Last-modified: 2020-12-13 (日) 20:29:49 (36d)

【護衛艦】(ごえいかん)

  1. 船舶を護衛する任務を帯びた艦艇を指す一般語。
    英訳では「Escort (vessel)」と呼ばれる*1
    かつて、輸送船団を潜水艦航空機による通商破壊から守る目的で、駆逐艦護衛駆逐艦護衛空母などがその任についていた。
    また、機動部隊空母等を護衛する戦闘艦も、このように呼ばれることが多い。

  2. 海上自衛隊においては、事実上水上戦闘艦を指す言葉*2
    諸外国の海軍では駆逐艦もしくはフリゲートに相当する艦船が充てられており、そのため英訳も「Destroyer」「Frigate」、艦籍記号は「DD」「DE」もしくは「FF」となっている。
    近年では、諸外国であれば巡洋艦ヘリコプター空母に匹敵する艦も登場しているが、海上自衛隊水上戦闘艦であれば全て護衛艦と称される*3

    艦の名称は、基準排水量5,000トン未満のものでは天候・波浪や「月」などといった自然現象、それ以上のものでは日本の山岳や地名に由来したものが、ひらがなで付けられる(地方隊用護衛艦(DE)は、日本の河川名に由来する)。
    基準は違えど、旧海軍に存在した艦艇の名も上記のような由来のものであり、そのため引き継ぐ形になることも多い。

    主な護衛艦
    種別説明該当艦
    護衛艦
    (DD)
    海外の駆逐艦に相当する。
    当初は保安庁警備隊の方式を踏襲して「甲型護衛艦」と呼ばれていたが、
    1961年に改称された。
    あさかぜ型*4
    ありあけ型*5
    はるかぜ型?
    汎用護衛艦
    (DD)
    対空・対艦・対潜戦闘能力をバランスよく求めたものであり、現在の護衛艦隊の主力。
    他国では駆逐艦フリゲートに分類される場合が多い。
    はつゆき型*6
    あさぎり型
    むらさめ型(2代)
    たかなみ型
    あきづき型(2代)
    あさひ型(2代)
    対空/多目的
    護衛艦
    (DDA)
    予算上は「甲況新挌艦」と称される。
    初代むらさめ型は対空防御を主任務として高角砲や連装速射砲などの砲火器を集中配備した
    対空護衛艦(Ainti Aircraft Destroyer)。
    一方、たかつき型は砲火器のみならず近、中、遠各距離の対潜兵装を備え、
    5インチ砲による対水上戦闘を行うことを想定しており、そのような経緯から
    艦の規模と相まって大型汎用護衛艦(All Porpouse Destroyer)と呼ばれた。
    SAMCIWSの普及とともに陳腐化し、現在はすべて退役済み。
    たかつき型の後継艦として計画された3600t型は更にSSM
    90口径35mm連装高射機関砲および有人対潜ヘリ格納庫も装備した艦として計画された。
    むらさめ型(初代)
    たかつき型
    3600トン型(計画中止)
    指揮護衛艦
    (DDC)
    対潜護衛艦(DDK)と対空護衛艦(DDA)の装備を兼ね備えるとともに、
    艦隊旗艦機能を備えたもの。
    所謂、嚮導駆逐艦(DL)である。
    現在は退役済み。
    あきづき型(初代)
    ミサイル護衛艦
    (DDG)
    予算上は「甲厳新挌艦」と称される。
    中〜長射程の艦対空ミサイルを装備し、艦隊防空を主任務としたもの。近年では対潜・対艦能力も高い。
    また、現在ではイージスシステム搭載艦が主流を占め、満載排水量が1万トン前後まで大型化した。
    弾道ミサイルの監視任務に就くケースが増えたため、一部の艦には弾道ミサイル迎撃能力が付与されている。
    あまつかぜ?
    たちかぜ型
    はたかぜ型
    こんごう型
    あたご型
    まや型
    ヘリコプター
    搭載護衛艦
    (DDH)
    対潜ヘリコプターを複数搭載し、対潜能力を重視したもので、対潜ヘリコプターの母艦として補給や整備などを行う。
    予算上は「甲祁新挌艦」と称される。
    かつては護衛隊群の旗艦も兼ねていた*7
    はるな型
    しらね型
    ひゅうが型
    いずも型
    対潜護衛艦
    (DDK*8
    対潜戦を重視し、対潜魚雷対潜ロケット弾などを重点的に搭載*9した艦。
    艦隊の基準構成艦(ワークホース)とされていた。
    他の艦の対潜能力が充実したため、現在はすべて退役済み。
    あやなみ型
    やまぐも型
    みねぐも型
    あおくも型
    2500トン型(計画中止)
    多機能型護衛艦
    (FFM)
    予算上は「甲昂新挌艦」と称される。
    艦種記号の由来は諸外国の同規模艦船の艦種類別であるフリゲートの艦種記号であるFFに
    機雷戦(Mine)や多機能を意味する(Multi-purpose)の頭文字のMを付加している。
    艦名はDEと同じく河川名とされる。
    3900t型
    地方隊用護衛艦
    (DE)
    地方隊向けに設計された艦で、基準排水量1,000トン〜2,000トン程度の小型艦。
    予算上では「乙型警備艦」と称される。
    記号は護衛駆逐艦に由来する。
    あさひ型(初代)*12
    あけぼの
    いかづち型
    わかば*13
    いすず型
    ちくご型
    いしかり
    ゆうばり型
    あぶくま型
    護衛艦
    (PF)
    海自創設当初、アメリカ海軍の「タコマ」級哨戒フリゲートを「くす」型として導入する際に、
    アメリカ海軍での艦籍記号を踏襲する形で採用されたもの。
    同艦の退役に伴い、現在は使用されていない。
    くす型*14


*1 Escort shipという表現も存在するが、こちらは海防艦の訳語としても用いられる。
*2 陸自創設期の「特車」(戦車のこと)や、空自の「支援戦闘機」(戦闘攻撃機)などと同様、「自衛隊は軍隊ではない」という法制上の制約から作られた言い換え語でもある。
*3 そのため、(第二次世界大戦世代の正規空母に匹敵する排水量を持ち)事実上はヘリコプター空母であるひゅうが級やいずも級にも「DDH」の艦籍記号が与えられ「(哨戒)ヘリコプターの母艦機能を備えた駆逐艦」ということになってしまっている。
*4 元米海軍「グリーブス」級駆逐艦を日米艦艇貸与協定に基づき貸与したもの。
*5 元米海軍「フレッチャー」級駆逐艦を日米艦艇貸与協定に基づき貸与したもの。
*6 オイルショックのあおりを受け、3600トン型DDAと2500トン型DDKの折衷型として設計・建造された。
*7 現在の自衛艦隊・護衛艦隊では旗艦制度が廃止されているが、その後に配備されたひゅうが型にも引き続き司令部設備が設けられている。
*8 Kはハンターキラーに由来する。
*9 小型のため、やまぐも、あおくも型は対潜ロケットとSUM*10、みねぐも型は対潜ロケットとDASH*11と近、中あるいは近、遠のどちらかの対潜兵装に限定された。
*10 Surface to Under sea Missileの略、いわゆるアスロックの事。
*11 Drone Anti Submarine Helicopterの略。
*12 元米海軍「キャノン」級護衛駆逐艦。
*13 旧海軍橘(改丁)型駆逐艦「梨」。
*14 米海軍タコマ級哨戒フリゲート。

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