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【レキシントン】 †
Lexington.
アメリカ合衆国に多数存在する地名。
特にマサチューセッツ州の、アメリカ独立戦争の火蓋を切った「レキシントンの戦い」が行なわれた地が知られる。
- CC-1 USS Lexington
アメリカ海軍が第一次世界大戦後の1910年代末期、「三年計画(ダニエルズ・プラン)」に基づいて計画した巡洋戦艦。
同型艦に「コンステレーション(CC-2)」「サラトガ(CC-3)」「レンジャー(CC-4)」「コンスティチューション(CC-5)」「ユナイテッド・ステーツ(CC-6)」の5隻があった。
1923年、ワシントン海軍軍縮条約の発効により巡洋戦艦として保有できなくなり、3番艦の「サラトガ」と共に後述の航空母艦へ改装された。
なお、残りの4隻はそのまま廃棄された。
本艦型がキャンセルとなった後、米海軍は巡洋戦艦を造らなかったため、米海軍初にして最後の巡洋戦艦となった。
スペックデータ 常備排水量? 43,500t 全長 266.5m 全幅 32.2m 喫水 9.1m 推進方式 蒸気ターボエレクトリック方式(出力180,000hp(130,000kW)) 機関 水管式ボイラー×16缶
電動機×2基(出力22,500shp(16,800kW))電源 GE製タービン発電機×4基(出力47,200shp(35,200kW))
直流ターボ発電機×6基(出力1,010hp(750kW))推進器 スクリュープロペラ×4軸(直径4.5m) 最大速力 33.3ノット 航続距離 10ノット/12,000海里 乗員 1,297名 兵装 Mk.2 50口径16インチ(40.6cm)連装砲×4基
Mk.13 53口径15.2cm単装砲×14基
Mk.11 23口径7.6cm単装高角砲×4基(後に8基)
21インチ(533mm)魚雷発射管×8門装甲 水線:178mm
甲板:64mm
バーベット部:130〜230mm
砲塔前盾:280mm
司令塔:305mm
同型艦 艦番号 艦名 起工 建造中止 備考 CC-1 レキシントン 1921.1.8 - 航空母艦に転用 CC-2 コンステレーション 1920.8. 1923.8. 廃棄 CC-3 サラトガ 1920.9.25 - 航空母艦に転用 CC-4 レンジャー 1921.6. 1923.8. 廃棄 CC-5 コンステイチュション 1920.9. CC-6 ユナイテッド・ステーツ - CV-2 USS Lexington
アメリカ海軍が『ラングレー(CV-1)?』に引き続き建造した航空母艦。
同型艦に「サラトガ(CV-3/旧CC-3)」がある。
上記1.の通り、当初は巡洋戦艦(CC-1/CC-3)として建造が開始されたが、ワシントン海軍軍縮条約の締結により建造が不可能となったため、建造途中で空母に変更された*1。
このため基準排水量約36,000トンと、『ラングレー』を遥かに上回る巨艦となった*2。
巡洋戦艦として起工されたため速度性能が重視され、非常に多数のボイラーと電動機を組み合わせたターボ・エレクトリック機関が採用された。
莫大な排煙を処理するために造られた、艦橋よりも遥かに大きい、巨大な煙突が外観上の特徴になっている。
特殊な経緯で建造されたため本級限りの特徴も多いが、耐波性に優れたエンクローズド・バウ(密閉式艦首)や、大きな上部構造物を飛行甲板右舷側に細長くまとめたアイランドなど、その後のアメリカ空母で標準となる要素も多く確立された。
条約失効後の1936年には飛行甲板の拡張などを施し、更に大型化している。
最終的な満載排水量は実に50,900トンとされており、ミッドウェイ級が登場するまではアメリカ最大級の空母であった。
太平洋戦争の初期には、ヨークタウン級と並び重要な戦力と位置づけられた。
1942年の珊瑚海海戦ではヨークタウンと共同で日本海軍の航空母艦「祥鳳?」を撃沈、「翔鶴」に損害を与えた。
その際、日本機の攻撃で爆弾2発と魚雷2本の直撃を受けたが、一旦はダメージコントロールに成功して持ち直した。
しかしながら艦載機を収容後、航空ガソリンに引火し大爆発を起こしてしまった。
本級はアメリカの空母としては唯一密閉型の格納庫を持っており、被弾によって漏れて気化したガソリンが充満していたのである。
この爆発で大火災が起きて鎮火不可能になり、ポーター型?駆逐艦「フォルプス(USS Felps,DD-360)」の雷撃によって自沈処分された。
一方、同型艦の『サラトガ』はミッドウェー海戦や第二次ソロモン海戦?など、主要な戦いに参加し、度重なる戦闘で幾度も損傷しながら、終戦近くまで戦い抜いた。
しかし、1945年の硫黄島の戦いで特攻機の直撃を受け大破、修理が完了し真珠湾に戻ったころには日本海軍はほぼ壊滅状態であったため、そのまま作戦に復帰せず終戦を迎えた。
その後、アメリカ本土に戻る復員兵の輸送を行った。
1946年には原爆実験「クロスロード作戦?」の標的となり、ビキニ環礁へと沈んだ。
スペックデータ 主造船所 フォアリバー造船株式会社(レキシントン)
ニューヨーク造船株式会社(サラトガ)排水量
(建造/基準/常備/満載/最大)34,067t/36,000t/41,187t/43,054t/47,879t 全長 270.66m 水線長 259.08m 全幅 32.30m 水線幅 32.1m 喫水 7.39m 飛行甲板
(全長/全幅)264m/32.38m 推進方式 ターボエレクトリック方式 主缶 ヤーロウ式罐・重油専燃×16基
ホワイト・フォスター罐・重油専燃×16基(サラトガ)主機 ゼネラルエレクトリック式電気駆動蒸気タービン×4基 発電機 ゼネラルエレクトリック製ターボ発電機×4基
(出力35,200kW(47,200hp))推進器 スクリュープロペラ×4軸(プロペラ直径:4.50m) 出力
(設計/公試)180,000shp/212,702shp(サラトガ(1928年公試時)) 速力
(設計/公試)33.25ノット/34.99ノット(サラトガ(1928年公試時)) 航続距離 10ノット/10,000海里(設計)
11ノット/10,950海里
15ノット/9,490海里乗員 士官、兵員2,122名 武装 55口径8インチ(200mm)連装砲×4基8門
25口径5インチ(130mm)単装高角砲×12門
20mm単装機関砲×22基(サラトガは24基)
12.7mm機関銃×24挺
40mm機関砲×4連装24基(サラトガ)搭載機*3 78機
93機(最大)*4装備 エレベーター×2基
カタパルト×1基装甲 装甲:127〜178mm
甲板:19〜51mm
砲塔:19mm
隔壁:127〜178mm
同型艦 艦番号 艦名 起工 進水 就役 退役 備考 CV-2 レキシントン
(USS Lexington)1921.1.8 1925.10.3 1927.12.14 1942.6.24 1942.5.8
珊瑚海海戦で沈没
(自沈処理)CV-3 サラトガ
(USS Saratoga)1920.9.25 1925.4.7 1927.11.16 1946.8.15 1946.7.25
原爆実験で沈没 - CV-16 USS Lexington
エセックス級航空母艦の8番艦*5。
主造船所はベスレヘム・スチール社。
当初は『カボット』の名前が与えられる予定だったが、戦没したCV-2から襲名することになった*6。
1943年就役、1962年に攻撃空母から練習空母に変更。
1978年には着艦練習艦に変更され、1991年まで現役にとどまった。
現在はテキサス州コーパスクリスティで博物館として公開されている。
*1 同様に戦艦や巡洋戦艦から空母へ変更された艦としては、日本海軍の「赤城」・「加賀」、フランス海軍の「ベアルン?」などが存在する。
*2 条約で許されたトン数は33,000トンであり、これに合わせた改設計がなされたが、実際は制限を大きく上回ってしまったという。
*3 露天駐機を含む。
*4 サラトガ、1942年(VF-2:F4F×26機、VB-3:SBD-3×22機、VS-3:SBD-3×27機、VT-3:TBD-1×18機)補用機及び練習機等の記載は無し。
*5 タイコンデロガ級を除いた場合は6番艦となる。
*6 この艦名は後にCVL-28(インディペンデンス級?。後にスペイン海軍に譲渡される)へ与えられている。