Last-modified: 2016-10-10 (月) 14:05:08 (288d)

【レーダー】(れーだー)

RAdio Detection And Ranging (RADAR).
日本語では「電波探信儀(電探)」とも。

電波を発信し、物体に衝突して跳ね返ってきた電波を受信して物体の存在を探知する機器。
反射状況から数学的に推定して物体の大きさ・距離・方位も特定できる。

能動的にエネルギーを放射するという性質上、同種のレーダー(または発信機能のないレーダー警戒受信機)によって逆探知される可能性を持つ。
通常の物体なら検知されないような遠距離でも、レーダー波の発信源であれば検知して方位を特定し得る。
このため、レーダーが関与する戦場では、互いの電波発信を探り合う電子戦がほぼ常に発生する。

通常の物体を検知する際、レーダー波はまずその物体に衝突し、それから同じ距離を戻ってきてレーダーに吸収される。
これに対して、レーダー波が直接他のレーダーに衝突した場合、当然ながらそのレーダー波が反射される前の段階で逆探知される。
単純計算で言えば、レーダーはその有効識別圏の2倍の距離からでもレーダー警戒受信機に逆探知される危険性がある事になる。
そしてレーダーの有効識別圏外でレーダー警戒装置に逆探知された場合、照射した側のレーダー自体はその事を検知できない。

電磁波の存在が発見された当初から研究され、20世紀初頭には最初の船舶用電探が発明されている*1
しかし精度と有効距離の関係で需要がなく、以後数十年は学術・研究用にのみ用いられた。

第二次世界大戦頃には実用レベルの対空警戒用レーダー網が完成。
多大な予算的犠牲を払っていち早くレーダーを実用化した事は、連合国の勝利に繋がる重要な要因となった。

以降、レーダーは最も長い有効距離を持った索敵手段として空軍海軍に広く普及。
その後、航空機の民生利用と共に航法航空交通管制にも広く用いられるようになっている。

主な分類

連続波レーダー(Continuous Wave:CW)
指向性の強い電波を用い、ドップラー効果を用いた計算で方位を計測する。
反射波が送信された時刻を特定できないため、目標までの距離は測定できない。
枯れた技術だが、現代でもイルミネーターや一部の監視レーダーに見られる。
周波数変調連続波レーダー(Frequency Modulated:FM/CWレーダー)
連続波レーダーを改良し、距離の測定を可能としたもの。
電波の送信波の周波数を一定の周期で変化させる事で、送信時刻を特定する。
車載レーダーなど、比較的に近い距離で高精度の分析が必要な場合に用いられる。
パルスレーダー(Pulse)
レーダー波を断続的なパルスとして送信するもの。
相対距離・方位・速度の全てを計測できる。
監視レーダーなど、現在知られているレーダーの多くがこの方式である。

関連:パルスドップラーレーダー アクティブフェイズドアレイレーダー

http://www.masdf.com/eagle/f15/anapg63a002.jpg
各種戦闘機に搭載されるレーダー。
手前の小さい物からF-86F用、F-104J用、F-4EJ用、F-1用、F-4EJ改用、F-15J


*1 1904年、クリスチャン・ヒュルスマイヤーの発明。「Telemobiloscope」の名義で英国の特許を取得している。

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