Last-modified: 2016-08-13 (土) 21:07:24 (283d)

【レオパルト2】(れおぱるとつう゛ぉー)

Leopard 2.

ソ連の戦車に対抗するためにレオパルト1の後継として開発されたドイツ陸軍の第三世代主力戦車
アメリカと当時の西ドイツが共同開発していた「MBT-70」計画がコストの増加などで1969年に撤退した後に開発が始まった。

開発は1970年から開始され、1977年から量産が開始された。
主砲はラインメタルL44 120mm滑腔砲のライセンス生産版であるRh120 44口径120mm滑腔砲を搭載し、副武装にはMG3A1 7.62mm機関銃を装備、装甲には第四次中東戦争の戦訓から、複合装甲が採用されている。
ドイツの他、スウェーデンやトルコなど欧州諸国に輸出されているほか、スイスではPz.87としてライセンス生産が行われている。

スペックデータ

乗員4名
全長9.66m
全高2.79m
全幅3.74m
戦闘重量55.15t
懸架方式トーションバー
エンジンMTU MB837Ka-501 4ストロークV型12気筒液冷ターボチャージドディーゼル(出力1,500hp)
登坂力60%
超堤高1.1m
超壕幅3.0m
最大速度72km/h(路上)
行動距離550km
装甲複合装甲
兵装Rh120 45口径120mm滑腔砲×1門(弾数42発)(A5)
55口径120mm滑腔砲(A6)
MG3A1 7.62mm機関銃×2挺(対空・同軸、弾数4,750発)
Ksp58 7.62mm機関銃×2挺(strv.122)
4連装スモークグレネードランチャー×4基

バリエーション

  • レオパルド2AV(Leopard 2 AV):
    原型車両。
    ヒューズ社の射撃管制装置を装備し、主砲に120mm砲を装備した。

  • レオパルド2A0(Leopard 2 A0):
    第1バッチ生産車両。
    1979年末〜1982年3月にかけて380両が生産された。

  • レオパルド2A1(Leopard 2 A1):
    第2〜3バッチ生産車両。
    第2バッチは1982年3月〜1983年11月にかけて450両が、第3バッチは1983年11月〜1984年11月にかけて300両が生産された。
    特徴として、第2バッチは主砲防盾上に熱線暗視装置が装備されたほか、車長用サイトの装甲カバーの形状が角張った形状になり、弾薬収納ラックも改良された事が特徴で、第3バッチでは、車長用キューポラのカバープレートが角張った形状になり、車体袖部のNBC防護装置収納部にカバーが取り付けられた事などが特徴である。

  • レオパルド2A2(Leopard 2 A2):
    第1〜2バッチ生産車両に第3バッチに準じる改良を施したもの。
    改修作業は1984年に開始し、1987年に完了した。

  • レオパルド2A3(Leopard 2 A3):
    第4バッチ生産車両。1984年12月〜1985年12月にかけて300両が生産された。
    デジタル無線機を搭載したほか、排気口カバーの桟が左右水平のものから放射状のものに変更され、砲手用に可変式のチェストサポートが取り付けられた。

  • レオパルド2A4(Leopard 2 A4):
    第5〜8バッチ生産車両。
    生産数は第5バッチは1985年12月〜1987年3月にかけて370両、第6バッチは1988年1月〜1989年5月にかけて150両、第7バッチは1989年5月〜1990年4月にかけて100両、そして第8バッチは1991年1月〜1992年3月にかけて75両である。
    主な変更点は以下の通り。
    • 第5バッチ車両:
      新型の消火システムの導入や、対空機関銃リングの変更、照準機カバーの取り付けなどが行われた。
      また、生産途中から上部支持輪の位置も変更されているほか、後期生産型は砲塔左側面の弾薬補給用ハッチは省略されるようになった。
    • 第6バッチ車両:
      メンテナンス不要の新型バッテリーや新型履帯、クロムや亜鉛を含まない塗料を採用した事などで、後期型では装甲スカート前半の箱型部分の形状が変更されている。
      なお、第7バッチ車両も第6バッチ車両の後期生産型と同様の仕様である。
    • 第8バッチ車両:
      装甲スカートの後半部分が6枚に分割されるようになったほか(初期は元のまま)、砲塔側面の発煙弾発射機のベースプレートの形状が変更された。
      A4以前の車両も改良が行われ、全てA4と同一となっている。

  • レオパルド2A5(Leopard 2 A5):
    A4にKWS*1 IIという改良を行った車両。
    砲塔前面及び側面に隔壁装甲または楔装甲と呼ばれる空間装甲板を付加したほか、射撃統制装置を改良し、車長用ハッチ後方に全周旋回可能な車長用サイトを増設した事によりハンターキラー能力を獲得した。

  • レオパルド2A6(Leopard 2 A6):
    A5にKWS Iという改良を行った車両。
    主砲をA5までに搭載されていた44口径120mm滑腔砲から55口径120mm滑腔砲に換装し、専用のAPFSDS弾であるDM53(LKE II)を使用*2する事により有効射程が向上した。
    ただし、長くなった砲身がアンバランスで、取り回しづらいという意見もある。

  • レオパルド2A6M(Leopard 2 A6M):
    A6の車体底面に対地雷用の装甲プレートを装着した地雷防御強化型。

  • レオパルド2A6EX(Leopard 2 A6EX):
    A6の車体前面及び砲塔上面に装甲を追加する事で防御力を強化し、空調システムも改善させた装甲防御強化型。

  • レオパルト2A7+(Leopard 2 A7plus):
    2A6Mにレオパルト2PSOに準じる改修を行った型。
    車体の左右側面に容易に着脱が可能なモジュール装甲を装着している。
    このモジュール装甲は2種類あり、成形炸薬弾対策を重視した中空装甲タイプ、成形炸薬弾・運動エネルギー弾?の両方に対応した複合装甲タイプがある。
    主砲はレオパルト2A6と同じ55口径120mm滑腔砲Rh120-L55を装備しているが、ラインメタル・ヴァッフェ・ムニツィオーン(RWM)社が新たに開発したプログラム入力が可能なDM11 HE-FLAG破片榴弾を使用できるようになっており、非装甲目標に対する攻撃力が大幅に向上している。

  • レオパルド2PSO(Leopard 2 PSO*3):
    2006年6月に初公開された、国際平和維持活動における対ゲリラ掃討戦や暴徒鎮圧を想定して設計されたタイプ。
    市街地での運用を考慮してか、主砲は44口径120mm滑腔砲を装備し、砲塔側面後半部及びサイドスカート前半部にRPG-7対策用の増加装甲?を、車体底面には対地雷用の装甲プレートを装着している。
    装填手用ハッチ後方に設置された全周旋回可能な遠隔操作式銃架には、40mm自動擲弾発射器、又は12.7mm重機関銃及び7.62mm機関銃を据え付け可能のほか、非殺傷兵器を搭載。
    その他、小型テレビカメラによる近接観測能力の向上や偵察能力の改善、車体前面へのドーザーブレードの装着や主砲同軸へサーチライトの設置等、ゲリラ掃討や暴徒鎮圧に適応した改良が施されている。

レオパルト2ファミリー

  • Bergepanzer(ベルケパンツァー) 3・BÜFFEL(ビュッフェル)(BPz 3):
    1992年に導入された、レオパルト2の車体がベースの装甲回収車型。
    ビュッフェルとはドイツ語でバッファローの意。
    レオパルト2の車体に箱型の固定式戦闘室を設置し、最大荷重295kNのクレーンと6,5kNウィンチを装備している。

  • Pionierpanzer(ピオニールパンツァー).3 Kodiak(コディアック)PiPz?.3):
    装甲工作車型。
    コディアック(Kodiak)とは"アラスカヒグマ(コディアックヒグマ)"の意。
    レオパルト2の車体に箱型の固定式戦闘室を設置し、ショベルアームおよびドーザーブレードを装備する。
    ドーザーブレードの代わりに地雷処理装置を装備することも可能である。

  • Panzerschnellbrücke(パンツァーシュネルブリュッケ) 2(PSB 2):
    レオパルト2の車体を流用した架橋戦車型。
    全長9.7mの橋体3基と架橋装置を装備する。
    橋体は連結することができ、最大有効長27.7mまでの架橋が可能である。

  • Panzerschnellbrücke(パンツァーシュネルブリュッケ) Leguan(レグアン)(PSB Leguan):
    ブリュッケンレーゲパンツァー・ビーバーの後継として開発された架橋戦車型。
    レグアンとはドイツ語でイグアナの意。
    多種類の橋体を複数搭載可能な架橋装置を装備しており、最大で全長40m、最小で20mの有効長の橋体を架橋できる。

派生型

  • レオパルト2NL:
    オランダ陸軍向けの生産型。
    基本的にはA1と同じ車両だが、発煙弾発射機や操縦手用の暗視装置付きペリスコープ、無線機などをオランダ製のものに変更しており、車載機関銃も西ドイツ製のMG3からベルギー製のFN-MAGに変更している。
    財政難による規模縮小で、オランダ陸軍が戦車部隊を廃止したため2011年に売却されることが決まり、カナダ陸軍に20両、ポルトガル陸軍に37両が売却されている。

  • レオパルト2A5DK:
    デンマーク軍向けモデル。ドイツ陸軍から購入した中古の2A4を改修した。
    細かい部分で改良が施されており、車体前面にはStrv.122と同様の増加装甲が装着されており、装甲防御力が強化されている。
    また、車内にはエアコンが装備されており、それに伴って機関室内右側に補助動力装置が追加されている。
    その他、赤外線映像装置をイスラエルのElop社製のものに変更し、主砲防盾上の砲手用補助サイトの左側には小型のサーチライトが追加装備されている。

  • レオパルト2E:
    スペイン陸軍向け。
    2A6をベースに装甲防御力が強化されており、車体前面上部と砲塔上面にStrv.122と同様の増加装甲が装着されている。
    また、レオパルト2A5DKと同様に車内にエアコンが装備されており、それに伴って機関室内右側に日本のクボタ製の補助動力装置が追加されている。
    赤外線暗視装置はENOSA*4社製のものに変更されており、アンペル・プログラマス社とドイツのラインメタル・ディフェンス・エレクトロニクス(RDE)社が共同開発した「LINCE*5」と呼ばれるC4Iシステムも装備されている。
    このシステムは「SIMACET*6」とリンクして運用される。

  • レオパルト2HEL:
    ギリシャ陸軍向け。
    主にヴェトロニクスが強化されており、FCSはオリジナルのものより有効射程が長く、赤外線暗視装置もオリジナルより解像度の高いものが搭載されている。
    また、ドイツのラインメタル・ディフェンス・エレクトロニクス(RDE)社製の「イニオカス*7」と呼ばれるC4Iシステムも装備されており、部隊単位の戦闘力がオリジナルより大きく向上している。

  • Strv.121(Stridsvagn(ストリッツヴァグン) 121):
    スウェーデン陸軍向けの生産型。

  • Strv.122(Stridsvagn(ストリッツヴァグン) 122):
    スウェーデン陸軍が使用するレオパルト2の性能向上型。
    車体前面と前部上面、砲塔上面に増加装甲を追加したほか、車長と装填手のハッチを電動スライド式に変更し装甲を強化するなど各種改良が施されている。
    派生型に対地雷防護キットを装着したStrv.122Mがある。


*1 Kampfwertsteigerung:戦闘能力強化。
*2 現在は装薬を変更したDM53A1およびDM63を使用。
*3 Peace Support Operationsの略。
*4 Empresa Nacional de Optica, S. A.:国営光学企業。
*5 Leopard Information Control Equipment:レオパルト情報管理装置。
*6 Sistema de Mando y Control del Ejercito de Tierra:陸軍指揮システム。
*7 INIOCHOS:古代ギリシャの二輪戦車。

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