Last-modified: 2021-10-05 (火) 12:00:36 (21d)

【強撃5】(きょうげきご)

南昌 強撃5(Q-5)

中国初の国産攻撃機
強-5やQ-5とも呼ばれるほか、輸出型はA-5と呼ばれる。
また、中国語読みに従い「ファンタン*1」とする資料もある。

強撃5は南昌飛機製造公司(NAMC*2、後の洪都航空工業集団)で1958年に開発が開始され、ソ連製のMiG-19ライセンス生産型である殲撃6をベースとする形で進められた。
設計においては諸外国の機体を参考にし、MiG-19とは全く別機と言える程の外見となった。
しかし、後退角の強い主翼や双発エンジンを装備した尾部にMiG-19の面影を見ることが出来る。

原型のMiG-19に比べて胴体が4m延長され、左右に配したエアインテーク?レドーム状の機首に加え、その上多くの兵装を積めるように機内爆弾倉が設置されたため、全体的にMiG-19より機体が大型となった。
ちなみに、全天候能力は無い。

固定武装としては23K型23mm機関砲を2門搭載し、霹靂7霹靂5空対空ミサイル、Kh-29(AS-14「ケッジ」)空対地ミサイル、対地ロケット弾爆弾等が搭載可能である。
また、試作型は今では珍しい航空魚雷も搭載可能だった。
最新型では「雷霆2型(LT-2)」レーザー誘導爆弾が搭載可能となっている。

1965年に初飛行を成功し、1969年から量産機が生産された。
さらに実用化の改修が続き、本格的な実戦配備は1970年に入ってからになった。

本機は、2012年の生産終了までの約44年間に約800機以上が生産され、中国空軍で500機、海軍航空兵で約100機が運用されていた他、ミャンマー・パキスタン・アルバニア・バングラデシュ・北朝鮮・スーダンに輸出されている。
中国、パキスタン、アルバニアの機体は現在は退役している。

スペックデータ(Q-5D)

乗員1名
全長15.65m(機首プローブ含む)
全高4.33m
翼幅9.68m
翼面積27.95
空虚重量6,375kg
総重量9,486kg
最大離陸重量11,830kg
最大兵装搭載量2,000kg
エンジンLiming 渦噴6A型(WP-6A/RD-9B改ターボジェット×1基
推力29.42kN(ドライ
36.78kN(A/B使用時)
燃料搭載量3,648リットル(機内)+760リットル/400リットル(増槽)×2基
最大速度
(水平/限界)
マッハ1.12/マッハ1.5
航続距離2,000km
戦闘行動半径400km(Lo-Lo-Lo、最大ペイロード)/600km(Hi-Lo-Hi)
実用上昇限度16,500m
上昇率103m/s
翼面荷重423.3kg/
固定武装23K型23mm機関砲*3×2門(装弾数各100発)
ハードポイント10箇所(胴体下×4、主翼下×6)
AAM霹靂2(PL-2)霹靂5(PL-5)霹靂7(PL-7)
AGM/ASMKh-29(AS-14「ケッジ」)
爆弾/ロケット弾50kg/150kg/250kg/500kg通常爆弾
雷霆2型(LT-2)レーザー誘導爆弾
BL755クラスター爆弾
マトラ デュランダル対滑走路爆弾
57mm/90mm/130mmロケット弾ポッド
その他増槽各種(400L、760L、1,100L)

派生型

  • 強撃5型(Q-5):
    初期生産型。
    胴体内に爆弾倉を搭載し、250/500kg爆弾を2発搭載可能。退役済み。

  • 強撃5型 戦闘機型(代号:藍天):
    機体を軽量化して機首に645型火器管制レーダーを搭載、照準器を殲撃6型と同じものに変更する全天候戦闘機型の案。
    武装として霹靂2AAMを2発搭載。
    645型レーダーを搭載した殲撃6新甲の開発により計画のみ。

  • 強撃5型 317甲型レーダー試験機:
    レーダーテストベッド機。試作のみ。
    Q-5基本型の機首に317甲/317A型火器管制レーダーを搭載。

  • 強撃5型 レーザー測距試験機:
    レーザー測距システムの開発テストベッド機。試作のみ。
    1982年末まで各種試験を実施。

  • 強撃5型 複合材料構造試験機:
    南昌が自社機として保有していたQ-5(144号機)を改造したもの。
    航空機への複合材使用の技術実証機として運用。

  • 強撃5ACT(Q-5ACT):
    フライバイワイヤー技術実証機。J-8ACTが採用されたため提案のみ。

  • 強撃5型 エンジン換装型:
    エンジンをWP-13ターボジェット×1基、もしくは英仏共同開発の「アドーア?ターボファン×2基に換装する案。計画のみ。

  • 強撃5型甲(Q-5Jia):
    核搭載型。胴体内部の半埋め込み式爆弾倉に「狂飆1(KB-1)」戦術核一発を搭載。
    317型"Jia"レーダーを搭載。退役済み。
    北京の航空博物館に展示されている。

  • 強撃5型乙(Q-5Yi):
    魚雷2発を装備できる海軍向け雷撃機型。試作のみ。
    対艦レーダーを搭載するため、機首のレドームが下向きの物に変更されている。

    • ASM搭載型:
      Q-5Yiをベースとして空対艦ミサイル搭載機に発展させる開発案。
      YJ-8空対艦ミサイルを搭載予定だった。

  • 強撃5儀拭Q-5/Q-5A):
    乙型の改良型で正式量産型。
    燃料搭載量を増加させるために爆弾倉を閉鎖して燃料タンクとし、主翼下にハードポイントを2箇所増設している。
    79Y4型レーザーレンジファインダーを搭載。
    退役済み。

    • 強撃5儀 ドップラー航法試験機:
      Q-5気鬟戞璽垢砲靴織疋奪廛蕁執卷〜置試験機。205型ドップラー航法装置を搭載。

    • 強撃5儀 火器管制装置試験機(CC工程):
      Q-5気鬟戞璽垢砲靴寝亟鏨廟装置試験機。
      殲轟7の火器管制システム開発のテストベッド機として運用。

  • 強撃5A型(Q-5A/Q-5B):
    強撃5Iの近代化改修型。
    後方警戒レーダーフレアディスペンサーを装備し、主翼下のハードポイントが4箇所になった。

  • 強撃5祁拭Q-5掘法
    輸出型。輸出名称A-5/A-5C。

  • 強撃5恐/強撃5K型(Q-5Gai/Q-5K/Q-5E(旧)):
    強撃5兇硫修型。フランスとの共同プロジェクト。
    フランス・トムソン-CFS製のアビオニクス*4を搭載した。
    天安門事件後にキャンセルされたため試作のみ。

  • 強撃5厳拭Q-5/Q-5M/Q-5D(旧)):
    強撃5兇硫修型。イタリアとの共同プロジェクト。
    イタリアのAMXのアビオニクスを搭載した。
    天安門事件後にキャンセルされたため試作のみ。

    • 強撃5厳 空中受油プローブ搭載型:
      Q-5M開発時に立案された、機首左側にJ-8Dに類似した空中受油用プローブを装着して航続距離の延伸を図ったもの。

  • Q-5D(C):
    Q-5D(旧)の複合材料デモンストレーター。

  • 強撃5D型(Q-5D):
    C型を発展させた全天候攻撃型。
    DG-1統合ドップラー航法/GPSシステムやALR-1レーザー距離計、QHK-10ヘッドアップディスプレイを搭載。

  • 強撃5E/F型(Q-5E/F):
    雷霆2型(LT-2)レーザー誘導爆弾の運用及び目標照射用のレーザー捜索/照準ポッドを装備する型。
    E型はLT-2レーザー誘導弾2発を搭載し、F型は目標照射用のレーザー捜索/照準ポッドを搭載し、E型が投下した爆弾に対して目標指示を行う。

  • 強撃5G型(Q-5G):
    E型の胴体下部に固定式の増加燃料タンクを搭載する型。

  • 強偵5型(QZ-5):
    偵察機型。J-6の偵察機型JZ-6との差別化が出来ず開発中止。

  • 強電5型(QD-5):
    Q-5気鬟戞璽垢砲靴電子戦機型。
    主翼パイロン電子戦ポッド、胴体内部にチャフフレア発射装置を搭載するなどの改造が施された。

  • 強教5型(QJ-5):
    J-5の複座型JJ-5の代替として開発された複座練習機型。
    殲教6型(JJ-6)への一本化が決まり1968年に開発中止。

  • 強撃5J型(Q-5J):
    殲教6型(JJ-6)の代替として開発された複座練習機型。
    ミャンマーでも運用されている。

  • 強撃5L型(Q-5L):
    Q-5Cのアップグレード型。
    前方胴体にレーザー受光追跡装置を内蔵し、胴体下に外装式の赤外線前方監視目標指示ポッドを搭載する。
    また、ヘッドアップディスプレイGPSINSTACAN、およびチャフ/フレアディスペンサーを装備する。
    単独でレーザー誘導爆弾を運用することが可能となった。

  • 強撃5N型(Q-5N):
    Q-5DにQ-5L相当の改修を施した型。レーザー誘導爆弾が運用可能となっている。

  • ステルス技術実証機型:
    ステルス機開発に必要な要素研究機として計画。計画のみ。

  • 強撃5(KLJ-7PD搭載型):
    KLJ-7PDパルスドップラーレーダーを搭載し、翼端にAAM用パイロンが追加され、霹靂12の運用が可能になった型。開発状況は不明。

  • 輸出型
    • A-5:
      Q-5の北朝鮮向け輸出型。

    • A-5A:
      Q-5兇離后璽瀬鷂け輸出型。

    • A-5K:
      Q-5靴離潺礇鵐沺叱け輸出型。

    • A-5/A-5C:
      Q-5気鬟戞璽垢棒沼Ε▲咼ニクスを搭載した輸出型。
      ロックウェル・コリンズ製の飛行計器やマーチンベイカーMk.10射出座席の装備、R-550/AIM-9AAM運用能力が付与された。
      パキスタンに輸出された。

      • A-5A/A-5C:
        バングラデシュ向け輸出型。

    • A-5/A-5M:
      Q-5Mの輸出型。A-5Cと同様に西側製アビオニクスを搭載する。


*1 Fantan(番攤):中国のカジノゲームの一種。
*2 China Nanchang Aircraft Manufacturing Company.
*3 NR-23 23mm機関砲を中国北方工業公司(Norinco)でライセンス生産した型。
*4 VE110ヘッドアップディスプレイ、UILS91慣性航法システム、TMV630レーザー距離計など。

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