Last-modified: 2023-02-28 (火) 07:34:13 (279d)
【液冷エンジン】 †
内燃機関の分類のひとつ。
レシプロエンジンやロータリーエンジンのうち、冷却機構に液体を用いるもの。
水に不凍液などを添加して用いる「水冷式」と、粘度の低い油脂を用いる「油冷式」に細分される事もある。
燃焼室の周囲に空間を設け、冷却液を循環させる事で冷却を行う。
熱を吸収した冷却液は熱交換器(ラジエーター)で冷却され、再び循環する。
空冷エンジンと比べて小型化が容易で、気圧や気温の影響を受けにくく、運用の安定性に優れる。
反面、液体を密封する必要性から冷却機構が複雑になり、平均故障間隔が短く、空冷エンジンよりも綿密な整備を必要とする。
加えて、配管が破損して液体が漏出すると冷却が滞り、過熱による損壊や火災を誘発する。
この性質のため、民生用には広く使われるが、軍用では損傷が予期されるため使われにくい。
20世紀前半の航空機では小型化・抗力軽減のために盛んに用いられたが、ジェットエンジンの普及と共に廃れていった。
関連:空冷エンジン