Last-modified: 2022-01-29 (土) 06:01:42 (604d)
【回転式拳銃】 †
Revolver*1.
銃身に5つ〜8つの筒を束ねた蓮根のような部品を取り付け、その筒に1発ずつ弾薬を装填する銃。
この蓮根状の部品全体を「シリンダー」、個々の筒を「薬室(チェンバー)」と呼ぶ。
「回転式拳銃」という用語はさほど一般的ではない。
報道などでは「回転弾倉式拳銃」「拳銃」「リボルバー」などとまちまちに表現される。
半自動式拳銃と比較した場合、以下の利点と欠点がある。
- 利点
- 構造が単純なため頑丈で信頼性が高い。
強度の向上が容易なので、とことん強力な弾薬に対応させることもできる。 - 不発が発生しても引き金をもう一度引くだけで次弾を発射できる。
- 発射に伴う機械的な動作が少ないため銃身が揺れにくく、微妙に精度が高い。
- 構造が単純なため頑丈で信頼性が高い。
- 欠点
元々は火縄銃のように銃口から火薬と弾丸を装填していた時代、機構の改良案として考案された。
基本的な構造は1836年にサミュエル・コルトが発表した「コルト・パターソンM1836」に準ずる。
商用としては1857年の「S&WモデルNo.1」で蓮根状のシリンダーに金属薬莢を装填する基本設計が完成した*4。
それ以前の最初期には銃身ごと束ねたもの、撃鉄とシリンダーを別々に操作するものなどもあった。
その後ダブルアクションなどの改良を経て、第一次世界大戦ごろまで軍用拳銃として採用されていた。
しかし、半自動式拳銃の登場とともにまず軍隊から姿を消し、冷戦時代以降はテロリズム・凶悪犯罪の増加に伴い、法執行機関からも徐々に姿を消している。
ただし、堅牢な信頼性と、複雑な整備を必要としない点で一定の需要を保っている。
主な用途は銃規制の強い社会での警察用*5、民間人の護身用、特殊部隊の副兵装などである。
関連:シングルアクション ダブルアクション ロシアンルーレット
主な回転式拳銃 †
- S&W? M10「ミリタリー&ポリス」
- S&W M19「コンバットマグナム」
- S&W M28「ハイウェイパトロールマン」
- S&W M29
- S&W M36「チーフ・スペシャル」
- S&W M500
- S&W M686
- エンフィールド・リボルバー
- コルト M1848「ドラグーン」
- コルトM1851
- コルトM1877「ライトニング」
- コルトM1892
- U.S.M1917
- コルト シングル・アクション・アーミー(ピースメーカー)
- コルト ニューサービス
- コルト アナコンダ
- コルト キングコブラ
- コルト ディテクティブスペシャル
- コルト パイソン
- コルト ローマン
- コルト トルーパー
- スイス・アーミーM1882
- スタームルガー セキュリティシックス
- スタームルガー ブラックホーク
- スタームルガー レッドホーク
- トーラス レイジングブル
- ナガンM1895
- ニューナンブM60
- Pfeifer Zeliska
- マテバ 6 ウニカ
- マニューリン MR 73
- モーゼルC78
- モーゼルM1878 Zig-Zag
- レ・マット・リボルバー
- レミントン・ニューモデルアーミー
- 桑原製軽便拳銃
- 二十六年式拳銃
*1 この語自体が回転式拳銃としての総体を表すので、「リボルバーピストル」「リボルバーハンドガン」等の表記は誤り。
また、回転式拳銃はピストルではない。
*2 シリンダーだけが横に飛び出す弾倉振出式(スウィングアウト)と、銃身後部に蝶番を付けてグリップごと折り曲げる中折れ式(トップブレイク)がある。
*3 近年ではクリップやスピードローダーでまとめて装填する方式が発明され、所要時間は短くなった。
*4 現代でも回転式拳銃のメーカーと言えばコルトとS&Wが筆頭に挙げられる。
*5 かつて、日本の一般的な外勤警官は国産の「ニューナンブM60」を貸与されていた。