Last-modified: 2016-10-21 (金) 12:11:18 (336d)

【一〇〇式司令部偵察機】(ひゃくしきしれいぶていさつき)

1930〜1940年代に三菱重工業が開発・生産し、大日本帝国陸軍航空隊に納入された双発レシプロ高速偵察機
陸軍での型式呼称は「キ46」、連合国軍でのコードネームは「Dinah(ダイナ)」であった。

陸軍内部では「一〇〇偵」「一〇〇式司偵」「新司偵」「一〇〇司」「ヨンロク」という名称で呼ばれていた。

本機は、前作・九七式司令部偵察機の設計コンセプトであった「戦闘機よりも高い速度性能と長い航続距離を生かして単機敵地上空奥深くへ侵入、敵情を収集する」をさらに進化させる形で開発された。
そのため、胴体は細身で流線形に仕上げられ、エンジンナセルも空気力学に基づいて設計された。
これらにより、敵の迎撃戦闘機を振り切れる高速性、優秀な高高度性能及び上昇限度、多大な航続距離を得ることができ、大東亜戦争の終戦まで各戦線の偵察任務に投入され、多くの有益な情報を持ち帰って作戦遂行に貢献した。

当時、連合国軍では本機の独特なスタイルと任務から、コードネームとは別に「ビルマの通り魔」「空の百合」「写真屋のジョー」「地獄の天使」などとも呼んでいた。

また、戦争末期にはB-29による日本本土空襲に対応するため、本機をベースに、機首や機体上部に機関砲を備えた迎撃戦闘機も作られた他、ごく少数が特攻機としても用いられた。

本機は陸軍の他、(陸上基地から展開する優秀な偵察機を持っていなかった*1)海軍でも使用された*2

スペックデータ

形式二型
(キ46-II)
三型
(キ46-III)
乗員2名(操縦者1名・偵察者1名)
全長11.00m
全高3.88m
全幅14.70m
翼面積32.0
自重3,263kg3,831kg
全備重量5,050kg5,720kg
発動機ハ102空冷複列星型14気筒×2基ハ112-II空冷複列星型14気筒×2基
最高速度604km/h(高度5,800m)630km/h(高度6,000m)
航続距離2,474km4,000km(落下タンク装備)
上昇限度10,720m10,500m
上昇力11分58秒(高度8,000m)20分15秒(高度8,000m)
武装テ4 7.7mm旋回機関銃×1挺無し
写真機一〇〇式大航空写真機
九六式小航空写真機
一〇〇式小航空写真機
一号自動航空写真機
無線機九九式飛二号無線機(中距離用)/九九式飛一号無線機(長距離用)


バリエーション

  • 一型(キ46-I):
    初期生産型。
    エンジンは三菱ハ26-I(公称871hp)を搭載。

  • 二型(キ46-II):
    性能向上型。最高速度は604km/h(高度5,800m)。
    エンジンは三菱ハ102(公称1,055hp)を搭載。

  • 二型改(キ46-II改):
    操縦席後方に教官席を追加改造した航法・無線練習機型。

  • 三型甲(キ46-III甲):
    三菱ハ112-II(公称1350hp)発動機搭載の改良型。
    増設燃料タンクや落下タンクを装備し航続距離を拡大、さらに段なし風防を採用して完全な流線型にした。
    最大速度は630km/h(高度6,000m)を、さらに推力式単排気管への換装で約642km/hを記録した。

    • 三型乙(キ46-III乙):
      機首にホ5 二式二十粍固定機関砲を2門装備したもの。

    • 三型乙+丙(キ46-III乙+丙):
      機体背面にホ204 37mm機関砲を上向き砲として搭載したもの。

  • 四型(キ46-IV):
    エンジンをハ112-IIル(ターボチャージャー付、公称1,350hp)に換装した高々度性能向上型。
    終戦により試作のみ。


*1 日本海軍では長い間、水上機飛行艇偵察機として用いていた他、艦上攻撃機陸上攻撃機偵察機の役目を兼務させていた。
 (一方のアメリカ海軍では、急降下爆撃機にも偵察機の役目を兼務させていた)

*2 本機を装備した陸軍部隊を「一時的に指揮下に組み入れる」形で用いることが多かったが、第151海軍航空隊では陸軍から本機の供給を正式に受けて用いていた。

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