスプリット式に変更された。
    17%もの重量増加のため上昇力・速力が低下した。
    また組み立てに使う接着剤に問題があり、試験中に主翼下面外板が剥離・脱落するトラブルも発生した。

  • キ113:
    アルミ合金の不足から、機体の大半を鋼製化したもの。
    中島飛行機で試作一号機体が完成したが、エンジン未着装の状態で終戦を迎えた。

  • キ116:
    満州飛行機での転換生産型。
    発動機は三菱 ハ112-II?(公称1,500hp)を搭載し、プロペラも3翅とし、重心調整のため全長が20cm延長された。
    翼面荷重は制式機より25kg程度減少したこともあり、速度がやや低下したが、飛行特性も向上したといわれる。
    試験飛行の結果は良好であったが、各種飛行特性や厳密な性能測定の直前の1945年8月9日、ソ連軍の侵攻に遭遇し、関係者の手により機体・設計図とも自らの手で処分された。

  • キ117(キ84-Nとも):
    中島 ハ44-14(離昇2,530hp)発動機搭載の性能向上型。
    翼を1.5峭げて、高高度性能の向上を図った。
    設計中に終戦。


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