Last-modified: 2014-04-16 (水) 06:26:10 (1219d)

【リンクス】(りんくす)

Westland Lynx

英仏の陸海軍で使用することを前提に設計された、ウェストランド社(現アグスタウェストランド)製の中型汎用ヘリコプター初飛行は1971年。
機体の開発にあたってはシュド・アビアシオン(現エアバス・ヘリコプターズ)も参加しており、同機のライセンス生産もおこなっている。
アメリカ製のUH-1よりも高性能な機体として開発され、アルーエト3?などの後継機として用いられている。

エンジンとしてロールスロイス?・ジェム ターボシャフトを双発で備え、ローターはグラスファイバーやチタニウムを用いた4枚ブレードの折り畳み式で、当初から海上運用が意識されている。
とはいえ陸上型と海上型では機体構造に差異があり、海上型がランディングギアを備えているのに対し、陸上型ではランディングスキッドを備え、テイルブームの折り畳み機構も省略されている。

リンクスMk.8ではBERP(英国実験ローター計画)に基づき改良型のローターを装備し能力向上を果たしている。
このBERPローターは旧型にも改修装備されたほか、AW101にも活かされている。
輸出も行われており、英仏両国以外にも、オランダ海軍をはじめ旧西ドイツ、アルゼンチン、ブラジル、デンマーク、韓国などでも採用されている。

スペックデータ

乗員2名+兵員12名
全長15.17m(主ローター含む)/11.92m(胴体のみ)
全高3.51m
主ローター直径12.80m
回転円盤面積128.7
空虚重量2,578kg
運用自重3,072kg(対戦車攻撃仕様)
最大離陸重量4,876kg
最大兵装搭載量594kg
エンジンロールス・ロイス ジェム41-1ターボシャフト推力835kW)×2基
最大速度140kt
海面上昇率661m/min
実用上昇限度3,660m
ホバリング高度限界3,230m(OGE)
最大航続距離340nm(機内燃料のみ)/724nm(増槽使用)
兵装陸軍型:
BGM-71「TOW」対戦車ミサイル×8発
海軍型:
シースクアまたはAS.15空対艦ミサイル×4発
スティングレイ誘導短魚雷×2発
爆雷×2発


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派生型

  • WG.13:
    試作・原型機。1971年3月に初飛行した。

  • HT.3:
    英陸軍向けの練習機型。提案のみ。

  • リンクスACH:
    実験機型。

  • リンクスMk.1:
    イギリス陸軍向け汎用型。「リンクスAH.Mk1」とも呼ばれる。
    TOW対戦車ミサイルを搭載可能。

    • AH.1GT:
      AH.1のAH.7規格への暫定改修機。後にリンクスAH.7仕様へ改修された。

    • AH.5:
      イギリス陸軍用の実験仕様機。4機のみ製造。

    • AH.6:
      イギリス海兵隊向けの機体。提案のみ。

    • AH.7:
      イギリス陸軍?用の攻撃ヘリコプター型。

    • リンクスMk.9(バトルフィールドリンクス):
      Mk.8に自衛用空対空ミサイル装備能力を持たせた、イギリス陸軍向けスーパーリンクス。
      「リンクスAH.9」とも呼ばれる。

  • リンクスMk.2:
    イギリス海軍向けの対潜・対艦哨戒ヘリコプター型。
    「リンクスHAS.Mk2」とも呼ばれる。

    • リンクスMk.2(FN):
      フランス海軍向けのリンクスMk.2。
      「リンクスHAS.2(FN)」とも呼ばれる。

  • リンクスMk.3:
    Mk.2のエンジン強化型。
    「リンクスHAS.Mk3」とも呼ばれる。

    • リンクスMk.3S:
      保全通信装置を追加したMk.3の改良型。
      「リンクスHAS.3S」とも呼ばれる。

    • リンクスMk.3GM*1
      ペルシア湾での作戦用に改修された海軍型。19機が改修された。
      「リンクスHAS.3GM」とも呼ばれる。

    • リンクスMk.3S(ICE):
      極地活動用に改修された海軍型。2機が改修された。
      「リンクスHAS.3S(ICE)」とも呼ばれる。

  • リンクスMk.4:
    フランス海軍向けのリンクスMk.3。
    「リンクス HAS.Mk4(FN)」とも呼ばれる。

  • リンクスMk.8(スーパーリンクス):
    各部を改良し、BERPローターを装備した英海軍向け性能向上型。
    「リンクスHMA*2.8」とも呼ばれる。
    • HMA.8DSP:
      デジタル信号プロフェッサを搭載した型。

    • HMA.8DAS:
      Defensive Aids Subsystemを搭載した型。

  • AW159「リンクス・ワイルドキャット*3」:
    スーパーリンクス300をベースにエンジンを双発化し、グラスコックピット化するなどした英陸海軍向け最新型。
    エンジンはCTS800-4Nを搭載。
    2014年の運用開始を予定している。

主な輸出型(カッコ内は輸出国での呼称)

  • Mk.21(SAH-11):
    HAS.2のブラジル海軍向けモデル。

  • Mk.21A:
    スーパーリンクスのブラジル海軍向けモデル。

  • Mk.23:
    HAS.2のアルゼンチン海軍向けモデル。
    フォークランド紛争勃発のため販売が中止され、後日、ブラジルおよびデンマークに輸出。

  • Mk.25(UH-14B):
    HAS.2のオランダ海軍向けモデル。

  • Mk.27(SH-14B):
    HAS.2のオランダ海軍向けモデル。

  • Mk.28:
    AH.1のカタール国家警察向けモデル。

  • Mk.80:
    HAS.2のデンマーク海軍向けモデル。

  • Mk.81(SH-14C):
    HAS.2のオランダ海軍向けモデル。

  • SH-14D:
    オランダ海軍向け性能向上型。

  • Mk.86:
    HAS.2のノルウェー空軍向けモデル。

  • スーパーリンクス Mk.95:
    HAS.8のポルトガル海軍向けモデル。

  • スーパーリンクス Mk.99:
    HAS.8の韓国海軍向けモデル。

  • Super Lynx 300:
    エンジンをCTS800-4Nに換装した型。2001年6月に初飛行した。

生産されなかったもの・計画中止のものなど

  • Mk.22:
    エジプト海軍向けモデル。

  • Mk.24:
    イラク軍向けモデル。

  • Mk.26:
    イラク軍向けモデル。

  • Mk.82:
    エジプト軍向けモデル。

  • Mk.83:
    サウジアラビア軍向けモデル。

  • Mk.84:
    カタール軍向けモデル。

  • Mk.85:
    アラブ首長国連邦軍向けモデル。

  • Mk.87:
    アルゼンチン海軍向けモデル。フォークランド紛争勃発で輸出禁止に。

  • Mk.88:
    ドイツ海軍向けモデル。

  • Mk.89:
    ナイジェリア海軍向けモデル。

  • Mk.90:
    デンマーク向けモデル。

  • バトルフィールド・リンクス:
    輸出向けに提案。

  • バトルフィールド800:
    輸出向け提案型。1992年計画中止。


*1 ペルシア湾用改修(Gulf Modification)の略。
*2 海洋攻撃型(Helicopter Maritime Attack)の略。
*3 当初は「フューチャーリンクス」と呼ばれていた。

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