Last-modified: 2016-04-12 (火) 17:11:33 (410d)

【合成開口レーダー】(ごうせいかいこうれーだー)

Synthetic Aperture Radar(SAR). / Interferometric Synthetic Aperture Radar(InSAR、干渉合成開口レーダー).

複数基のアンテナを連携させたり自機を移動させる事により、擬似的に巨大なアンテナを形成するレーダー

主に観測機人工衛星攻撃機偵察機に搭載される。
測量や観測、偵察攻撃機のターゲティングに用いられ、地表の状態を数十cm〜数m単位で知ることが出来る。
また、天文学でも深宇宙探査のために巨大な電波望遠鏡を複数組み合わせて合成開口レーダーとして用いる事がある。

原理

マイクロ波は可視光や赤外線画像に比べて水などに吸収されにくいため、天候に左右されない運用が可能。
一方、マイクロ波は波長が長いため解像度が非常に低く、本来は精密な映像を取得する用途に向かない。
10cm波長のマイクロ波で可視光(約0.5μm波長)と同等の解像度を得ようとすると、アンテナの直径を10万倍以上にしなければならない。

正攻法でこれを実現するのは不可能であるため、合成開口レーダーは複数回のレーダー走査情報を合成して擬似的な巨大アンテナを形成する。
レーダー自体が移動しながら走査を繰り返し、その情報をコンピュータで検証・合成して情報の確度を高め、高い解像度を得る。

この手法は走査完了までに必要な時間が非常に長いため、移動する物体を追う用途には著しく不適格。

原理はフェイズドアレイレーダーと似ているが、一連の走査に大きな時間差が発生する点で異なる。
フェイズドアレイレーダーは全ての素子がほぼ同時に受信するため、位相の重ね合わせを比較的簡単に行える。
一方、合成開口レーダーは時間差を補正するためにフーリエ変換等の複雑な演算処理を膨大な回数繰り返す必要が生じる。
このためコンピュータの性能が要求され、現代型コンピュータにとってさえ軽視できない規模の計算資源を要する。
また、広範囲にレーダー走査を行ってから不要な情報を切り捨てる原理上、走査中に生じたノイズの影響が非常に大きい。

加えて、自機の高度・緯度・経度を正確に測定できる高精度の航法装置を必須とする。


トップ 編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS