Last-modified: 2017-04-04 (火) 21:17:10 (139d)

【ワスプ】(わすぷ)

Wasp(スズメバチの意)*1
この名前はイギリス海軍やアメリカ海軍艦艇名などに度々用いられている。

  1. CV-7 USS Wasp
    アメリカ海軍航空母艦
    ヨークタウン級の建造途中、ワシントン海軍軍縮条約に定められた制限トン数の余り枠を「使い切る」ために建造された。
    このためヨークタウン級を縮小するという特殊な形で設計されており、同型艦は存在しない。
    基準排水量は14,700トン。『レンジャー(CV-4)』と同様の小型空母となったが、ヨークタウン級の設計を反映させたため、排水量の割に実用性の高い艦となった。
    1940年に就役後、当初は大西洋に配備され、イギリス空軍スピットファイアを前線へ輸送するなどの任務に従事した。
    1942年には、ミッドウェー海戦で失われた『ヨークタウン』の穴を埋めるため、太平洋へ転戦。ガダルカナル島上陸の支援などに参加する。
    しかし、9月15日の第二次ソロモン海戦において伊15型?潜水艦『伊19』の魚雷6本を受け、内3本が命中する*2*3
    軽量化のための装甲削減も相まって、艦載機が搭載していた爆弾や航空ガソリンに引火し、大爆発を起こした。
    火災で手の付けられなくなった本艦は、グリーブス級?駆逐艦「ランズダウン(DD-486)」の雷撃により自沈処理された。

    性能諸元
    排水量
    基準/満載
    14,700t/19,166t
    全長219.5m
    水線長210.3m
    全幅30.5m
    水線幅24.6m
    吃水
    (基準/満載)
    6.1m/7.08m
    飛行甲板225.9m×33.2m
    主缶ヤーロウ式重油専焼水管缶×6基
    主機パーソンズ式ギヤードタービン×2基 2軸推進
    出力70,000hp
    最大速29.5ノット
    燃料搭載量重油:1,602t
    乗員士官・兵員2,367名
    兵装Mk.12 38口径5インチ(127mm)単装高角砲×8基
    Mk.2 75口径1.1インチ(28mm)単装機銃×4基(1942年:16基)
    ボフォース 56口径4cm単装機銃×4基(1942年)
    エリコン 76口径20mm単装機銃×32基(1942年)
    90口径12.7mm単装機銃×16基(1942年)
    搭載機76機
    装備エレベーター×3基
    カタパルト×4基(飛行甲板×2基、格納庫×2基)
    装甲舷側:87mm(水線部)
    飛行甲板:32mm(最厚部)

    同型艦
    艦番号艦名主造船所起工進水就役除籍その後
    CV-7ワスプ
    (USS Wasp)
    フロント・リバー造船所1936.4.11939.4.41940.4.251942.9.151942.9.15戦没

  2. CV-18 USS Wasp
    エセックス航空母艦の10番艦*4
    当初は『オリスカニー』の名が与えられる予定だったが*5、撃沈されたCV-7から襲名した。
    太平洋戦争末期の日本空襲に従事する中、日本機の爆弾飛行甲板を貫通し、格納庫で爆発した。
    しかし引火・誘爆を免れたため、修理の後に復帰。戦後は攻撃空母対潜空母に艦種変更された。
    1972年に除籍され、スクラップとして売却された。

  3. LHD-1 USS Wasp
    タラワ級の後継となる、アメリカ海軍の多目的強襲揚陸艦
    タラワ級をベースにしているが、当初からLCAC-1級エアクッション揚陸艇の運用を主眼に置いており、ウェルドックに3隻のLCACを収納することができる。
    武装はRIM-7「シースパロー」RIM-116「RAM」艦対空ミサイルの他、ファランクスやM242「ブッシュマスター」25mm単装機銃及びブローニングM2 12.7mm機関銃を装備する。
    機関は蒸気タービン2基2軸だが、8番艦の「マキン・アイランド」のみガスタービンに変更されている。

    後継として、「マキン・アイランド」の設計をベースに、航空運用機能を増強した「アメリカ」級が建造中で、1番艦「アメリカ」が2014年に就役した。

    スペックデータ
    主造船所リットン・インガルズ造船所
    排水量
    基準/満載
    28,223t〜/40,650t〜41,335t
    全長257.3m
    全幅42.7m
    吃水8.0m
    機関LHD-1〜LHD-7:
    ウェスティングハウス式蒸気タービン(70,000shp)×2基2軸推進

    LHD-8:
    CODLOG方式 2軸推進
    高速航行時:
    GE LM2500ガスタービン(35,000hp)×2基
    低速航行時:
    フェアバンクスME製ディーゼル発電機(4,000kw)×6基、補助電動機(5,000hp)×2基
    最大速力22ノット
    乗員士官:104名
    曹士:1,004名(他に海兵隊員約1,894名)
    兵装Mk.29 8連装ミサイル発射機×2基(シースパロー用)
    Mk.49 21連装ミサイル発射機×2基(RIM-116 RAM用)
    Mk.15 20mmCIWS×3基
    Mk.38 25mm機関砲?×3基
    M2 12.7mm単装機銃×4〜8基
    C4IシステムGCCS*6+AN/USQ-119(v)14 GCCS-M+ITAWDS(TDS+リンク11/14
    SSDS*7 Mk.2 Mod.3+Mk.91 FCS
    レーダーAN/SPS-48 3次元対空捜索レーダー×1基
    AN/SPS-49 2次元対空捜索レーダー×1基
    Mk.23 TAS 低空警戒レーダー×1基
    AN/SPS-67対水上捜索レーダー×1基
    AN/SPS-43 着艦管制用レーダー×1基
    AN/SPS-35 管制用レーダー×1基
    AN/URN-25 TACAN×1基
    AN/UPX-24 IFF装置×1基
    電子戦
    ・対抗手段
    AN/SLQ-32(V)3 統合電子戦装置
    AN/SLQ-25「ニクシー」対魚雷囮装置
    AN/SLQ-49 対レーダー囮装置
    Mk.137 SRBOC チャフフレア展開装置×6基
    艦載機各種ヘリコプター×30機
    通常時:AH-1W×4機、UH-1N×4機、CH-46/MV-22×12機、CH-53E×9機
    空中強襲時:CH-46/MV-22×42機
    制海任務時:MH-60R×6機
    ハリアーII×6機(地上支援・制海任務時:最大20機)
    搭載能力上陸用にLCAC×3隻、海兵隊遠征部隊 1個大隊(1,894名)を始め
    M1A1×5輛
    M2歩兵戦闘車AAV7?水陸両用装甲車・LAV-25装輪装甲車×25輛
    ハンヴィー
    M198? 155mm榴弾砲×8門
    各種トラック・補給車及び支援車輛×90両を搭載可能。

    同型艦
    艦番号艦名起工進水就役退役母港
    LHD-1ワスプ
    (USS Wasp)
    1985.5.301987.8.41989.7.29ノーフォーク
    (バージニア州)
    LHD-2エセックス
    (USS Essex)
    1989.3.201991.2.231992.10.17サンディエゴ
    (カリフォルニア州)
    LHD-3キアサージ
    (USS Kearsarg)
    1990.2.61992.3.261993.10.16ノーフォーク
    (バージニア州)
    LHD-4ボクサー
    (USS Boxer)
    1991.4.181993.8.131995.2.11サンディエゴ
    (カリフォルニア州)
    LHD-5バターン
    (USS Bataan)
    1994.6.221996.3.151997.9.20サンディエゴ
    (カリフォルニア州)
    LHD-6ボノム・リシャール
    (USS Bon Homme Richard)
    1995.4.181997.3.141998.8.15佐世保
    LHD-7イオージマ
    (USS Iwo Jima)
    1997.12.122001.3.252001.6.30ノーフォーク
    (バージニア州)
    LHD-8マキン・アイランド
    (USS Makin Island)
    2004.2.142006.10.222009.10.24サンディエゴ
    (カリフォルニア州)

  4. P&W R-1340"Wasp"
    アメリカのプラット&ホイットニーで開発・製造された航空機用空冷星型エンジン。
    詳しくはR-1340の項を参照。

  5. Westland Wasp
    イギリスのウェストランド(現アグスタウェストランド)が開発した対潜ヘリコプター
    同社のスカウトは兄弟機種で、ともにイギリス最初期のターボシャフト式ヘリコプターにあたる。
    小型ながら誘導魚雷2本を携行することができたが、対潜捜索装備はなく、ハンターキラーのキラー役として運用された。
    133機が生産され、イギリス海軍のほか、ブラジル、オランダ、インドネシア、マレーシア、ニュージーランド、南アフリカにも輸出された。

    スペックデータ
    乗員2名+兵員4名
    全長12.30m
    全高2.72m
    全幅9.83m
    円板面積75.9
    主ローター直径9.83m
    空虚重量1,569kg
    最大離陸重量2,500kg
    発動機ロールス・ロイス? ニンバス103ターボシャフト×1基(710shp)
    巡航速度177km/h
    航続距離488km
    実用上昇限度3,720m
    上昇率7.3m/s
    武装Mk44対潜魚雷×1発またはMk46対潜魚雷×2発
    WE177戦術核爆弾またはMk44爆雷×2発
    SS.11対戦車ミサイル×4発(後にAS.12対艦ミサイル×2発に更新)
    7.62mm機銃など

    【派生型】
    • P.531:
      試作機。

    • シースカウト HAS.1:
      イギリス海軍向け生産型。

    • ワスプ HAS.1:
      対潜哨戒機型。


*1 全て大文字で標記した場合は、アメリカ大陸へのヨーロッパ大陸からの初期移民者の中心層であった「白人・アングロサクソン・プロテスタント」の略となる。
*2 さらに、命中しなかった魚雷3本のうち2本は偶然にも10km先を航行していた戦艦「ノースカロライナ?」とシムス級?駆逐艦「オブライエン(DD-415)」に1本づつ命中し、両艦を大破させた。
*3 特に「オブライエン」は損傷が酷く(隔壁が破損し、船体にクラックが発生していた)、現地にて応急修理が行われた後、本格的な修理を行うためサンフランシスコへ向かう途中に沈没している。
*4 タイコンデロガ級を除いた場合は8番艦となる。
*5 この艦名は後に「CV-34」へ与えられている。
*6 The Global Command and Control System:汎地球指揮統制システム
*7 Ship Self-Defence System:艦艇自衛システム

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