Last-modified: 2020-07-30 (木) 18:31:02 (84d)

【機内食】(きないしょく)

航空機の機内で食する事を念頭に置いて調理された食事。
通常は旅客機の乗客向けに配慮されたものを指し、軍用の戦闘糧食などは含まない。

乗客は私物の食品を機内で食べる場合があるが、これも機内食には含まれない。

乗客向けではあるが、乗員デッドヘッドも機内で食べるなら乗客と同じ機内食を摂るのが普通。
ただし、食中毒事故の懸念から機長副操縦士が同じメニューを摂る事・同じ時間帯に食事する事は厳禁とされる。
乗客も年齢・宗教・思想・医療などの理由から食事に配慮が必要な事例が多いため、事前に申し込めば特別食も用意される。

国際航空運送協会(IATA)では、一定時間以上の飛行では要望に応じて機内食を提供しなければならないと定めている。
いつ提供するかは航空会社の裁量だが、近距離便では離陸後1時間以内、中長距離便では離陸後2時間以内がおおむねの目安。
長距離便では到着2時間前を目安に2回目の機内食を提供する場合が多い。
これは人間の生理的リズムに配慮しているとは言いがたく、医学上あまり推奨されないような時間帯に配膳される事も多い。

IATA管轄外の国内線や格安航空会社に機内食の規定はなく、有料サービス扱いになるか、そもそも機内食を積み込まない。

調理

通常、空港敷地内か近辺の食品加工場で調理され、冷蔵した状態で機内に積み込まれる。
提供する直前に加熱調理を行うのが通例で、加熱方法には以下のようなものがある。

スチームオーブン
150℃程度の過熱水蒸気で加熱するもので、航空機内の加熱調理器において最も一般的な方式。
狭い設置容積で多くの食品を同時に扱えるため、乗客全員分の機内食を一度に温める用途に適する。
電熱調理器
個々の配膳用の皿の下に薄い加熱機が組み込まれていて、電線を繋げて加熱する。
非常に軽量かつ簡便だが、小さく華奢な電機製品を大量に取り扱うため、軽微な不具合が高い頻度で発生する。
電子レンジ
電磁波漏洩や火災の危険性があるため、安全対策を施した専用の機材が用いられる。
多くの食品を一度に取り扱うには不向きで、ファーストクラス政府専用機、あるいは乗員の賄いに使うのが一般的。
ただし、乗員の私的利用を禁じている航空会社もある(航行中に私物を温めて爆発事故を起こした事例がある)。

機内調理は客室乗務員の職分だが、貨物機では手の空いている乗員が適宜行う。

品質

メニューは出発地の食文化に沿うが、気圧が味覚に影響を与える関係で一般的なレシピより味付けが濃い傾向にある。
また、座席の等級によって内容が異なるのが普通で、階級格差についても出発地の文化を反映している事が多い。

品質については、おおむね「地上で普段食べている食事と遜色ない」が褒め言葉になるような水準とされる。
もちろんこの基準も出発地の食文化と、座席グレードから推定される社会的階級によって差異がある。
ファーストクラスビジネスクラスではレストランが比較対象になるし、エコノミークラスではデリカテッセンと比較される。
また、エコノミークラスではスーパーで売られているようなパック入りの既製品がそのまま出てくる事も珍しくない。


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