Last-modified: 2023-01-09 (月) 09:42:08 (262d)
【ヴァンガード1号】 †
Vanguard 1.
1958年、アメリカ海軍が打ち上げた実験用人工衛星*1。
(軌道投入に成功したものとしては)世界で4機目の人工衛星であり、また、電源に太陽電池パネルを使用した初の衛星でもあった。
アメリカが打ち上げ、軌道投入に成功した衛星としては2機目*2になる。
また、1964年に地上との通信が途絶するまで交信が続けられ、その後もスペースデブリとして衛星軌道上にとどまり続けており*3、現在では、人類が打ち上げた人工天体の中で「現存する最古のもの」となっている*4。
当初の計算では2,000年間軌道周回が可能と見積もられていたが、太陽の輻射圧の影響で大きな抗力が発生し、現在では減衰するまで約240年と計算されている。
スペックデータ †
打ち上げ機 | ヴァンガードロケット |
国際衛星識別符号 (COSPAR ID) | 1958-002B |
重量 | 1.47kg |
直径 | 152mm |
アンテナ幅 | 0.91m |
軌道要素 | |
軌道長半径 | 8,689.7km |
離心率 | 0.1909 |
軌道傾斜角 | 34.25° |
遠点高度 | 3,969km |
近点高度 | 654km |
軌道周期 | 134.2分 |
*1 当時、アメリカ合衆国の宇宙機関となるNASAは存在しておらず、アメリカにおける人工衛星の打ち上げは陸軍・海軍・空軍が個別に行っていた。
*2 1機目は陸軍弾道ミサイル局が打ち上げた「エクスプローラー1号」である。
*3 本機の軌道を解析することにより、地球が完全な回転楕円体ではなく、南北で非対称な形状をしていることなどが明らかになっている。
*4 これ以前に打ち上げられた「スプートニク1号?」や「エクスプローラー1号」などはすでに消滅している。