Last-modified: 2022-10-13 (木) 17:18:49 (417d)
【運動性】 †
motility
加速・減速・旋回などの急激な運動を行う能力。
基本的には生体・機体の構造的な耐久性に強く依存する。
あらゆる運動はエネルギーを必要とするため、エンジンや筋肉の限界は運動性の限界に直結する。
とはいえ、エンジンだけ強力であっても点火直後に爆発四散するようでは意味がない。
高い運動性を確保するためには、その運動で生じる急激な負荷に耐えられる構造強度が必須となる。
工学的工夫の限界に達すると、構造強度は最終的に構造材の厚さに依存するようになる。
幾何学上の単純計算では、構造材の厚さをn倍にすると重量はnの3乗倍になるため、構造強度には実用上の限界が存在する。
運動は必ず慣性のGによる負荷を伴い、それは自重と出力に応じて増大する。
従って、急加速・急停止・急旋回は自重が重いほど、またベクトルの変化が著しいほど困難になる。
構造強度には重量制限に由来する限界が存在するため、運動性にも原理的に実現可能な限界点が存在する。
また、負荷は局所的なねじれ・たわみとして蓄積されるため、運動量が同じでも物体の構造や向きによって耐久限界が異なる。
たとえば、現行の戦闘機は一般に7〜8のプラスGがかかる急旋回にも耐えられるが、マイナスG方向では3〜4程度でも構造が損壊する事がある。
これは飛行機にかかるGがパイロットの耐えやすいプラス方向のものとなることを想定しており、過大なマイナスGがかかるような操作はほとんど想定されていない事による。